※この記事は、
「Qiita×Findy記事投稿キャンペーン
『自分のエンジニアとしてのキャリアを振り返ろう!』」
に向けて投稿しています。
はじめに
私は電気工学で修士号を取得した後、製造業で
ソフトウェア寄りの技術者を10年近く続けています。
私が就職活動を行っていた頃は、電機メーカーは業績不振に苦しむ企業が多く、
IT業界は全体的に「ブラック」と言われている時代でした。
そのような状況下で、私は一般的な選択肢と異なり、「その他製造業」に分類される企業へ就職するという 「主流」から外れた道を歩んできました。
他の方々の参考になればと思い、その中で感じた事を書いてみたいと思います。
忙しい人向けの結論
-
良いこと
- 競争相手が少ない
- 学生時代とは異なる分野の知識を身につける機会が得られる
-
悪いこと
- 周囲に同じ専門分野の人が少ない
- 技術的な課題に対する解決策を知っている人が周囲に少ない
-
続けていくのに必要なこと
- 自分の専門分野に関して自ら情報を収集し、自己学習を続けること
- 自身の技術に精通し、周囲に分かりやすく説明や相談ができること
良いこと
まず、就職活動においては、「主流」から外れて会社選びをすると、
競争相手が少なくなり楽に感じます。
大企業では専攻別に説明会や面接を分けることが一般的でしたが、自分と同じ専攻の学生が少ないことで、「これなら私でも受かりやすいかもしれない」と感じました。
さらに、就職後も優秀な同期がいても専門分野や業務内容が異なるため、
「代わりはいくらでもいる」というプレッシャーも感じませんでした。
これにより、比較的安心して仕事に取り組むことができました。
また、自社で主流となっている技術については、全員が習得するための研修が用意されていることがありました。そのため、学生時代とは異なる分野の知識を身につける機会が得られました。
悪いこと
「主流」から外れた技術者として仕事を続ける上で、最も辛いのは周囲に同じ専門分野の人が少ないことです。どんな分野でも、学生時代の知識だけでは業務を進めるのは難しく、常にアップデートや新たな学びが必要です。しかし、一緒に学ぶ仲間が少ないため、モチベーションを保つのが難しいです。
また、技術的な課題に直面した際、解決策を知っている人が周囲に少ないため、自力で問題を解決しなければならない場面が多くあります。同じ専門分野の上司に出会えれば幸運ですが、管理職は技術的な専門知識よりもマネジメントに重点を置かれる傾向があります。そのため、専門分野が異なる上司とのケースが非常に多いです。
これはまた別に議論の余地がある問題かと思いますが、この場では置いておきます。
続けていくのに必要なこと
一つ目は、自分の専門分野に関して自ら情報を収集し、自分のペースで学習を進めることです。独力で問題解決を求められる場面が増えるため、周囲に学習の仲間がいなくても、自己学習は必須です。学生時代の友人などがいれば、ときおり技術的な話題で議論するのも有益だと思います。
二つ目は、自身の技術に精通し、周囲に分かりやすく説明や相談ができることです。「主流」から外れた企業に入社すると、周囲には異なる専門知識を持つ技術者が多くいます。そうした人々に対して、自らの業務上の問題や取り組みをわかりやすく説明し、相談する機会が増えます。上司も別の分野から異動してくることが多く、自身の課題をわかりやすく説明し、スケジュールや費用などについて相談することが必要です。
曖昧な理解では他人に説明することは難しいです。時には学生時代の教科書を再度見直し、わかりやすく説明できるよう理解を深める必要があります。また、説明の際には、シンプルな図を描いて示すことが効果的な方法だと経験から学びました。
おわりに
「主流から外れる」ことが良いか悪いか、という点について強く主張するのではなく、できるだけ公平な視点で考えをまとめたつもりですが、いかがでしょうか。
冒頭でも触れましたが、私が就職活動をした時期は電機メーカーがリストラを繰り返した後でした。そのため、大学の先生の中には「メーカー以外を考えなさい」という声や、「半導体業界は避けた方が良い」という意見もありました。最近では風向きが大きく変わったと感じています。
技術は時代とともに変化し、個人には様々な事情があります。そのため、キャリアは都度判断が必要なものだと思います。ここに書いたことが誰かの参考になれば幸いです。