はじめに
HTB Development Team with Friends Advent Calendar 2023
14日目です! Friends 枠で書かせていただく Genki (小笠原元気)といいます👋
さて、私は HTB さんと同じく北海道の会社である、北海道ガス株式会社に所属しています。北海道ガスでは2019年から IoT プロジェクトの内製開発に取り組んできました。今年2023年6月に、 Mys3 (ミース) として業務用エネルギーマネジメントサービスとしてリリースすることができました。
- プレスリリース
- SORACOM IoT Usecase でご紹介いただいた事例
内製開発初期の取り組み
内製開発を足掛け4年継続してきたのですが、三浦さんとの出会いによって色々なことがあったなぁ、とふと感じたので、この機会に北海道ガスの内製開発の歩みを三浦さんとの出会いと共に振り返りたいと思います。
2018年 内製開発の足がけ
2018年初頭に、社員2名が社内コミュニティ(通称KGX)を立ち上げ、技術領域のプログラミング・IoT・クラウドの領域に取り組んできました。社内コミュニティはおおよそ当初6〜7名で構成されており、私が現在所属している部署のメンバーを中心に、ざまざまな部署から参加していました。
私は2018年当時、営業部署に所属していましたが、何かスキルを身につけたいという思いから Python を触り始めていました。その後、2019年の4月に当部門に移動になり、初めてクラウドに触れることになります。
また、現部門に移動になってからは業務効率化をメインにクラウドについて取り組んでいました。チームで計測データの集計業務ををプログラムとクラウドで効率化したり、ネットワークに接続できない機器の遠隔監視などに取り組み、実際に成果が出始めている頃でした。
2019年 三浦さんとの出会いと JAWS FESTA の登壇
三浦さんとの最初の出会いは、2019年8月26日でした。AWSの外勤営業の方を通じて紹介してもらった気がします。JAWS FESTA で発表してもらえないか?と打診いただき、結果的にこれが内製開発としても大きなターニングポイントだったと感じています。
初めてお会いしたその場では、クラウドを利用したお互いの事例を情報交換をさせてもらいました。そこで、北海道でここまですごいことをやっている人がいるんだ、一緒に楽しく話せる人がいるんだ、と感じ非常に勇気づけられたことを今でもはっきりと覚えています。自分たちの向かっている先が正しいのかわからない状態でやっていた中で、三浦さんという先駆者が身近にいたことはすごくありがたいことでした。
また、弊社の IoT システムもほぼサーバレスで構築しているのですが、これも三浦さんという先駆者がいたからやれたことかなと思っています。結果的に、HTBさんと同じような少ない人数で回すためには必要な要素の一つだったと感じています。
- 2023年現在のアーキテクチャ
JAWS FESTA 2019 SAPPORO
当時の発表内容は「初心者ながらやってみた」という内容でした。今思い返すと、HPC でもなんでもないただのバッチ処理に AWS Batch を使っていて、ツッコミどころが満載のシステムなのですが、この時点でコンテナで Selenium の処理をしていたので、頑張ってるなという風にも思います。
発表をきっかけに、コミュニティの楽しさを知ることができました。自分たちの発表に共感していただいたり、具体的にアドバイスをいただいたり、さらにはビジネス的なつながりもできたり・・・と JAWS-UG のコミュニティに出たことで得るものがたくさんありました。
また、私の中で今でも印象に残っているのが AWS Sumurai の田名部さんの講演です。当時、とてつもない衝撃と感銘を受け、自分は今後どうしていくか?と考えるきっかけにもなりました。
コミュニティを知り、そしてコロナ禍へ
2019年末には積極的にコミュニティに参加するようになり、徐々に顔見知りの方も増えてきました。しかし、ここで新型コロナウィルスが蔓延し、コミュニティのオフラインイベントもなくなってしまいました。
その中でも引き合いをいただき、JAWS 朝会・AWS IoT Loft での登壇など、事例として話す機会もいただけるようになりました。
- AWS で取り上げていただいた事例
- IoT Loft #11 で登壇した際の記事
コロナ禍では粛々とプロダクトを進め、この頃からバックエンドに AWS CDK を導入し IaC に取り組んだり、フロントエンドも Nuxt.js で書くことになったり本格的な開発に取り組んでいました。
また、社内の他の事業部門でも AWS を使い始めたり、デジタルトランスフォーメーションも経営課題として掲げられたりと、ますますクラウドのニーズが高まっていたことを記憶しています。
2023年を振り返って
5月 社内コミュニティ勉強会
コロナ禍が明けた5月末には、三浦さんに当社にお越しいただき、社内コミュニティ勉強会にてお話ししていただきました。これまで三浦さんがどういった取り組みをされてきたのかがメインテーマでした。
実は私もちゃんと聞いたのは初めてだったのですが、最初の段階の苦労のお話や人をどうやって集めていったか、といった話をされていて、当社の参加メンバーへも響いたのではないかなと思います。
6月 サービスローンチ、DevDay と Reject Day
6月にはサービスをローンチし、実際のお客さまに提供を開始することができました。2019年から足掛け4年やってきたプロジェクトを商用リリースできたのは、非常に感慨深いものがありました。
6月中旬には AWS DevDay が開催され、初めてのプロポーザルへチャレンジしました。今見ると結構お粗末な CfP でちょっと恥ずかしいですが、これをきっかけにたくさんのアウトプットの機会をいただいたり、積極的にプロポーザルへ応募することになりました。そのため、ここで落選したことも結果的には色々といい方向に働いたと思うことにしています(笑)。
