はじめに
皆様、こんにちは。近年暑さが厳しくなり、6月で30℃近くまで気温が上がって、この先乗り切れるんかと不安な北の国のやまぴです。(北国仕様なもんで、クーラー苦手・でも暑いのはもっと苦手)
今回3回目の投稿となります。(おおお!)前回もなかなか大変でしたけど、その苦労も踏まえて、また新たな課題にチャレンジしてみました。
ちなみに、前回の記事がこちらです。
そして、今回は、商品部のバイヤーに値引計上日のリマインドメールを自動配信する仕組みの制作にチャレンジしました。
それが、こちらです!
*今回はPCで実際に動いてる様子無事撮れました(SnapTool便利!)
今回作成しようとした理由
前回作成したものは、私の業務であるリベート(仕入割戻)契約書管理に関してでしたが、もう一つが値引管理です。
「値引管理って?やまぴさんはどんなことをしているの?」・・確かに、そうですよね?
値引というと「ああ、レジで〇〇円引きとか、〇〇%引きとかって、あれでしょう?」と皆さん思いますでしょう?いやいや、私が携わってる値引ってちょっとそういうことではないんですよね。
この場合の「値引」とは、商品の原価の値引を指します。季節商品のセール販売や取引慣行に基づく覚書を交わしている商品(一定期間販売し、その後取引先様へ返品する)などで実施されることが多いです。
家電製品・衣料品(季節商材・ブランド婦人ランファンなど):日用雑貨など
目的:原価を下げることで、売価を下げて荒利(利益)が減少しないようにする。
ざっくり説明するとこういうことです。原価は伝票上で処理しなくてはいけないため、店舗で実施できません。商品部のバイヤーが取引先様と商談をし、双方合意のもと、合意書を交わして実施します。値引の計上の流れはこんな感じです。

そして値引における各部署の業務内容については、このようになります。
部署名 | 業務内容 |
---|---|
商品部 | *取引先との商談(値引条件)について |
*値引システムで合意書作成 | |
*システムで取引先の同意登録・承認依頼 (マネジャーへ) | |
*バイヤーからの依頼でシステムで値引承認(マネジャー) | |
商品戦略部 | *値引合意書の内容確認・処理状況の進捗確認 |
総務部 | *値引合意書の本登録実施(システム) |
*値引合意書への社印押捺・締結日記載 |
ここで一番重要なのが、商品部の業務内容のうち、取引先の同意登録・承認依頼・値引承認です。
全て値引システムという当社のシステム内で実施するのですが、最後の値引承認については値引計上日から3日後の17時までに完了させないといけないのです!
(例)6/30が値引計上予定日の場合→取引先の同意確認・承認依頼→7/4 17時までに承認完了!(ここ絶対)
ところが、商品部の皆様、日々ご多忙なこともあるのか・・合意書提出したら「はい!終わり!」的な方も少なくないんですよね。
システムに入っていただき、進捗状況のチェックができるし、私も毎月「計上日は〇〇日なんで。絶対承認は〇日 17時までにしてください!」と連絡しているものの、ぎりぎりまで終わってない方もおり、精神的にもよろしくないのです(私だけ⁉)

(ほんとはこんなもんじゃないんです。心の中)
そこで、「(私のストレス減らすためにも)商品部のバイヤーの皆さんへ値引計上日のリマインドを自動配信メールで連絡しよう!」と制作を決意したのです。
使用したツール
・Power Automate for Desktop
・ChatGPT(とうとう名前をつけてしまいました)
・Gemini(今回もレスポンスの遅い場合には助けてもらいました)
Power Automateを選んだのは、現在値引合意書の管理表がExcelであり、同じMicrosoftのアプリなんで使いやすいかなと思ったのと、使いたいフローをつなげていくだけで自動化できるツールが制作できる!という点が良いと思ったからです。
(しかし・・ChatGPTがなければ、何も私はできなかった)
では、作成手順を順にご紹介していきます。
作成手順のご紹介
フローの構成を考える
まずは、ChatGPTに今回作成したいものについて説明・作成手順を考えてもらいます。
🐻
こんにちは!今日は契約書の進捗状況を確認して、処理の締め切り日のリコメンドメールを自動配信できるような仕組みを一緒に考えてほしいです
💻
「契約書の進捗確認+締め切りリコメンドメール自動配信」**ですね!とても良いアイデアです👍
まずは、やりたいことを整理してみましょう👇
そして、仕組み例の提案をしてもらい、
Power Automateを使って作成することに決めました。
🐻
PADを使って作りたいです。
もともと進捗管理表はExcelで作成しているものがあります。
💻
ナイス情報ありがとう〜!✨
✅ PAD(Power Automate Desktop)を使う
✅ 進捗管理はExcel(既存データ)
これでだいぶイメージが湧いてきました👍
ExcelデータからPADで読み取って、条件に合うものをメールで自動送信、という流れが作れそうですね📧✨
(とにかく明るいうちのChatGPT)
以上を踏まえた作業のイメージがこちらになります。
① Excelファイルから進捗管理データをPADで読み込む
② 各行の「締切日」や「ステータス」を確認
③ 「未提出」かつ「締切日まで残りX日以内」の行を抽出
④ 対象行の「担当者メールアドレス」を取得
⑤ Outlookなどで自動的にリマインドメールを作成・送信
⑥ ログ(メール送信履歴など)を残す(あれば便利✨)
もともと進捗管理表のはExcelで作っているし、担当者のメールアドレスに関しては今回は自分のアドレスをダミーで使って、動作確認できればOKだし、ChatGPTもいるし!今回はさくっとできるぞー!とほくそ笑んだ私でした・・・。
まず、元ネタとなる値引進捗管理表がこちらです(実際に使用しているのと同じフォーマットですが、ダミーデータを記載しています)

