サイバー攻撃の種類と対策について
はじめに
サイバー攻撃は日々進化しており、その被害は個人から企業、政府機関に至るまで多岐にわたります。最近ではKADOKAWAが大規模なランサムウェア攻撃を受け、多くのデータが暗号化され、サービス停止や情報漏洩などの被害が発生しました。この記事では、代表的なサイバー攻撃の種類とその対策について調べてみました。
サイバー攻撃の種類
1. フィッシング攻撃
フィッシング攻撃は、偽のWebサイトやメールを使ってユーザーの個人情報(パスワード、クレジットカード情報など)を盗む手法です。
対策:
- メールのリンクをクリックする前に、URLを確認する。
- 信頼できるセキュリティソフトを使用する。
- 二要素認証を有効にする。
2. マルウェア攻撃
マルウェア(ウイルス、ワーム、トロイの木馬など)は、システムに侵入し、データを盗んだり破壊したりする悪意のあるソフトウェアです。
対策:
- 最新のセキュリティソフトをインストールし、定期的にスキャンする。
- 不明なファイルやリンクを開かない。
- OSやソフトウェアを最新の状態に保つ。
3. ランサムウェア攻撃
ランサムウェアは、データを暗号化して人質に取り、復号のために身代金を要求する攻撃です。
対策:
- 定期的にデータのバックアップを行う。
- セキュリティソフトでリアルタイム保護を有効にする。
- 怪しいメールや添付ファイルを開かない。
4. DDoS攻撃
DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃は、複数のシステムから大量のリクエストを送信してサーバーを過負荷にし、サービスを停止させる攻撃です。
対策:
- CDN(Content Delivery Network)やDDoS対策サービスを利用する。
- ネットワークトラフィックを監視し、異常な活動を検知する。
- フィルタリングを強化して不要なトラフィックをブロックする。
5. ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃は、公開されていないセキュリティの脆弱性を利用して行われる攻撃です。脆弱性が公になる前に攻撃されるため、非常に危険です。
対策:
- 常にソフトウェアを最新の状態に保ち、パッチを即座に適用する。
- 不審な活動を監視し、異常があれば迅速に対応する。
具体例:KADOKAWAのサイバー攻撃
2024年6月、KADOKAWAグループの複数のサーバにアクセスできない障害が発生しました。調査の結果、ランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃であると発表しました。
事業および業務への主な影響
- 出版事業: 国内における紙書籍の受注システム、デジタル製造工場・物流システムの機能を停止。受注停止、生産量の減少、物流の遅延が発生。
- Webサービス事業: 「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」「ニコニコチャンネル」などのサービスが停止。ニコニコアカウントによる外部サービスへのログインが不可能に。
- MD事業: 複数のオンラインショップで商品の受注不能や出荷の一部遅延が発生。
- 経理業務: 経理システムが一時的に機能停止状態となり、一部の取引先への支払いに遅延が生じる可能性がある。
企業の対策
1. 攻撃される前の対策実施
- マルウェア対策: 従業員への教育、セキュリティソフトの導入。
- ランサムウェア対策: 定期的なデータバックアップ、バックアップ先は通常業務領域と切り離す。
2. サイバー攻撃を検知するための仕組みづくり
- システム導入: IDS/IPSやEDRなどを導入し、不審な動作を検知。
3. サイバー攻撃検知後の対応手順の策定
- 対策本部メンバーの選定と意思決定フロー: 役割を明確にし、意思決定の手順を取り決める。
- 対応手順の明確化: 被害ごとの対応策を事前に策定。
4. 定期的な見直し
- セキュリティ対策の更新: 最新情報を入手し、対策をアップデート。
- リハーサルの実施: 数年に一度のリハーサルを行い、対策の有効性を確認。
その他の対策
- C1WS: インターネットの脅威からネットワークを保護するクラウドセキュリティサービス。
- 脆弱性診断: アプリケーションの定期的な脆弱性診断を実施。
- 災害対策環境の準備: 攻撃を受けた後も別環境でサービス提供ができるようにする。
- 定期的なバージョンアップ: ソフトウェアや言語の定期的なバージョンアップを行い、サポート期限を意識する。
- 定期的なバックアップ: 定期的にバックアップを実施し、ランサムウェア対策としてバックアップの状態を確認。
- 本番サーバーのアクセス管理: 本番サーバーにアクセスする人は名簿に記載し、アクセス管理を徹底する。
まとめ
サイバー攻撃の種類と対策を理解し、事前に適切な対策を講じることが重要です。
また、システム全体におけるセキュリティリスクみたいな所を一通り分析した上で、優先順位をつけた上で何年間で大体こういう所っていうのを順々に潰していくと、セキュリティに関するリスクっていうのが今の時点と2年後でこれぐらい下げられるんじゃないか。のような全体像を把握して提案できるといいのかなと思いました。