はじめに
MATLAB/Simulink Advent Calendar 2023 21日目の記事になります。前日は、@shinji00qさんから非常に役立つfrdについてご紹介いただきました。こちらは不真面目なネタ記事です。
皆様ご存知の通り、MATLAB/Simulinkは制御系を設計することがメインのツールです。そんなSimulinkを今回は、制御盤設計に使いましたのでその方法を紹介いたします。
筆者はCoREという社会人/学生を問わず参加できるロボコンにチームTKGの一員として参加しますので、その制御盤を設計した例を画像として都度掲載します。
設計手順
制御機器をブロック化する
必要な制御機器類を全部ブロックにします。
最初は入出力を考えず、要素を全部書き出します。
盤外のアクチュエータもブロック化しておくことで、盤の入出力を容易に把握できるようになります。
購買品の仕様を設定する
説明書や仕様書に沿って、入出力を定義しましょう。
設計上のメモなどあればブロック内に記載するか、画像を張り付けます。
例えば1ステップ前に記載したモータドライバMD30Cであれば、下図の真ん中のように入出力を設定します。実際にブロック内は図の右側のようにしました。
自作品の設計
自作品の仕様を設計していきます。
前工程で購買品の入出力仕様が決まっていますので、それに応じてIOを決めることができます。コネクタ形式や、詳細設計上の注意点も記入しておくと機器間での不整合を予防できます。
ブロック間をつなぐ
前工程までで、各機器が出そろったので、要素間をつないでいきます。
実際の配線とブロック図上での配線をそろえることで、そのまま実態配線図が出来上がります。
いい感じに調整する
ここまで来て、ブロック全体を見返してみると、配線の本数が予想以上に多かったり、制御盤のサイズが大きくなりそうだったりと、課題が見えてきます。それに応じて、入出力を修正したり、複数の配線を1本にするよう設計を変更したりと、修正します。
完成
最終的に全部繋げた例が下図の通りです。実際の制御盤は中央の色付きのブロックで囲った部分で、それ以外はアクチュエータ等になります。
終わりに
Simulinkはブロックのインターフェースを容易に作ることができる上、ブロック内に画像や文字を簡単に入れ込めるので、簡易の仕様を記載することもできます。今回初めてSimulinkで制御盤を設計してみましたが、構想設計→外部仕様設計→詳細設計をシームレスにつなげることができ、非常に便利でした。