Web開発プロジェクトの契約と納品の流れ
はじめに
この記事では、Web開発プロジェクトでの企業(受託)がエンド企業と契約を結び、最終納品と支払いまでの一般的な流れについて解説します。契約の各ステップで必要な手続きや注意点についても触れています。
目次
1. 契約前の準備
1.1 要件定義とヒアリング
- 初回打ち合わせ: エンド企業からプロジェクトの概要と要件をヒアリングします。
- 要件定義書の作成: 受託開発企業が要件定義書を作成し、エンド企業と共有・確認します。
1.2 基本契約と秘密保持契約
- 基本契約: 全体的なビジネス関係を規定する基本契約を締結します。
- 秘密保持契約 (NDA): 機密情報の保護に関する契約を締結します。
1.3 見積もり
- 費用見積もり: プロジェクトの規模や要件に基づき、開発費用の見積もりを行います。
- スケジュール見積もり: プロジェクトのスケジュールを見積もり、マイルストーンを設定します。
Tips
私が経験した中には、工数出しの際に以下のような内容も含め提案することが多いです。
工数: プロジェクトに必要な作業時間。
例.機能一覧と人日の記載をしたもの
スケジュール: 各作業の予定と納期。
例.WBSやガントチャート
納品物: 提供するソフトウェアや関連資料。
例.ソースコード、基本設計書、詳細設計書、デザインなど
体制: プロジェクトに携わるチームの構成。
例.PM、PLや関係者、ベンダーや人数がわかる体制図
また、要件定義時に提案することも多いですが、工数出しやスケジュール作成時に弊社の強みとして、こういう風に開発しますのような差別化をして提案することも多いです。
例. プロトタイプ開発を行いお客様側でフローに問題がないかリリース前に確認をすることができます。とか、テストに関してはユニットテストやE2Eテスト含め自動テストを行い品質を管理しています。など
2. 契約交渉
2.1 価格交渉
- 価格調整: エンド企業の予算に合わせた価格交渉を行います。
- 支払い条件: 支払いのタイミングや方法について合意します。
2.2 スコープ交渉
- スコープの確定: 開発の範囲を明確にし、プロジェクトのスコープを確定します。
- 変更管理: スコープ変更時の対応方法を合意します。
3. 契約書の作成と確認
3.1 契約書のドラフト作成
- 契約書の項目: 開発内容、納期、支払い条件、知的財産権、機密保持などの項目を含めます。
- 法務チェック/リーガルチェック: 法務部門や弁護士による契約書の確認を行います。
3.2 契約書のレビュー
- レビューと修正: 契約書をエンド企業と共有し、必要に応じて修正を行います。
- 最終確認: 双方の合意が得られたら、契約書を最終確認します。
4. 契約締結
4.1 契約書の署名
- 署名と捺印: 双方の代表者が契約書に署名し、捺印します。
- 契約書の保管: 契約書を適切に保管します。
5. プロジェクトの開始
5.1 キックオフミーティング
- プロジェクトチームの編成: プロジェクトに関わるメンバーを確定します。
- 初回ミーティング: プロジェクトの目標や進め方について初回のミーティングを開催します。
6. プロジェクト管理と進捗報告
6.1 進捗管理
- 定期報告: プロジェクトの進捗状況をエンド企業に定期的に報告します。
- 問題解決: 発生した問題に対して迅速に対応し、解決します。
6.2 品質管理
- コードレビュー: 開発したコードをレビューし、品質を確保します。
- テスト: プロダクトの各フェーズでテストを実施し、バグを修正します。
7. 最終納品と検収
7.1 納品
- 納品物の確認: 合意された成果物をエンド企業に納品します。
- 動作確認 (ユーザー受け入れテスト - UAT): エンド企業が納品物の動作を確認し、検収テストを行います。
7.2 検収
- 検収完了: エンド企業から検収完了の確認を受け取ります。
- 修正対応: 検収で発見された不具合を修正し、再度納品します。
8. 支払いと契約完了
8.1 請求書発行
- 請求書の作成: 契約に基づき、請求書を作成します。
- 請求書の送付: エンド企業に請求書を送付します。
8.2 支払い
- 支払い確認: エンド企業からの支払いを確認します。
- 領収書発行: 支払い完了後に領収書を発行します。
8.3 契約完了
- プロジェクト完了報告: プロジェクト完了の報告を行い、契約を完了とします。
- アフターフォロー: 必要に応じてアフターフォローを行います。
まとめ
以上、契約周りのフローをまとめました。企業によって異なる場合もありますが、基本的な流れはこのようになります。受託開発企業では、契約周りも含めてクライアントの方と話すこともあるかと思いますので、エンジニアの方やクライアントと話す機会がある方の参考になれば幸いです!