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Rails + Vue.jsによる動的タグ付け機能

Last updated at Posted at 2022-05-10

はじめに

社会人1年目の問題意識・問題解決の習慣化と情報共有を補助するツールとして意習(issue)というアプリを作りました。日頃の業務の中で遭遇するイシューをアウトプット、新人同士で情報共有し、メンターがフォロー/サポートすることで問題意識と解決能力を養う、というアプリです。

タグ機能を作成するときに、acts-as-taggable-onによる動的タグ付け(複数選択可)とUIにvue-multiserectを使用しました。この組み合わせでの記事が見当たらなかったので、記載することとしました。
完成版は、下図の通りです。

tags.gif

環境

  • Ruby: 3.0.1
  • Ruby on Rails: 6.0.3
    • acts-as-taggable-on: 9.0.1
  • Vue.js: 2.6.14
    • Vue-multiselect: 2.1.4
  • jQuery: 3.5.1
  • postgreSQL: 14.2

:pushpin:前置き

注意点

現在vue.jsの最新版は3系ですが、使用しているライブラリ(vue-multiselect)が対応していないため(実際3系ではコードを変えても動きませんでした)、2系を使用しています。

説明しないこと

  • yarnなどを用いたjQuery, Bootstrap, Vue.jsのインストール方法(CDNでの実装を説明します)。
  • Vue.jsの細かな説明。
  • Ransackでのタグの検索方法。

前提

Userモデル(なくてもOK)とIssueモデル(≒記事投稿のモデル)はすでに作成済み、Issueのテーブル及びCRUD機能も実装済みとします。

tags.jpg

acts-as-taggable-on導入手順

acts-as-taggable-onは動的タグ付けが可能となるgemです。記事投稿と同時に新たなタグを生成し登録することも、既存のタグをつけることも可能です。
acts-as-taggable-onに関して詳しく知りたい方は、gemのReadMeや、 【Rails】タグ管理機能(acts-as-taggable-on使用)をご確認下さい。

acts-as-taggable-onのインストール

Gemfileに以下を追加。

Gemfile
gem 'acts-as-taggable-on'

ターミナルにて以下を実行しインストール.

ターミナル
rails acts_as_taggable_on_engine:install:migrations
rails db:migrate

これにより、tags, taggingsの2つのテーブルが作成されます。

注: MySQL使用の場合は、migrate前に以下を実行する必要があるようです。

ターミナル
rake acts_as_taggable_on_engine:tag_names:collate_bin

詳細は、gemのReadMeをご確認下さい。ただ、うまくいかない場合があるようなので、MySQL使用の方は、こちらの記事が参考になるかもしれません。 -> 【Rails】タグ管理機能(acts-as-taggable-on使用)

モデルの設定

タグをつけたいモデル(Issue)に以下を記載。タグの名前をtagとする場合の設定です。タグの名前をskillとしたければ、tagsskillsに置き換えて下さい。

issue.rb
acts_as_taggable_on :tags

この設定により、Taggingモデルのtaggable_idIssueモデルのidが繋がります。
Userモデルとtagを結びつける必要はなかったため、今回、UserモデルとTaggingモデルの連携は作成しません。

tags.jpg

コントローラーの設定

タグ付けするモデルコントローラーのストロングパラメーターに:tag_listを追加します。

issues_controller.rb
private
def issue_params
  params.require(:issue).permit(..., :tag_list)
end

ビューの設定

後ほど、vue-multiselectの設定に置き換えます。一旦、動作するかの確認のため、以下を追記します。
Issueの新規投稿、編集はパーシャルの_form.html.erbを使用している設定です。

_form.html.erb
<%= form_with(model: issue, class: "form", local: true) do |form| %>
  <%# 省略 %>
  <div class="form-group">
    <%= form.label :tag_list %>
    <%= text_field_tag "issue[tag_list]", issue.tag_list.join(","), class: "form-control" %>
  </div>
 <%# 省略 %>
<% end %>

Issueのshowビューに以下を追加。

show.html.erb
<%# 省略 %>
<div class="issue-tag-container">
  <% @issue.tag_list.each do |tag_name| %>
    <%= tag_name %><br>
  <% end %>
</div>
<%# 省略 %>

