前回のpostはこちらです
Slack ConnectはSlackの複数のワークスペース間で一つのチャンネルを共有する事ができる仕組みです。
非常に便利な仕組みで、他組織との協働には欠かせない機能です。
反面、Slackアプリ開発者には気をつけないといけないことがいくつかあり、今回は前回に引き続いてハマったことがありましたので記録していきたいとおもいます。
そのclientはどのワークスペースのclientか分かっているか?
動作イメージはこんな感じです。動画は↑
前提条件として、Slack コネクトで接続したチャンネルで、同じアプリケーションを複数ワークスペースが利用しているという状態です。
最初の記事にも書いたのですが、複数の同じアプリが一つのチャンネルに登録されている場合、Slackは一番最後に登録されたワークスペースのbotのみが生きている状態になります。
私達が開発しているTASUKARUというSlackアプリでは、todo という文字列を認識して、ToDoリストに加えるという機能を持っています。
このチャンネルには複数の同じアプリが登録されているのですが、今回は画像にある通り、他組織Eのアプリが反応して自動返信を投げてくれていることが分かります。
この状態から、ToDo取り下げボタンを押すと、ToDoリストから排除されます。何でもかんでも拾ってしまうと予期せぬToDoが増えてしまいますよね。
排除されたあとは、このような形に表記を変えています。
postの書き換えについて
書き換えはchat_update APIを使います。
Bolt for Pythonではこんな形で書きます
@bolt_app.view("remove_todo")
def remove_todo(ack, body, view, logger, client, payload):
#中略
try:
post_update = client.chat_update(
channel=channel_id,
ts= ts,
text = text,
blocks = message_blocks
)
except SlackApiError as e:
print("Error chat_update: {}".format(e))
これは、問題なく動きます。
ちなみに、clientに入っているbot_tokenは、先程見た他組織Eのbot_tokenが自動的に入ります。
ボタンの発火元がEのアプリからということで自動的に引き継がれているっぽいです。
問題が起きるのはこのパターン
上記の画像について「ToDoをアサインする」ボタンを押すと、このような画面へと移ります。
日付を設定し(しなくてもよいのですが)、担当者を設定するボタンを押すと担当者のアサイン画面へと遷移します。
担当者名を選んで保存するボタンを押すと、先程と同様に書き換え処理が走るのですが、cant_update_messageとなります。
これはなぜか
担当者を設定するボタンを押すと、以下のような形でactionをキャッチします。
@bolt_app.action("save_assign_user")
def save_assign_user(ack, body, view, logger, client, payload):
#何かしらの処理
ここで取得できるclientは誰のものでしょう。
それは、先程の組織Eのbot_idではなく、そのボタンを押したユーザーのclientになっているのです。
挙動としては、ボタンを押したユーザーが新規にモーダルをつくっているという事になるからだろうと理解しています。
そりゃそうか…という感じではあるのですが、このようにモーダルを連続して立ち上げて処理をする場合は注意しましょう。
対処法
最初に他組織のアプリがつくったボタンを押した際に、bot_token をprivate_metadataに入れて引き回しましょう。
最終的にそのtokenを使って、chat_updateを行えば問題ありません。
まとめ
ということで、Slack Connectで使われる前提でのアプリ開発には、シングルワークスペースでは思いもよらなかった罠が潜んでいるので気をつけていきましょう。
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