やさしい日本語とは
やさしい日本語とは、難しい言葉を言い換えるなどして、わかりやすくした日本語のことです。
元々は外国人に情報を伝えるときのことを考慮した概念ですが、高齢者や障がい者など、あらゆる人にとってわかりやすい書き方です。
今回は、「テックブログを書くときも、やさしい日本語を使うと良いのではないか?」という仮説を書いていきます。
※具体的なやさしい日本語の書き方については、あまり触れません。
先にまとめ
- やさしい日本語で書かれた文章はあらゆる人にとってわかりやすく、これから日本のエンジニア市場に入りたい外国人や学生の助けになる
- やさしい日本語は、ITの技術やサービスもわかりやすく伝えることができる
- やさしい日本語で文章を書くときも、IT専門用語は使ったほうがよいかもしれない
テックブログにやさしい日本語を使う利点
これから日本でエンジニアを目指す人が勉強しやすい
やさしい日本語では、あらゆる人にとってわかりやすい文章を目指します。これは、これからエンジニアを目指す人たちも勉強しやすいということです。
エンジニアが不足しているという昨今、外国人やコンピュータ科学を専攻していない人など、あらゆる属性の人たちがエンジニアになる可能性が大いにあります。さらに、学校でのプログラミング授業の必修化もあり、より多くの学生がテックブログを見ることが考えられます。
出自や年齢などが異なるあらゆる属性の人が、テックブログを見るかもしれない。そう考えてやさしい日本語を使うことで、彼/彼女たちが勉強しやすくなると思います。
使う人のコミュニケーション能力が上がる
やさしい日本語には、使う側のコミュニケーション能力が上がるという利点もあります。
やさしい日本語を作るポイントとして、例えば以下のようなものがあります。
- 伝えたいことを整理し、情報を取捨選択する
- 一文は短くする(一文に言いたいことは1つだけ)
- 二重否定を使わない
- 曖昧な表現はできる限り使わない
これらのポイントを守って文章を作る能力は、伝えたいことを正しく伝える能力と言い換えることができます。やさしい日本語を使うよう心がけることで、自分が原因のコミュニケーションの齟齬を減らすことができます。(よりよいコードを書くことにもつながるかもしれません。)
特にIT技術は専門性が高く、そもそも理解が難しいです。せめて文章がわかりやすいことで、本来の目的である知見の共有が簡単になります。
テックブログでやさしい日本語を使うときの疑問点
専門用語は使ってもいいのか?
やさしい日本語では、専門用語をできる限り使わないことが推奨されています。
しかし、テックブログの目的はITの知識を伝えることなので、専門用語を使う必要があります。ITの専門用語は残しつつ、その他の分野の専門用語は極力避けるのが良いと思います。
また、専門用語を使わずに説明しようとすると、かえって説明が長くなってしまい、伝えたいことが伝わらないリスクが増えます。さらに、専門用語を使わないことで、読んでいる人の次の学習の機会が失われることもあると思います。
やさしい日本語のポイントからは外れてしまいますが、専門用語は適度に入れるべきだと思います。
終わりに
ここまで、「テックブログでの」やさしい日本語の使用を提案しました。
実際にはテックブログ、あるいはIT業界に関わらず、あらゆるコミュニケーションでやさしい日本語は有用です。
しかし、あらゆる人がコンピュータにふれる世の中において、エンジニアがやさしい日本語を使うことには大きな意義があると思います。
参考
吉開章. 『入門・やさしい日本語 外国人と日本語で話そう』. 株式会社アスク出版, 2020.