以下のように、テキスト入力で登録できていれば成功です。
tag_test.gif

実際に、コントローラーに送られるパラメーターは、以下のように "," 区切りの文字列なります。

<ActionController::Parameters {..., "issue"=>
<ActionController::Parameters {..., "tag_list"=>"DI,抗がん剤,こんにちは!", ...} ...>, ...>

acts-as-taggable-onのメソッド紹介

使用したメソッドを一部紹介します。タグ付けしたモデルをIssue, タグをtagとして記載します。

メソッド 説明
Issue.tagged_with(name) nameのタグ付けがされた全Issueを返す
Issue.tags_on(:tags) そのモデルに登録されている全タグを返す 
Issue#tags_on(:tags) そのインスタンスに登録されている全タグを返す 
Issue#tag_list そのインスタンスに登録されている全タグのnameを配列で返す
Issue#tag_list=(value) そのインスタンスのタグにvalueを登録・上書き(登録・上書きにはsaveも必要)。valueはタグのnameを配列orカンマ区切りの文字列で渡す。例: ["east", "south"] or "east, south"
ActsAsTaggableOn::Tag.most_used(value=20) 登録数が多い順でタグを返す。デフォルトは20個。
ActsAsTaggableOn::Tag#taggings_count そのタグの登録数を返す

vue-multiselect導入手順

vue-multiselectは、見た目が良いセレクトボックスを実装できるVueのライブラリです。ドロップダウンで、単一選択、複数選択、タグ付け等ができます。詳細は、リンクを参照して下さい。
ただ、リンク先の記述ではうまく動作しなかったため、以下に記載するコードはリンク先とは異なります。

Vueのインストール(CDNの設定)

Vue.js, vue-multiselect, jQueryのCDNを設定し使用できるようにします。
jQueryをすでにインストール済みの場合は、jQueryの部分は削除して下さい。

application.html.erb
<head>
  <%# 省略 %>
  <%# jQueryをインストールしている場合は最初の記述は不要 %>
  <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.5.1.js" integrity="sha256-QWo7LDvxbWT2tbbQ97B53yJnYU3WhH/C8ycbRAkjPDc=" crossorigin="anonymous"></script>
  <script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/vue@2.6.14" defer></script>
  <script src="https://unpkg.com/vue-multiselect@2.1.4" defer></script>
  <link rel="stylesheet" href="https://unpkg.com/vue-multiselect@2.1.4/dist/vue-multiselect.min.css">
  <%# 省略 %>
</head>

formの記述変更

Issueの新規投稿、編集はパーシャルの_form.html.erbを使用している設定です。
_form.html.erbに先ほど動作確認用に記述したコードを削除し、以下のコードに書き換えます。

_form.html.erb
<%= form_with(model: issue, class: "form", local: true) do |form| %>
  <%# 省略 %>
  <%= content_tag(:div, id:"app", data:{tag_list: Issue.tags_on(:tags).pluck(:name), my_tag_list: issue.tag_list}) do %>
    <multiselect v-model="myTagList" tag-placeholder="Add this as new tag" placeholder="Search or add a tag"  :options="tagList" :multiple="true" :taggable="true" @tag="addTag" id="vue-tag-input"></multiselect>
    <pre class="language-json" hidden="hidden">
      <input type="text" name="issue[tag_list]" id="issue_tag_list" v-model="myTagList">
    </pre>
  <% end %>
  <%# 省略 %>
<% end %>

解説

1. Rails -> Vueへのデータ受け渡し

Vue.jsで処理する範囲の目印としてid: "app"とします。
RailsからVue.jsへ、既存のタグデータ、および、編集時には、その記事に登録されているタグデータの受け渡しが必要です。
今回は、html内にデータを記述し、それをjavascriptで取得する方法で実装しました。data:{ }内の記述が受け渡しデータになります。

# モデル.tags_on(:タグ名)でそのモデルに紐づく全タグを取得できます。
# pluck(:name)でタグを配列で取得します。
tag_list: Issue.tags_on(:tags).pluck(:name)

# モデルのインスタンス.tag_listでそのモデルインスタンスに紐づくタグのnameを配列で取得できます。
my_tag_list: issue.tag_list
2. Vue -> Railsへのデータ受け渡し

記事投稿、編集画面で操作されたタグデータを今度はRails側に渡さなければなりません。
<pre>...</pre>の中がデータ受け渡し用の記述となります。hiddenを設定することで、画面には現れないようにしています。

