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チーム開発をしている方、特にスクラムなどを採用している場合はスプリントごとに振り返りをしていることが多いのではないでしょうか?
振り返りはチームとしての学びを最大化させていく上で非常に重要なものですが、振り返りに加えて「向き直り」をしていくことも非常に重要です。
この記事では向き直りについて紹介していきます。
振り返りとは
向き直りの紹介をする前に、振り返りについて紹介します。
振り返りはみなさんご存知の通り、プロジェクトやスプリントなど、一定の期間ごとに取り組んだことに対しての良かったところ、改善点などを洗い出しながら、次回以降のアクションの改善に活かしていくためのプロセスです。
この振り返りを行うことで、イテレーティブに改善を行なっていくことができ、チームとしての動きの質を高めていくことが可能です。
向き直りとは
振り返りがプロジェクトやスプリントなどの比較的短い期間での取り組みをみて改善を行なっていくのに対し、
向き直りは「チームとして元々目指していたこと」と「現時点の自分たちの状態」をみながら、これからの動きの改善を行なっていくものになります。
この向き直りというプロセスは市谷聡啓さんが提唱しており、組織を芯からアジャイルにするなどの中で紹介されています。
なぜ向き直りが必要になるのか
向き直りは言葉にするととても簡単なプロセスです。文字通り、元々設定していた目標や目的を思い出し、自分たちの今の状態がその方向に向かえているかどうかを考えるだけです。
「これなら普段の振り返りだけでも良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そうもいかないことがあります。
なぜなら、振り返りは短期間の過去のみをみて向かう方向やアクションの改善を行なっているため、チームの目標を設定した後時間が経てば経つほど元々の目標や目的からずれていってしまう可能性があるためです。
向き直りとは、この「元々目指していた場所」と「現在いる場所」のずれを可視化するために必要になるプロセスです。
この向き直りをすることで、日々の振り返りの方向を補正することができ、改めて価値のある振り返りが行えるようになっていきます。
どのタイミングでやると良いか
基本的には振り返りのみ行い、振り返りが以下のような状態になってきたときに向き直りを実践していくと良いと思います。
- 日々の振り返りが同じような内容になってきている
- 振り返りで課題が特に出てこない
- 振り返りの改善点が細かい話が増えてきている(大きな課題が出てこなくなってきている)
このような状態になっているときは、目指していたところが曖昧になってきている、またはすでにそこを超えた状態まで到達している状態などになります。
そのような場合は向き直りを行い、改めて自分たちが向かっている場所の共通認識を作っていくことができれば、また次回からの振り返りの価値が高めることができるはずです。
参考