【要約】
【目的】会社に対して投資する株式投資市場と同様に、アイデアに対し投資するアイデア投資市場を社会基盤として新たに作り出す。
【解決手段】発案者がアイデアをウェブ上で公表し、その公表アイデアに対する株(仮想通貨の一種のトークン)を発行する。その公表アイデアを閲覧した者が、その将来性を見込んで公表アイデアのトークン株を購入する。購入したトークン株は、セカンダリーマーケットとして他のユーザと売買できる。売買価格は、変動する相場の価格に従う。公表アイデアを閲覧した企業がそのアイデアを商品化(事業化)れば、その公表アイデアのトークン株が高騰する。商品化(事業化)による売上の一部をトークン株主(トークン株を所有しているユーザ)に配当する。トークン株主は、アイデアに対し発言権を有しており、改良案や事業化案等の意見を述べることができる。
【詳細説明】
このアイデア投資市場システムは、DAO(自立分散型組織)で構成する。例えば、ビットコインはDAOの一種であるが、ノード(マイナー)がマイニング(記帳権の競争)という1種類の役務のみを担っており、マイニングに成功した者にビットコインを付与するといインセンティブを与えることによりブロックが追加され、ビットコインのシステムが自律的に継続される。これに対し、アイデア投資市場システムは、役務が、アイデア発案、改良発案、事業化、侵害発見、トークン株購入の5種類存在するDAOで構成する。アイデア発案、改良発案、事業化、侵害発見の何れかを行ったユーザに対し、報酬としてトークン株が与えられる。
トークン株72の変動相場での価格変動を下図に基づいて説明する。アイデア発案役務を行った発案者67に報酬A1として50トークン(時価総額5万円)72が付与されており、そのトークン72の一部(10トークン)を1万円相当の仮想通貨を支払ってユーザ71aが購入した。次に、その10トークンを1万5千円相当の仮想通貨を支払ってユーザ71bが購入した。その結果、10トークンが1万5千円に価値が高騰する。それをユーザ71cが2万円相当の仮想通貨を支払って購入した。その結果、10トークンが2万円に価値が高騰する。それをユーザ71dが2万5千円相当の仮想通貨を支払って購入した。その結果、10トークンが2万5千円に価値が高騰する。それをユーザ71eが3万円相当の仮想通貨を支払って購入した。その結果、10トークンが3万円に価値が高騰する。
これにより、発案者67の手持ちの40トークン(時価総額4万円)が時価総額12万円に高騰する。このトークンは期待値に正比例して高騰するのであり、人気のあるアイデアほど高くなり、人気のある(いいね!の多い)改良案が投稿されるほど高くなり、人気のある(いいね!の多い)事業化が投稿されるほど高くなり、人気のある(いいね!の多い)侵害対処が投稿されるほど高くなる。
なお、アイデアに対するトークン株ばかりでなく、各役務担当者自身が自分のトークン(マイトークン)を発行してもよい。各役務担当者の将来性を見込んだユーザがその役務担当者のマイトークンを購入し、それをセカンダリーマーケットとして他のユーザと売買できるようにする。