#はじめに
Raspberry Pi 2にArch Linuxをインストールする方法や、ユーザ追加、タイムゾーンなどの設定からデスクトップ環境、無線LANなどの設定まで一通り動く様になるまでの設定方法をまとめたものです。
#用意するもの
- Linux系OSが入っている環境(インストールの際に必要です)
- Raspberry Pi 2
- microSDカード(8Gあれば安心です)
- HDMIケーブル+ディスプレイ
- ネットに繋がるLAN
- USBのwifiドングル
- USBマウス
- USBキーボード
#インストール前の注意
原因は分かりませんが、私の場合ArchLinuxで以下の作業をすると起動させることが出来ませんでした。環境によるとは思いますが、他のディストビリューションでやられる方が良いかと思われます。
#Arch Linuxインストール編
#####パーティション切り
下準備としてLinux系OSが入っている環境を使って、microSDカードのパーティションをブート用の領域とそれ以外の領域に切っていきます。まずは、# fdisk -l
でパーティションを切るmicroSDカードがどれなのか確認しましょう。/dev/sdf_や/dev/sdg_あたりになっていることが多いと思います。(容量などを見て判断してください)
次に# fdisk /dev/sd?
でmicroSDを選択して(?は上で確認したものを入力)fdiskのコマンドモードに入ります。このモードでは以下の順番通りにコマンドを入力してください。
- Command(m for help):o
- Command(m for help):n
- Command(m for help):p
- Command(m for help):enterキー
- Command(m for help):enterキー
- Command(m for help):+100M
- Command(m for help):t
- Command(m for help):c
- Command(m for help):n
- Command(m for help):p
- Command(m for help):2
- Command(m for help):enterキー
- Command(m for help):enterキー
- Command(m for help):w
これで100Mのブート領域とそれ以外の領域にパーティションをきることができます。
#####ファイルシステムの作成&マウント
切ったパーティションにそれぞれファイルシステムを作成し、マウントします。ブート領域とそれ以外の領域ではファイルシステムの形式が違うので注意してください。
- ブート領域
# mkfs.vfat /dev/sd?1
# mkdir /mnt/boot
# mount /dev/sd?1 /mnt/boot
*mkfs.vfatがない場合はdosfstoolsをインストール
- それ以外の領域
# mkfs.ext4 /dev/sd?2
# mount /dev/sd?2 /mnt
#####Arch Linuxのダウンロード&展開
Raspberry Pi 2用のArch Linuxをダウンロードしてきてマウント先に展開します。展開の際にbsdtarを使用していますが通常のtarでも展開可能です。
# wget http://os.archlinuxarm.org/os/ArchLinuxARM-rpi-2-latest.tar.gz
# bsdtar -xpf ArchLinuxARM-rpi-2-latest.tar.gz -C /mnt
# sync
#####アンマウント&後処理
最後にマウントしたパーティションをアンマウントし、不要なディレクトリを削除したらインストールの完了です。
# umount /mnt/boot
# umount /mnt
# rmdir /mnt/boot
#起動時の注意
インストールが終わったmicroSDカードをRaspberry Pi 2にセットし電源を投入すれば起動するはずですが、この時画面出力に使うケーブルはHDMIケーブルの使用をおすすめします。私はVGAとの変換アダプタを使用して画面が出力されずにハマりました。詳しい原因はわかりませんでしたがRaspbianでは出力されていたので相性の問題なのだと思います。
#Arch Linuxシステム設定編
Arch Linuxが起動したらuser:root, password:rootでログインしてください。
#####ロケール設定
# nano /etc/locale.gen
でファイルを開いて_en_US.UTF-8 UTF-8_と_ja_JP.UTF-8 UTF-8_の行をコメントアウトを外してください。保存したら# locale-gen
でロケールを反映させます。
#####言語設定
使う言語を日本語に設定します。
# echo LANG=ja_JP.UTF-8 > /etc/locale.conf
# export LANG=ja_JP.UTF-8
#####キー設定
日本のキー配列にしたい場合は# nano /etc/vconsole.conf
でファイルを作成し、_KEYMAP=jp106_を追加してください。
#####タイムゾーン設定
# ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
でリンクを貼ってください。
#####ユーザの追加&sudoの設定
_user_部分を任意のものに変更して以下のコマンドを入力してください。
# useradd -m -g wheel user
# passwd user
#####ホスト名の変更
# hostnamectl set-hostname XXXX
でXXXを任意の名前にするとホスト名が変更できます。
一般ユーザではsudoを使ってルート権限を得ることが多いと思いますが、初期状態ではsudoがインストールされていないので# pacman -S sudo
でインストールをします。その後、# visudo
でファイルを開き_%wheel ALL=(ALL) ALL_のコメントを外してください。
ここまで来たら一度# reboot
をかけてください。
#基本的な環境設定編
#####SSH
何も設定をしていない状態ではRaspberry Pi 2がSSHを待ち受けていない為、他の端末から操作をすることができません。# systemctl start sshd.service
を入力することでSSHを待ち受ける状態に入ります。また、# systemctl enable sshd.service
で起動時に自動的に待ち受けが始まるよう設定する事ができます。
#####デスクトップ環境
まず、デスクトップ環境構築に必要なxorgを# pacman -S xorg
でインストールします。その後、GUIを提供するLXDEを# pacman -S lxde
でインストールします。LXDEにはログインマネージャのLXDMが付属しているので、インストールが終了したら# lxdm
でデスクトップ環境を動作させることができます。GUIから抜ける場合はCtrl+Alt+F2を押してください。起動時から自動的にデスクトップ環境を動作させる場合は、# systemctl enable lxdm.service
を入力してください。
#####無線LAN
Raspberry Pi 2にドングルを接続し、# lsusb
や# ip link
でシステムが認識していることを確認してください。確認ができたら# wifi-menu -o
を入力し、GUIに表示されたアクセスポイントから接続先を選択、パスワードを入力してください。GUIを抜けると/etc/netctl/上に接続先のprofileが作成され、無線LANとの接続が行われます。起動時から自動的に無線LANとの接続をさせる場合は、# netctl enable profile
を入力してください。_profile_はwifi-menuで作成されたものに書き換えてください。