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【本読み】人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

Last updated at Posted at 2019-09-02

人工知能は人間を超えるか

東京大学の松尾先生の本。
四年前ほどの本だけれど、読んでみたところ、人工知能・機械学習・DeepLearningの違いや歴史、これからどう日本は人工知能を活用すべきか?
が丁寧に書かれていた。

人工知能とはなにか?

人工知能という定義はたくさんある。
いろいろな学者がそれぞれの定義をしている。
よって、様々な捉え方があってよいが、どのような定義にしても人工知能は「人間を何らかの手段で模した」ものである。

この人工知能は、松尾先生いわくある意味必ず近い将来に実現できる。とある。
これは、人間の脳がそもそも神経細胞の科学的計算で動いているため、この科学的計算をコンピュータでもすことができれば、当然人工知能は実現できるという考える。

ただし、強いAI・弱いAIなど人工知能といっても分類はさまざまなため、一概には言えない。

第一次AIブーム

先進的な研究者によって、「ゲーム木」を利用した探索・推論によって
弱いAIが開発された。
このころの人工知能は、いわゆる「パターン学習」に近いAIである。
そのため、当然複雑なことはできないし、簡単なことしかできない。

難しい事ができないため、一回この人工知能ブームは廃れた。
人間の知能をコンピュータで表現することの難しさが、一層明白になった時代だった。

第二次AIブーム

1990年ごろからインターネットが開発され、データ量が増加し、それに伴って自然言語処理の発達も著しくなった。
その中で、知識、つまり情報の蓄積も行えるようになり、これまでのAIに知識を加えて判定させる手法が大きく幅を利かすようになった。

しかし、「フレーム問題」など、複雑なことを考え出すと一切解けなくなり、知識の設定も時間がかかり、当然矛盾も起こしやすかった。

多くの人の期待を裏切ったまま、再び人工知能ブームは廃れ、背景でAI研究者が研究を続けていた。

第三次AIブーム

さらにデータ量が増加し、ある程度マシンパワーの設備も整ってきた。
そのなかで「入力データ」と「出力データ」、そしてそれを行うための直感的特徴量を利用した機械学習の時代が来た。
これは、人間が特徴量を定めて、その特徴量に関するデータに関して、サポートベクターマシンやクラスタリングを行って、データ分類・類推をするものだった。

しかし、2012の画像コンペで、DeepLearningが急に$10$%以上の認識改善を行った。
このDeepLearningは、機械学習とは異なり、大量のデータとマシンパワーでぶん回すことで、特徴量さえもプログラムに学習させて、ある意味ブラックボックスにモデルを学習させるものであった。

ここから、機械学習からDeepLearningへと時代が移り変わり、データとマシンパワーがあれば、より精度を向上させやすいDeepLearningが主流になる第三次ブームが現在始まっている。

人間と人工知能によるシンギュラリティ

DeepLearningの発展によって、様々な技術が現在進歩している。
特に、画像認識やデータ分析などコンピュータに近いものほどから著しい成果を残している。

このディープラーニングは、人工知能ではあるが人工知能ではない。
人間としての意思を現在持っていないからである。
しかし、これからの研究によって、自分以上に賢いものを作ることのできる人工知能が誕生した場合、無限に賢いものが生まれ、新しいシンギュラリティが生まれる。

そのようなシンギュラリティを倫理的に危険視・統制しながら、ディープラーニング・強化学習などのAI分野の研究を勧めていく必要がある。

変わっていく世界

現在、ディープラーニングは基本的なものに限られている。
しかし、これからは車の自動運転、画像のみならず音声などのマルチモーダル、体・意思をもったロボットなど、より複雑に応用的な分野で発展していくことが予想される。

そのような世界では、たしかになくなる職業もあるが、新しく生まれる職業もある。
そのなかで、日本人は強みをきちんと理解して、AI・人工知能・DeepLearningという分野を進めていく必要がある。

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