【Python初心者】演算子の優先順位まとめ

Pythonを学習していて、ふとこんなコードに出会ったときに「え、どこからどう計算されるの？」と混乱した経験がありました。

3 + 2 > 4 and not False

これは演算子の優先順位（precedence）が関係しています。
この記事では、まずざっくり押さえておくべきポイントと、詳しい優先順位の表を整理してみました。

簡単に覚えるポイント（超ざっくり）

数値演算子 > 比較演算子 > 論理演算子（not > and > or）

• +, -, *, / など → 数値の計算系は最優先
• >, ==, != など → 値を比較する演算子がその次
• not, and, or → 論理判断系は最後

演算子の優先順位（詳細）

以下は、優先順位が高い順に並べた表です。
全部を暗記する必要はありませんが、よく使うものから少しずつ慣れていきましょう。

優先度	演算子	説明	例
1	()	丸括弧（グループ化）	(3 + 2) * 4 → 20
2	**	べき乗（指数）	2 ** 3 → 8
3	+x, -x, ~x	単項演算子	-5, ~2
4	*, /, //, %	掛け算、割り算、切り捨て、余り	10 / 3, 10 % 3
5	+, -	足し算、引き算	5 + 2 - 1 → 6
6	<<, >>	ビットシフト	1 << 2 → 4
7	&	ビットAND	5 & 3 → 1
8	^	ビットXOR	5 ^ 3 → 6
9	`	`	ビットOR
10	比較演算子	==, !=, >, <, <=等	3 < 5 → True
11	is, in	同一性・所属判定	x is y, "a" in "abc"
12	not	論理否定	not True → False
13	and	論理積（AND）	True and False → False
14	or	論理和（OR）	True or False → True
15	if ~ else	条件式（三項演算子）	x if cond else y
16	lambda	無名関数	lambda x: x + 1
17	=, +=, -= など	代入演算子	x = 5, x += 2

実際の例で確認してみよう

次の式を一つ一つの優先順位で見ていきます。

result = 3 + 2 > 4 and not False

評価の流れ：

1. 3 + 2 → 5（加算）
2. 5 > 4 → True（比較）
3. not False → True（論理否定）
4. True and True → True（論理積）

結果：

print(result)  # True

補足：右結合と左結合って何？

演算子には「どちらから結合されるか」というルールがあります。

• 右結合：右から処理される

  2 ** 3 ** 2  # → 2 ** (3 ** 2) → 512
  

• 左結合：左から順に処理される（多くの演算子はこちら）

  3 - 2 + 1  # → (3 - 2) + 1 → 2
  

まとめ

• 複雑な式では、演算子の優先順位を理解しておくことが重要
• 基本は「数値 > 比較 > 論理」とざっくり覚えるだけでも違う
• 迷ったときは丸括弧 () を使って明示すると安全

演算子の評価順序は、コードの挙動に直結する大事なルールなので、
今後もコードを書きながら自然に理解を深めていきたいと思います。

参考：公式ドキュメント