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GCPのCloud SQLのフェイルオーバー時の挙動について調べてみる

Last updated at Posted at 2018-02-18

Google Cloud PlatformのCloud SQL(AWSでいうRDS)のフェイルオーバー時の挙動について調べてみました。
MySQL5.7での動作確認です。

公式での説明は

マスターがあるゾーンが停止状態になると、Cloud SQL は自動的にフェイルオーバー レプリカにフェイルオーバーし、データはクライアントが利用できる状態に維持されます。

マスターが落ちたら自動的にフェイルオーバーレプリカに切り替えてくれるそうです。

ゾーンの停止状態が発生し、マスターがフェイルオーバー レプリカにフェイルオーバーすると、インスタンスへの既存の接続はすべて切断されます。しかし、アプリケーションは同じ接続文字列や IP アドレスを使用して再接続できます。フェイルオーバー後にアプリケーションを更新する必要はありません。

フェイルオーバーの後、レプリカはマスターになり、Cloud SQL は、自動的に新しいフェイルオーバー レプリカを別のゾーンに作成します。Cloud SQL インスタンスを Compute Engine インスタンスなどの他のリソースの近くに配置している場合は、元のゾーンが使用可能になった時点で Cloud SQL インスタンスを元のゾーンに再配置することができます。これ以外の場合は、フェイルオーバー後にインスタンスを再配置する必要はありません。

マスターが落ちたら繋がらなくなるけど、アプリ側は更新する必要はない。
用意しておいたフェイルオーバーレプリカが自動的にマスターになり、別のゾーンにフェイルオーバーレプリカが作成される。
ってことらしいです。書かれればその通りなんですが試してみないと、実際の動作はなんとも言えないですね。

検証環境

データベース

高可用性でインスタンスを作成し、マスターとフェイルオーバーレプリカを用意してます。
(IPは隠した方がいいかなと思ったんですが、実験後にインスタンスごと削除したので問題なしということで。)

db1-min.png

確認用のVM

適当なVMを用意して、2つのターミナルからマスターとフェイルオーバーレプリカに対して下のmysqladmin pingを実行し続けます。

while : ; do mysqladmin ping -h xxx.xxx.xxx.xxx -u root -pxxxxx; sleep 1; date; done

下のような感じで接続がどうなるのかが見守ってみます。

failover1-min.png

フェイルオーバーの実行

Cloud SQLの画面からフェイルオーバーを起こしてみます。

db2-min.png

Cloud SQLの管理画面で一番右上の項目です。


failover2-min.png

23時26分10秒

フェイルオーバーを起こしてみると見事にマスターの方に繋がらなくなりました。
フェイルオーバーレプリカの方にはまだ繋がります。


failover3-min.png

23時26分40秒

マスターの方は繋がったり繋がらなかったりするようになりました。
フェイルオーバーレプリカの方はまだ繋がるようです。


failover4-min.png

23時28分05秒

繋がったり繋がらなかったりでしたが、23時28分05秒にはマスター側ではエラーもなくなってきました。
ただ、フェイルオーバーレプリカの方では、23時27分02秒からコネクション待ちになって繋がらなくなっています。
このタイミングでマスターの内容を元にフェイルオーバーレプリカが再作成されているのではないかと。
フェイルオーバーを発生させたのが23時26分10秒なので、マスター側の復旧は2分ほどのようです。


failover5-min.png

23時31分49秒

ここでようやくフェイルオーバーレプリカの方も繋がるようになりました。
フェイルオーバーを発生させたのが23時26分10秒なので、フェイルオーバーレプリカの復旧まで5分ほどのようです


何回か試してみた結果、
マスターの復旧は約100秒、フェイルオーバーレプリカは約390秒のようです。
※手動での計測なので、多少のラグがあります。

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
マスター 115s 95s 97s 97s 98s
フェイルオーバーレプリカ 339s 396s 410s 410s 395s

それなりにデータを書き込んでからフェイルオーバーさせてみる

10GB程度、ダミーデータを登録した後にフェイルオーバーを起こしてみると……
マスターの復旧は101秒、フェイルオーバーレプリカの復旧は478秒でした。
マスターの方はフェイルオーバーレプリカが昇格するということもあり、あまり時間は変わらないようなのですが、
フェイルオーバーレプリカの方は再作成するということもあり、データ容量が増えると時間が増えているようです。

まとめ

  1. Cloud SQLでフェイルオーバーが発生するとフェイルオーバーレプリカがマスターに昇格します。
  2. この時、フェイルオーバーレプリカのIPアドレスはマスターのIPアドレスに変更されます。
  3. マスター側の復旧は約100秒ほどのようです。
  4. フェイルオーバーレプリカ側の復旧は約390秒ほどのようです。
  5. マスターはデータが増えても、復旧までの時間は変わらないようです。
  6. フェイルオーバーレプリカはデータが増えると、復旧までの時間が増えていくようです。
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