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対話できるQAになること

Last updated at Posted at 2020-12-14

★この記事を読むのにかかる時間:約7分程度
★この記事の主な対象者:QAリードや折衝業務などに携わる方々

1.はじめに

みなさまはじめまして。
今年もあっという間にアドベントカレンダーの時期ですね。

私は普段はゲームQAとして、
プロダクトとの折衝業務や障害・費用の削減などの推進を行っています。

今回は開発チームとの折衝業務や、いくつかのタイトルのQAを担当した経験から、
業務を行うにあたり必要だと感じた『対話』というスキルの重要さについて、
実際に体験したことを織り交ぜながらお話をしようと思います。
※あくまで私自身の解釈ですので、その点を留意してお読みください。

2.対話とは?

普段もコミュニケーションを取りながら仕事や生活を行っていると思いますが、
そもそも「対話」とは、辞書ではどのような意味が定義されているでしょうか。

対話:向かい合って話し合うこと。また、その話。
このように記されているようです。[goo辞書参考]

辞書の意味にもある通り、話し合うこと が対話です。
QA業務を行っていく際に開発チームと「向かい合って話し合うこと」は、
お互いの目的達成のために、とても重要な要素だと考えています。

・なぜ重要なのか?
・どういう点を意識してプロダクトとの対話へ取り組んでいるか
次項から、上記2点の項目に絞ってお話をしていきたいと思います。

3.QAとして対話する

なぜ対話が重要なのか、その理由を私は以下のように考えています。

相手に向き合い、対話することで、
「相手の置かれている立場や伝えたいことの意図などをより深く理解できる」と考えており、
現在の状況など、より解像度高く相手のことを把握することで、
事情を踏まえた最適な提案の選択肢を設けられることなどが挙げられると考えます。
また、コミュニケーションをしっかり取り、相手を知ろうとするため、
チームビルディングの側面でもより大きな効果が出ると思います。

実際の体験に基づいた簡単な例をご紹介します。
※前職での経験談を簡単にアレンジさせていただいてます。
アドベント会話用2020_001_02.png
アドベント記事会話2020_002.png

どうでしょうか。
だいぶ脚色が入ってるように見えますが、割とホントにあった話です。

【例その1】の場合は、
全く向き合ってもらえておらず、相手の方は、一方的に伝えたいことだけ伝えておしまいでした。
(そもそもQAの意見は取り合ってもらえるような雰囲気ではなかった)
お互いどういう立場でどう考えているか、深く理解しようとしなかったことが、
上手く対話できていなかった原因ではないかと今では考えています。
ちなみに、割と一方通行なコミュニケーションが多かったため、検証工数は肥大化していく一方となっていました。

【例その2】の場合は、お互い対話する姿勢でのやり取りだったので、しっかり提案までできましたね。
こちらも実際にあった話を元にしていますが、
一番無駄も少なく、全体の雰囲気もよいプロダクトだったと記憶しています。

このように、実際にお互い向き合って対話しながら仕事をしていくことで、
チーム形成や工数の削減など、得られるメリットはとても大きいと考えています。

では、どういう部分に気をつけながら対話を進めていけばよいのでしょうか。

4.対話のポイント

私が対話をするにあたり意識していることがこちら。
話す内容により、考える要素は増えていきますが、
最低限、以下の2点は考慮しながら対話を行っています。

①相手を尊重すること(立場の違いを理解する)
②自分が最低限押さえておきたいポイント(妥協しない部分)をしっかり決めておくこと

①相手を尊重することについて

基本的に調整業務などの場合、相手の方は別の職掌や立場であることが多いです。
相手の考え方などは自分たちの立場とは全然違うこともあります。
決めつけることなく、しっかり相手の話を聞いて理解をしていくことが大事だと思います。
わからないことは、調べたり空気を読みつつ聞いていくことも大事。

たとえば、開発チームの仕様書や実装の癖を理解しておくことなど。
先ほどの対話例のAさんも「△△だけ見ればいいんじゃないの?」と言っていましたが、
実はこのチーム、毎回仕様書から考慮漏れが多い傾向にあるチームだったという可能性も。
そういう背景があり、確認観点が大幅に食い違っていた可能性も考えられます。
相手のことを理解していれば、その点を踏まえて対話をしやすいですね。

また、立場の違いを理解するという意味でも、
チームの座組を把握しておくことはしておいた方がよいと思います。
(どういう組織構成なのか、相談してきた方はどんな立ち位置なのかなど)
先ほどの「相手と向き合えてない話」の例で出てきたAさんも、
実は強引に話を通さざるを得ないやむを得ない事情がなにかあった可能性も。
話を受けたQA側も上記のようにチーム側の背景を知っていれば、
もう少し何かお互い向き合えるアプローチができたかもしれません。

②自分が最低限押さえておきたいポイント(妥協しない部分)について

相手と対話をすることで、お互いここは譲れるポイント、譲れないポイント みたいな部分が出てくると思います。
QAとしての立場であれば、プロダクトと定めている最低限の品質の担保ができることが前提ではあるので、
お互いの意見の折衷案で、担保する対象や範囲などが曖昧になってしまうことのないよう、
しっかり押さえておきたいポイントを念頭に置いたうえで話を進める必要があります。
(本来守れるはずの品質まで話の流れの中で落とさないように気をつけたいですね。)

上で記載したようなポイントをおさえて、
相手の考えを尊重しつつ、関係性を構築していきながら、
お互いの意識を合わせたゴールへ向かって仕事を進めていけば、よい形で着地できると考えています。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。
実際の業務では他にも色々と難しい要素も考慮しながら仕事を進めていく必要があるかと思いますが、
まず大前提として、一緒に仕事をする相手も人間です。
お互いの考える「よりよい製品や品質」を目指すためには、
「リスペクトを忘れずに」信頼関係をしっかりと構築していくことがまずは大事だと思っています。
そのためにも、お互いを理解するための対話はずっと続けていく必要があると考えています。
もし取り組んでいないことがありましたら、少し気にかけてみてはいかがでしょうか。

この記事が明日からの業務に少しでもお役に立てば幸いです。

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