はじめに
CS立体図を最新版QGIS LTRで作成できるCSMap Pluginを作成しました 🎉
CS立体図を作成できるQGISプラグインではCSMapMakerが長らく使われています。しかし,QGIS 3.30からQGISのインストール時にSAGAが内蔵されなくなったため,SAGAに依存するこのプラグインを使用するには対応のバージョンのQGISを使用する必要がありました。
SAGAに依存せずCS立体図を作成できるツールとして公開されたのがcsmap-pyです。
本プラグインは,csmap-pyのrasterioとnumpyによる変換ロジックを利用しています。
プラグインのインストール
本プラグインは QGIS Python Plugins Repository にて "CSMap Plugin" という名前で公開しています。
QGISの プラグイン
> プラグインの管理とインストール...
から "CSMap Plugin" と検索してインストールすることができます。
Windowsをお使いの方へ
Windows版のQGISでは,プラグインの読み込みエラーが発生する場合があります。
原因は,変換処理に必要なrasterioモジュールがないことにあります。
*プラグインのインストール自体は問題なく完了しています。
以下の手順でrasterioをインストール/インポートしましょう!
- 手順1:QGISでPythonコンソールを起動します。
-
手順2:
!pip install rasterio
を実行します(コピペ推奨)。 - 手順3:QGISを再起動して,再度Pythonコンソールを起動します。
-
手順4:
import rasterio
を実行して,プラグイン
>プラグインの管理とインストール...
から本プラグインにチェックを入れます。
手順2を実行時に以下のような WARNING
が赤文字で表示される場合があります。
これは,rasterioが指定されたディレクトリにインストールされていますが,そのディレクトリがシステムのPATH環境変数に含まれていないことを意味しており,コマンドラインやターミナルから rio.exe
を直接実行することができない,ということを教えてくれています。
本プラグインを使用するうえでは全く問題のないことなので,無視していただいて構いません。
WARNING: The script rio.exe is installed in. 'C: \Users\<UserName>\AppData|Roaming\Python\Python312\Scripts'.which.is.not.on PATH. Consider・adding・this.directory・to・PATE or,if you.preter・to suppress・this warning,use --no-warn-script-location.
CSMap Pluginを使ってみよう
使用方法は,
- 入力ファイル:DEM(GDALでサポートされている形式のもの)を選択する
- 出力ファイル:CS立体図を保存したいディレクトリを選択して,名前をつけて保存する
-
高度なオプション
及び処理終了後,自動でウィンドウを閉じる
を任意で選択・設定する
以上です!
入力ファイルは1つのファイルのみ選択可能ですが,仮想ラスターに対応しています。
出力ファイルは,name.tif
として出力されます。
高度なオプションは,その意味がわかる方の使用を想定しています。max workers
はCPUのスレッド数を最大値の目処として設定してあげると,多少の処理速度向上が見込めます。
おわりに
本プラグインに対するご指摘やご要望がありましたら,GitHubのissuesに投稿いただくか,本記事にコメントいただけますと幸いです。
今後の機能改善の参考にさせていただきます。