RESTとRESTfulの違い
RESTとは?
REST(Representational State Transfer)は、ウェブサービスを作るための設計原則やスタイルのことを指します。これは、リソース(データや機能)をHTTPプロトコルを使ってどうやって操作するかを決めるためのガイドラインです。RESTの主な特徴には、以下のようなものがあります。
- クライアント-サーバーアーキテクチャ:クライアント(ユーザーやアプリ)とサーバー(データを持つ場所)がはっきりと分かれている。
- ステートレス:各リクエストは完全に独立しており、サーバーはリクエストごとにクライアントの状態を覚えていない。
- キャッシュ可能:レスポンスはキャッシュでき、同じデータに何度もアクセスする際の効率を上げる。
- 統一インターフェース:リソースへのアクセス方法が一貫している。例えば、GET、POST、PUT、DELETEのようなHTTPメソッドを使用する。
RESTfulとは?
RESTfulは、「RESTの原則に従って設計されたウェブサービス」を意味します。つまり、RESTの考え方に基づいて、リソースの操作が統一された方法で行われるウェブサービスのことです。RESTfulなサービスは、以下のような特徴を持ちます:
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リソースの明確なURL:例えば、
/users
や/orders
のようなURLでリソースにアクセスします。 - HTTPメソッドの使用:GETはデータの取得、POSTはデータの作成、PUTはデータの更新、DELETEはデータの削除に使われます。
- ステータスコードの利用:リクエストの結果に応じて、200(成功)、404(見つからない)、500(サーバーエラー)などのHTTPステータスコードを返します。
例を使った説明
イメージしやすいように、図書館を例にしてみましょう。
- REST:図書館のルールです。例えば、本を借りるには図書カードを使う、本を返すときは返却ボックスに入れるなど、図書館での行動に関するルールがRESTです。
- RESTful:そのルールに従って運営されている図書館です。具体的には、本を借りるために図書カードを使い、返却するときは決められた場所に返すなど、ルールに従って運営されている図書館の運営方法がRESTfulです。
まとめると、RESTはウェブサービスを作るための設計原則やルールであり、RESTfulはそのルールに従って作られたウェブサービスのことです。
REST APIとRESTful APIの違い
REST APIとRESTful APIについても、同様の考え方が適用されます。簡単に言うと、これらの用語はしばしば同じ意味で使われることがありますが、正確には以下のような違いがあります。
REST APIとは?
REST APIは、**RESTの設計原則に基づいて構築されたAPI(Application Programming Interface)**のことです。これは、リソースに対する操作(取得、作成、更新、削除)をHTTPメソッドを使って行うことを指します。例えば、以下のような操作がREST APIです。
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GET /books
:すべての本のリストを取得する -
POST /books
:新しい本を作成する -
PUT /books/1
:IDが1の本の情報を更新する -
DELETE /books/1
:IDが1の本を削除する
RESTful APIとは?
RESTful APIは、RESTの設計原則に従って構築されたAPIを指します。基本的にREST APIと同じ意味で使われることが多いですが、より具体的には以下の特徴を満たすAPIのことを指します。
-
明確なリソースのURL:例えば、
/users
や/products
のように、リソースごとに明確なURLが設定されている。 - HTTPメソッドの適切な使用:GET、POST、PUT、DELETEなどのHTTPメソッドが適切に使われている。
- HTTPステータスコードの利用:操作の結果に応じて、200(成功)、404(リソースが見つからない)、500(サーバーエラー)などのステータスコードを返す。
- ステートレスな通信:各リクエストは独立しており、サーバーはクライアントの状態を保持しない。
まとめ
- REST API:RESTの原則に基づいて構築されたAPI。リソースに対する操作をHTTPメソッドを使って行う。
- RESTful API:RESTの設計原則を忠実に守ったAPI。具体的な特徴として、明確なURL、適切なHTTPメソッドとステータスコードの使用、ステートレスな通信が挙げられる。
実際には、REST APIとRESTful APIはほぼ同じ意味で使われることが多いので、混同しても大きな問題はありません。