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新卒技術研修が無い会社のための簡単に研修を作る方法

Last updated at Posted at 2023-08-08

もともと弊社に技術研修は存在していなかったのですが、技術研修を作りました!
技術研修制度が存在しない会社でも割と簡単に導入できるよ、ということで事例の紹介です。

要約

どのような研修にしたか

  • 座学(基礎)
  • 座学(独自運用編)
  • 実践
    • 自己紹介サイト作り

背景

もともとの弊社の研修概要

事前に断っておくと、研修自体はあります。
いわゆる講座のような技術研修がありませんでした。
もともとの研修はというと、以下のような感じです。

  • ビジネスマナー等の研修(1か月程度)
  • その後OJT(1年程度)
  • ※上記の他、新卒に限らず、会社が推奨する研修
  • 新卒向け技術勉強会

リストしている通り、技術研修が無いのです。
厳密には、勉強会と称し毎年新卒向けに座学はしていました。
無いことは無いがあるとも言い切れない、といったところです。

そのため、こちらの記事のような新卒エンジニアの研修資料が公開されるたびに、
他社さんキラキラしてるなー、と若干の羨ましさを感じていました。

ちなみに弊社の技術のトレーニングとしてはOJTがメインです。

これまでなかった理由

私も新卒入社ですので、当然ながら研修は受けてません。
個人的には、技術者なんだから、技術は自分で勉強するものという感覚があり、特に不便も感じていませんでした。
さらにはOJTの仕組みがあるので、分からないところは先輩社員に聞けばいいだけでもありました。

  • 少人数体制なので大企業のような技術力やマインドの正規化を研修で行うのは逆に非効率
  • 弊社の事業体系的にエンジニア以外の職種のほうが多く、人事制度としては技術研修が作りにくい
  • OJT制度が存在しており、疑問質問その他不足している技術はその二人の間で解決できる

おそらく、上記のような理由により、みな必要性を感じていなかった、というところでしょうか。

研修の必要性

今まで必要性を感じていなかったけど、個人的には改善したいと思っていました。
それが以下のような理由です。

  • 基礎的な技術力が実務で利用しているものしか身につかない
  • 弊社独自の運用(他の人がやってる領域)を体系的に教える場がない
  • 研修がないことで新入社員の社会に出ることに対する不安が消えない
    • 学生からいきなり社会に放り込まれる不安
    • 会社のスタンスとして新卒を育てる意思が感じにくい

世間/弊社内で一般的に知っていてほしいことは、業務範囲では学べないこともあり、OJTではカバーできない部分もあると思っていてます。

方針

研修のスタンス

  • やる必要性のある楽しい研修にする
    • 必要性がないと受動的になり、お客様感覚で受講することになる
    • エンジニアは勝手に育つのスタンス
      • 楽しいから勝手に学んでいく => 楽しいという感覚が重要
  • 研修で全部を覚えられるわけがない
    • 座学や実践で一回使った技術を一発で覚えるわけがない
    • なので無知の知状態を目指す
      • 後で研修資料を読み返したり、その時に気になる程度に触れるようにする
    • 真に未経験でもOKを目指す
  • 手を動かす研修にする
    • 事前にアンケートで、知識は使わないとイメージできないとの意見が多数
    • ただ知らない知識は使おうとも思わないのも事実
    • つまり座学と実践のバランスをとる
  • 弊社の都合としてミニマムに始める
    • 大変だったから来年やめようか、にならないようにしたい

実施までの流れ

  • カリキュラム策定
  • 講師確保
  • 実施

カリキュラム策定

実際に受けてもらったものは以下の通りになります

  • 座学(基礎)
    • ソフトウェア開発技法全般
    • セキュリティ
    • インフラ基礎
    • ネットワーク基礎
    • AI基礎
  • 座学(独自運用編)
    • 弊社システム開発全般
    • 弊社システム運用全般
    • フロントエンド開発全般
  • 実践
    • 自己紹介サイト作り
      • 自己紹介、プログラミングで何か作成したものをサイトのコンテンツとすること
      • GitHub上でPRし先輩のレビューを受けること
    • 発表会(部門全体に向けた自己紹介)
      • 既存のメンバーに人となりを知ってもらう機会を設ける

座学の部分すごく立派に見えますが、過去に勉強会で使った資料を寄せ集めたものになります。
ミニマムに始めるためにも過去の遺産を大事にしました。
技術的な基礎の話は、冒頭で話した他社の事例の資料をそのまま使うでも良いかなと思います。
難しく考えすぎないことが大事です。

実践もあまり労力をかけずに済むものにしています。
webサーバを一つ用意すればよいだけなので、準備も簡単です。
※とはいえ丸投げだと大変だと思うので、サンプルサイト的なものは用意しています。

講師確保

一人ですべてを教えるのは大変なので、社員に講師をお願いしています。
1人1,2hくらいの枠で、過去の資料の古くなった部分の更新などをお願いして回りました。

実践の部分は私が担当しました。

実施

今回は実践研修の成果物の一部だけお見せします。
座学(基礎)は、情報系の基礎的なものなので、手ごろな解説サイトで代替がきくものです。
座学(応用)は外部に出せない社外秘資料となっていますので、そのあたりはご了承ください。

  • サイトトップページ例
    image.png

  • 自己紹介ページ例
    image.png

実施効果

アンケートによる効果観測

弊社では1年以内に学んでおいてほしい基本技術を策定しています(毎年更新)。
これをどの程度網羅しているかをアンケート調査してみました。

入社直後のアンケートでは15%程度でした。
研修後のアンケートでは60%にまで到達しています。

比較対象となる過去の事例が無いため、絶対的な指標となりますが、
初期状態から割合が4倍近くなっているため、効果はあったと思います。

その他の意見

  • 2カ月でここまで作れるようになるのがまずスゴイ
  • OJTトレーナー以外のメンバーとの会話が増えた
  • ネットワーク周りの普段触れない部分が触れられた

上記を実施する上でやったこと

長々と書いてきましたが、研修制度のためにやったことは実は二つです。

  • 座学
    • 他社のものを流用しても良いので、必要そうな内容と講師をスケジュールする
  • 実践
    • サーバの準備

あとは、やる気次第です。

まとめ

言いたいことは最後のやったことにまとまっています。
これなら、そこまで規模の大きくない会社でも十分実施できると思います。
是非お試しください。

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