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SOLID原則とは? ~後編 I・D の2原則について解説~

Last updated at Posted at 2024-10-08

SOLID原則とは?

オブジェクト指向における設計原則のこと

以下の5つの原則の頭文字をとったものです。

  1. 単一責任の原則(Single Responsibility Principle)
  2. オープン・クローズドの原則(Open-Closed Principle)
  3. リスコフの置換原則(Liskov Substitution Principle)
  4. インターフェース分離の原則(Interface Segregation Principle)
  5. 依存性逆転の原則(Dependency Inversion Principle)

今回は後編として I, D の2原則をご紹介します!

4. インターフェース分離の原則(Interface Segregation Principle)

インターフェースによって使用しないメソッドへの依存をさせてはならない。

という原則になります。

インターフェースとは?

クラスが実装すべきメソッドを定義するもの。

インターフェース自体は実装を行わずメソッド名、メソッドの引数、戻り値の型を定義します。

// 動物のインターフェース
interface Animal {
    public function makeSound();
}

class Dog implements Animal {
    public function makeSound() {
        echo "Woof!\n";
    }
}

class Cat implements Animal {
    public function makeSound() {
        echo "Meow!\n";
    }
}

インターフェースを implements (実装) している Dog, Cat クラスはmakeSoundを実装しなければなりません。

一つのクラスで複数のインターフェースを実装することが可能です。

BAD

interface Worker {
    public function work();
    public function eat();
}


class Robot implements Worker {
    public function work()
    {
        echo "Robot is working";
    }

    // ロボットは食べることができないので例外をスロー
    public function eat()
    {
        throw new Exception("Robot cannot eat");
    }
}


class Human implements Worker {
    public function work()
    {
        echo "Human is working";
    }
    public function eat()
    {
        echo "Human is eating";
    }
}

上記では Robot で eat() が実装されていますが、
ロボットは食べることができない(とする)ので例外をスローしています。

Robot に対して不要なメソッドを強制させてしまっています。

GOOD

interface Workable {
    public function work();
}

interface Eatable {
    public function eat();
}

// ロボットは Workable のみ実装
class Robot implements Workable {
    public function Work (){
        echo "Robot is working\n";
    }
}

// 人間は Workable, Eatable を実装
class Human implements Workable, Eatable {
    public function work() {
        echo "Human is working\n";
    }

    public function eat() {
        echo "Human is eating\n";
    }
}

インターフェース分離の原則を適用して、
Worker というインターフェースを Workable, Eatable に分割して、
ロボットと人間それぞれ必要なインターフェースのみ実装するように修正しました。

ロボットが食べるという不要なメソッドへの依存が解消されました。
このようにインターフェースを小さく定義して分割することで、
クラスへの影響範囲を小さくすることができ、保守しやすくなります。

5.依存性逆転の原則(Dependency Inversion Principle)

  • 高レベルのモジュールは低レベルのモジュールに依存してはならない。
  • 抽象クラスは具体クラスに依存してはならない。具体クラスは抽象クラスに依存すべきである。

このような原則になります。

BAD

// 高レベルのモジュール
class UserNotify {
	private $emailNotify;
	private $smsNotify;

	public function __construct() 
	{
		$this->emailNotify = new EmailNotify();
		$this->smsNotify = new SmsNotify();
	}

	public function notify($message)
	{
		// 低モジュールに変更があった場合に、高モジュールの呼び出し元も変更しなければならない
		$this->emailNotify->sendEmail($message);
		$this->smsNotify->sendSms($message);
	}
}

// 低レベルのモジュール
class EmailNotify {
	public function sendEmail($message)
	{
        echo "Sending email: " . $message;
    }
}

// 低レベルのモジュール
class SmsNotify {
	public function sendSms($message)
	{
        echo "Sending sms: " . $message;
    }
}

UserNotify で sendEmail(), sendSms() を呼び出していますが、
仮に各メソッドの引数等の変更がされた場合には、
高モジュールである UserNotify も修正を行わなければなりません。

高モジュールが低モジュールに依存してしまっている状態です。

GOOD

// 抽象インターフェース
interface Notify {
	public function send($message);
}

// 具体クラス
class EmailNotify implements Notify {
	public function send($message)
	{
        echo "Sending email: " . $message;
    }
}


// 具体クラス
class SmsNotify implements Notify {
	public function send($message)
	{
        echo "Sending sms: " . $message;
    }
}

// 通知クラス
class UserNotify {
	private $notify;

	public function __construct(Notify $notify)
	{
		$this->notify = $notify;
	}

	public function notify($message)
	{
		$this->notify->send($message);
	}
}

原則を適用してみました。
抽象インターフェースの Notify を定義して、
EmailNotify, SmsNotify で具体化させています。

具体が抽象を依存している状態に修正しています。

また、高モジュールである UserNotify では
具体的な送信方法に依存をしていないため、
異なる通知方法を簡単に切り替えることができます。

低モジュールの引数が変更されてもインターフェースの定義と異なり
エラーとなるため一貫性が保たれています。

まとめ🖊️

ご覧いただきありがとうございました!
SOLID原則の理解は非常に負荷のかかる筋トレでした!汗

何か気になる点や、おかしな点ありましたらお気軽にコメントください!

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