できた!と思ったのにエラーの嵐→そして方向転換
この管理表の左側に合意書番号(ここでは契約番号としてます)が記載され、それを読みにいかせて、バイヤーの名前と値引予定日を合致させ・・・ていうはずだったのですが、どうも元の表自体に読み取れない要因があったのか(私レベルでは、それがどこなのかわからない・・)
やれども、やれどもエラーの嵐・・。


これらはほんの一部です。
何度も何度もChatGPTに聞きながら、修正して、動作確認して、エラー出て、聞いてを繰り替えし・・・もうこれじゃあかん!と思い、方向転換を決意。
当初は、値引予定日〇〇日前になったら、該当の契約(値引)と担当バイヤーを読み取って、リマインドメールを送信させようとしたのですが、もともとの管理表からだとうまく読み込んでくれない・〇〇日前の設定がうまくいかない。
そこで設定を変えてみようと考え、再度ChatGPTに設定変更とその場合の手順の提案をしてもらうことにしました。
🐻
ちょっと作成したいものを少し変えてみようと思います。
①値引合意書のExcelから6/30が値引予定日である契約をすべて抽出し、別シートに貼り付ける
②そのシートから該当のBYにリコメンドメールを送る→値引予定日〇日前になったらメールを送付する設定はしない(〇日前になったらフローを実行する)
それに変えたいのですが、今作成中のフローを使ってできるでしょうか?
💻
はい、今作成中のフローをベースに、条件を「ちょうど値引予定日の日付と一致する契約を抽出」して「別シートに貼り付け→メール送信」する流れに作り変えることは十分可能です。
以上を踏まえて、最終的にこのように制作しました。
作成手順のご紹介(修正版)
1.準備 ファイルとシートの整理
1.値引合意書ファイル(元ネタの管理表から必要最小限の項目を抜き出し作成)
・商品グループごとにワークシート作成
・各シートのヘッダーに必要な列名を入れておく
2.メールマスタファイル
・「バイヤー」「メールアドレス」の2列を並べる
3.貼り付け用シートを値引合意書と同ファイル内に作成しておく
→値引予定日に合致する契約番号・・以下の行を抽出して貼り付ける
2. Power Automate for Desktop フロー全体の骨組み
大きく4つのステップに分かれます。
4.抽出結果シートに貼りつけ → メール送信
最後、全てメール送信まで完了したら、Outlook・Excelを閉じるフローも追加しました。
そして、完成!いざ、実行!!

エラーなく、無事に動きましたー!
関係部署の方の意見も聞いてみました
なんとか、完成したこのツール、値引業務に共に携わっている総務部のCさん、そして値引業務は関わっていないけど、リベート契約ではいろいろとお世話になってる財務経理部のBさんへ実際にこのリマインドメール自動配信の動いてるのを見てもらって、ご意見を聞いてみました。

財務経理部 Bさん
・(作業の進行状況を見て)かなり早いですね。時短につながると思います。
・(メールの送信も今回は手動だが、自動送信も可能)メール作成の負担が減りますね
・ただ、契約番号ごとにメール送信されるので、メール件数が多くなるのはバイヤーも大変。
対象の契約番号のExcelシートが作成され、それが添付させるようになるといいかも。
・メールの文面は簡単なものがいいですね。必要最低限の情報で十分かと思います。
・(リベート契約関係にも使えるツールと紹介)実現できればよいかと。
総務部 Cさん
・処理時間が短いのがいい。メールの文面は短くて必要な情報に集約すべきですね。
・このままだとメールの件数が多くなってしまうので、バイヤーごとに契約番号のExcelシートが作成され、決まったフォルダに格納され、そのリンクをメールに掲載して確認できるようにするのが良いと思います。
・値引き計上日の〇〇日前に送信するほうがいいです。
・未提出の連絡もできるといいです
・受信したバイヤーがそのメールを見たかの確認ができるように(開封済み)するともっといいですね。
・タイトルで「これは見ないといけない!」と思わせるようなものに。
また、2人の共通の意見として,「商品部側の意見も聞いたほうがいいし、巻き込むべきだと思う」という意見が出ました。これは確かにそうなんだよなあ!と私も痛感してます。
チェック側の私たちがいくら頑張って改善策やツールを作っても、「本丸」である商品部側に使ってもらう・また手順を理解してもらわないと意味がないし、商品部側でも「もっとこうしてもらうと、こちらも値引処理を忘れないようになる」という意見も出ると思います。
実は、そこが一番ハードルが高いと思いますが、めげることなく、次のステップとして進んでいきたいです。

文系人間の挑戦、まだまだ続いていきます!!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
<追記>
現在、UmedyでPAD学習中です。この記事で紹介されている「作って学ぶPower Automate for Desktop!実践的なフローを30個以上作成して業務改善を実現」コースなんですが、1つのユニットが4分以内の短い動画で構成されているので、通勤中の地下鉄の中で気軽に見ることができます。
自分のペースで学んで、頑張ってマスターしていこうと思います!