・原因の発生
Windowsであるソフトをインストールしたとき、「Windowsサービスに登録」というメニューが出てました。
そのPCはActiveDirectory下にあるので「権限のあるユーザーのパスワードを入力してください」と出てきました。ルートのパスワードを入れたにもかかわらず、失敗で認めてもらえませんでした。
そこから、異常が出だします。再起動をかけて、いざパスワードを入力して入ろうとするや
「このワークステーションとプライマリドメインの信頼関係に失敗しました」
との表示。Windowsにログインすらできなくなってしまいました。
「さて困ったな」
とりあえず、必要なデータはLinux経由で救出することにしました。
・症状の様態
ということで、USBに仕込んであったLinuxの出番。(OS: Tails 4.12)
USBでTailsを起動させて、そこからWindowsのHDD(sda2)を覗こうとしたのですが、そのときに、Authentication Required というメッセージが出て、そのWindowsのHDDが覗けない・・・!!
30分ほど格闘して、無事データを救出できたので、その方法を書き残しておくことにします。
・解決方法
1.USBを刺して、起動ボタンをポチ
2. ブート画面でF2を押して(PCによってはF10だったりF11だったりします、起動ボタンを押して一瞬出てくる画面を確認のこと)Tailsの起動画面に。
3. Tailsがオープンするときの「ようこそ画面」では、オプションでルートのパスワードを設定することができるので、適当にパスワードを設定。
4. [Home]-[Persistent]以下に、以下の内容のテキストファイルを作って、 10-local.rules という名前で保存する。
KERNEL=="sda2", ENV{UDISKS_IGNORE}="1"
KERNEL=="sdb2", ENV{UDISKS_IGNORE}="1"
KERNEL=="sdc1", ENV{UDISKS_IGNORE}="1"
( sda2 とか sdb2 という名前は、その人の状況によって異なると思いますので、開きたいHDD名を指定してやってください)
Persistent以下に保存するのは、電源切って再起動しても残るようにするためです。(これは USB上の Tails OS で Persistent Volume を既に作成しているものとして話をしています)
5. [System Tools]-[Terminal]を起動、 sudo -i
と打つと、パスワードが要求されるので、3.で設定したパスワードを打ち、ルート権限獲得!
6. ターミナルで、4.で作成したテキストファイルをシステム領域(/etc/udev/rules.d 直下)に移行させます。
mv /home/amnesia/Persistent/10-local.rules /etc/udev/rules.d
(mv 移動させたいファイルのフルパス 移動させたい場所
という構文です)
7. Enterを押すと、10-local.rules が、/home/amnesia/Persistent/ から/etc/udev/rules.d に移っているはず。
(ルート権限がないと、システム領域に読み書きすることができないから、わざわざこんなことをやっています)
8. 10-local.rules がシステム領域に移った時点で、Authentication Required と出てはねられたHDDにアクセスすることができるようになっています。
9. 別の外付けUSBを付けて、そこに保存したいHDDの中身を全部コピーして終了!
めでたし、めでたし
・ポイント
Linuxのシステム領域に「HDD全部読ませてくれ!」という命令を書き込むことで、強制的にアクセスを可能にする、という方法です。
ActiveDirectoryが入っているとセキュリティ的なものが入ってくるのでしょうか?
「USB Linuxがあるもんね~、さあ救出だ~」とウキウキしていたところに、Authentication Required と出てはねられたときの絶望感たるや
そんなときでも、強引にHDDを覗いてデータ救出する際、非常に役に立つテクニックだと言えます。自信を持って言えます。
これがないと、途方に暮れるところでした。
もっとも、HDDが物理的にダメになっていたら、これでも無理ですが。
しかし、今私が経験したような、あくまでもソフトウェア的なエラーでログインできないだけのときには、最後の救世主です。
ドメインの信頼関係は、月一度取ってあったバックアップをそのままHDDごとコピーして、無事に回復。あとは救出した最新のデータだけ書き込んで、復旧終了。
(OSごとのHDDのバックアップって、こういうときに真価を発揮します)
こういう危機的なエラーは滅多に出ないのですが、出たときにものすごく困惑し、狼狽します。もうその時点でパソコンが使えなくなってしまいますから。
私の仕事の中でも最重要テクニックの一つとなりました。
備忘録的に、書き残しておくことにします。