<%# 所謂Railsの "hidden_field" の状態 #>
<pre class="language-json" hidden="hidden">
  <input type="text" name="issue[tag_list]" id="issue_tag_list" v-model="value">
</pre>
3. Vue.jsの説明

ディレクティブ(接頭辞v-が付いたVue.jsの特別な属性)などを少しだけ紹介します。詳細は、公式ドキュメントをご参照下さい。Vue.jsをそれなりに知っている方は、読み飛ばすことをお勧めします。

ディレクティブ 説明
v-model 入力イベントで要素を自動的に更新します。v-model="myTagList"とすることで、myTagListのデータを表示し、入力により変化したときにはmyTagListを更新します。
@ インスタンス変数ではありません。v-on:の省略記法です。イベントの発火時にjavascriptのメソッドを実行します。@tag="addTag"tagイベント(新規のタグ作成)時にaddTagメソッド(tagList, myTagListにタグ追加)が実行されます。
: v-bind:の省略記法です。 属性を動的に設定できます。 :options="tagList"は動的に変化するtagListの値を渡しています。

javascript(jQuery/Vue.js)設定

tags.jsファイル新規作成

app/javascript/packsに、tags.jsファイルを作成し、以下を記述します。
javascriptは行末にセミコロンを入れますが、Vueの公式ドキュメントではセミコロンが省略されています。また、以下のVue.jsのコードはVue3系によせた記述にしています。

tags.js
// turbolinkによりVue.jsがうまく動作しないことがあるため$(function(){});ではなく以下の記述
$(document).on('turbolinks:load', function() {
  // id="app"のタグにあるdata-tag-list, data-my-tag-listの情報をjQueryで取得しています。
  // _form.html.erbでは、"tag_list"とアンダースコアで記載していますが、htmlではハイフン表示になります。
  const tagList = $("#app").data("tag-list");
  const myTagList = $("#app").data("my-tag-list");

  // Vueコンポーネントのmultiselectを使用
  Vue.component('multiselect', window.VueMultiselect.default)
  new Vue({
    el: "#app",
    data() {
      return {
        // tagListとmyTagListの値をVue側の変数に代入し初期値(配列)にしています。
        // form側でv-modelを設定しているのでタグが追加・削除されるとmyTagListも追加・削除されます。
        tagList: tagList,
        myTagList: myTagList,
      }
    },
    methods: {
      // 新規のタグを、"tagList"及び"myTagList"に追加するメソッドを定義しています。
      // このメソッドがなくても、既存のタグは登録できます。新規のタグを生成したい場合は必要となります。
      addTag(newTag) {
        this.tagList.push(newTag)
        this.myTagList.push(newTag)
      },
    },
  })
});

application.jsにtags.jsファイルをインポート

app/javascript/packs/application.jsに以下を追記し、tags.jsが読み込まれるよう設定。

application.js
// 省略
import "./tags.js";

showビューの変更

Issueのshowビューを変更。先ほど記述したコードを削除し、以下に置き換え。

show.html.erb
<%# 省略 %>
<div class="issue-tag-container">
  <% @issue.tag_list.each do |tag_name| %>
    <%= content_tag(:span, tag_name, class: "tag") %>
  <% end %>
</div>
<%# 省略 %>

cssを追加。

aplication.css
.tag {
  display: inline-block;
  font-size: 12px;
  padding: 2px 10px;
  border-radius: 5px;
  margin-right: 5px;
  background-color: #41b883;
  color: #fff;
}

完成

以下のような動作になっていると思います。
新規作成した場合にshowビューに表示されているかまで確認して下さい。

tags.gif

おまけ:vue-multiselectに対するsystem spec

system specでは、入力フォームでのタグ入力は以下のコードで実装できます。
複数のタグを選択・登録したい場合は、その数だけ記述して下さい。

issue_spec.rb
# multiselectタグのidを"vue-tag-input"にしています。
fill_in("vue-tag-input", with: "タグのname", visible: false).send_keys :return

:green_book:参考資料

acts-as-taggable-on

vue-multiselect

vue-multiselectのrspec

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