DevDay の CfP は非常に競争率高く、RejectCon ということで6月24日の JAWS-UG + AWS Startup Community で開催された Reject Day が開催されました。私も登壇させていただき、こちらは三浦さんから声をかけていただきました。
以前の「やってみた」ベースで話したこととは大きく異なり、このイベントで自分が開発してきたプロダクトについて話せることに非常に嬉しさや楽しさを感じることができました。私の中で、このイベントで登壇したことが本当に大きく、この頃からもっと外にアウトプットしたいという気持ちが非常に高まってきました。
8月 CNDF の CfP の落選
8月には、CloudNative Days Fukuoka 2023 が開催され、こちらもチャレンジし「IoTプロジェクトの理想と現実」というプロポーザルを提出しましたが、こちらも残念ながら落選となりました。
10月 JAWS FESTA 2023 in Kyushu
4年ぶりの FESTA が福岡で開催されるということで、絶対に行きたい!という思いでまたここでも CfP にチャレンジすることになります。3度目の正直で CfP が通過し、発表できることとなりました🎉
- Amazon CodeCatalyst で実現!CI/CDパイプライン
JAWS FESTA には当社からは4人で参加したのですが、CfP が通ったおかげでコミュニティ初参加の2人も連れていくことができ、コミュニティを知り、そして楽しく仕事をしてもらえるきっかけになったのではないかと思います。
ここでアウトプットすることができ、あまり馴染みのない CodeCatalyst をみなさんに知ってもらえるきっかけになれたかな、と感じています。また、懇親会も素晴らしい会場で盛り上がったのですが、個人的にはお茶会がかなりいい企画だなと思ったの今後のイベントでもぜひ常設して欲しいです・・・!
10月下旬 技術交流会
HTB のチームの皆さんに当社にお越しいただき、技術交流会を開催しました。こういった形式で行うのは、おそらく2019年以来で、お互いチームメンバーも増えていてメンバー同士も交流でき、非常にいい機会を設けられたと思っています。
身近にこういった交流できるチームがいるというのは、非常に刺激になりますし、お互い(物理)インフラで24/365のシステムという意味では事業も似ているので、チームメンバー間で勉強になる部分も多かったのではないかと思います。
11月 AWSカーニバル ~秋の祭典スペシャル!
今年、体感的には一番衝撃だったのがこの AWSカーニバルです。
7月にクラスメソッドさんの Developers.io が札幌で開催された際に、三浦さん・KAG 小板橋さんから当社の國奥に、当社のホールでイベントをやれないか?というお話をいただきました。実現した時は夢じゃないかな??と思いました(笑)
- オープニングトークの様子(当社ホール)
JAWS-UG + AWS Startup Community + Amplify User Group の3つのユーザーグループが主催で、大勢の方に札幌にお越しいただきました。
北海道でクラウドを触っているさまざまな業種の方の講演でしたが、GA 間もない Bedrock の事例があったりと、なかなか尖った事例が多くて刺激になりました。基調講演では、カミナシのトリさん・AWSの下川さんにお話しいただき、会場は大盛り上がりでした。
社内では10名近くのボランティアが集まり、イベントへの参加と会場設営などのお手伝いをしていただきました。社内ボランティアの大半がコミュニティ初参加だったため、この熱量を感じてもらえたのは本当に嬉しいことでした。そして、何よりも当社の会場でこのイベントが開催できたというのは、本当に感無量なことです。
私自身は、あまり準備段階でお手伝いできませんでしたが、初めてスタッフ側で参加することで全く違った視点で嬉しさを感じることができました。今まで参加してきたイベントの裏側で大勢の方に支えられていたことに気づきましたし、皆さんの意思疎通やチームワークが凄すぎて本当に素晴らしいなと感じました。
終わりに
今年1年を振り返ると、1つのアウトプットへのチャレンジをきっかけにしてさまざまな化学反応が起き、想像もしていなかったことまで起きた1年でした。
- CNDT 2023 での発表の様子
三浦さんとは2019年以来関わらせていただいていますが、コミュニティの世界に連れて行ってくれたことが、Mys3 (ミース)というプロダクトを内製開発でリリースまで持っていけたこと、そして私にとっても大きなターニングポイントだったと感じています。
私の5年間を振り返って
ここからは私の話になりますが、2019年に JAWS FESTA でコミュニティに参加したことによってすごく助けられたなぁと感じています。当時は、将来どういったスキルを身につけるのか、どういうところに自分が向かっていくか、私の中で非常に悩んでいた時期でもありました。
そして、コミュニティには熱量が高くそして楽しそうに技術のことを話している人がたくさんいて、自分もこういう風になれたらなと思い、クラウドを触って仕事をしてきました。今は少しだけそこに近づけたかな、と思っています。
5年前の自分から見ると、本当にびっくりなぐらい変わったと思います(筋トレで外見も変わりましたが笑)。それは上司や同僚の皆さん、そして三浦さんはじめ、コミュニティとそこで出会った皆さんがいたからこそだと思います。本当に皆さんに感謝しています。
そして、私自身はこれからもクラウドやITの世界で生きていきたいと思っています。その中で何か還元できるものが1つでもあればな、という気持ちでアウトプットを続け、これからも楽しく頑張っていきたいと思います。