はじめに
最近,Brocade製のネットワークスイッチ2種(Fastiron, ICX)を使うことになり,いろいろ調べながら使っていました.
経験のあった Cisco CatalystシリーズとはVLAN設定の考え方が違って戸惑ったのでメモしておきます.
異なると感じたのは以下の点です.
- Spanning Tree設定
- VLANとPortの関連付け方
- Native VLANの扱い
VLANを作る
ここは, Cisco も Brocadeも同じです.
#configure terminal
(config)# vlan 10
Spanning Tree (STP, RSTP)設定
Ciscoではspanning-tree コマンドでスイッチのすべてのVLANに一括設定できます.
(config)# spanning-tree mode rapid-pvst
BrocadeではVLANごとに設定する必要があるようです.さらに,Layer 3ファームウェアとLayer 2ファームウェアで初期動作が異なり, Layer 2ファームではデフォルト有効, Layer 3ファームではデフォルト無効とのことです.
なので, BrocadeではVLANを作ったら spanning tree設定も入れていく必要があります.
(config)# vlan 10
(config-vlan-10)# spanning-tree 802-1w
ちなみに,Ciscoでは STP+ RSTP+ などの独自拡張プロトコルが使用されていますが,BrocadeスイッチをCiscoスイッチと接続した場合にはBroacdeスイッチがCiscoスイッチの出すパケットを検知して,Cisco動作に合わせるとのこと.
Port VLANの設定
Ciscoでは Portに対してVLANを設定します.
(config)# interface Gi1/0/1
(config-if)# switchport mode access
(config-if)# switchport access vlan 10
BrocadeではVLANに対して untagged ポートを設定します.
(config)# vlan 10
(config-vlan-10)# untagged ethernet 0/1/10
Trunk portの設定
CiscoではPortに対して trunk (Tag VLANを流す) ことを指定します
(config)# interface Gi1/0/1
(config-if)# switchport mode trunk
※機種によっては trunkのあとにdot1qとプロトコルの指定が必要
Brocadeでは, VLANに対してtag付きのパケットを通すかどうかを指定します. つまり, Ciscoでは Port→VLANの順で設定するのに対してBrocadeではVLAN→Portの順で設定します.
(config)# vlan 10
(config-vlan-10)# tagged ethernet 0/1/10
Ciscoの方は, trunkの指定を行うと意図的に対象VLANを制限しない限りすべてのVLANがtag付きで流れます. Brocadeは逆に設定したVLANのみが対象となります.
各VLAN, 各Portのマトリクス全てに設定が必要となりますが, VLAN, Portともに一括指定するための書式が用意されています.
Native VLAN
Native VLANはタグ無しでパケットが流れるVLANです.
Ciscoでは Port に対して switchport access vlanで指定したIDのVLANがnativeとして扱われます.
BrocadeではVLAN設定にて同一のポートに untagged 1つ, tagged 複数の設定ができますが,それだけでは untagged指定したVLANは流れません.
untagged 指定したVLANをtag VLANと混在させて流すには,対象ポートを明示的に dual-mode 指定する必要があります.
(config)# interface ethernet 0/1/10
(config-if-e1000-0/1/10)# dual-mode 10
Ciscoと同一動作にするなら全ポート dual-modeと設定すればよいのでは?と思いましたが,tagged VLANが指定されていないポートでは設定エラーになりました.