はじめに
こんにちは、くふうカンパニーグループでデータ分析を担当しているfukiです!
前回のLooker Studio Proの解説に続き、今回は付随サービスとして利用できるGemini in Lookerについて検証しました。
こちらはLooker Studio Proを導入していると利用出来るツールです。
皆さんの参考に慣れば幸いです。
※以下記載の情報は全て2024.9時点の情報のため、アップデートされている可能性があります
※情報が間違えている可能性もあります、実際に利用する場合は公式の情報を参照して下さい(もし間違いを見つけたら優しく教えて下さい)
Gemini in Lookerとは
まずは概要について確認しようと思います。
Gemini in LookerはGemini for Google Cloudのポートフォリオプロダクトとのことで、Google CloudのGeminiの一種ということですね。
↓公式サイト
公式での記載情報として、以下のように説明があります。
Gemini in Looker は、データの分析とクエリを行うことができる、AI を活用した支援機能です。
要するに、BIツール上の可視化を生成AIのGeminiを利用して行うことができるものと理解しています。
Gemini in LookerはLooker Studio内で利用することが可能で、Looker Studio Proサブスクリプションを行っている必要があります。
↓Looker Studio Proについての詳しい解説はこちらから
利用する上での注意事項
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ベータ版である
サービス初期段階のためハルシネーションのリスクがある。
生成AI系はどれについても言えることですが、品質が保証されている訳では無いので利用の際は注意する必要があります。Gemini は初期段階のテクノロジーであるため、もっともらしく見える出力でも事実に反する場合があります。Gemini からのすべての出力は、使用する前に検証することをおすすめします。詳細については、Gemini for Google Cloud と責任ある AI をご覧ください。
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現在は無償である
Looker Studio Proを利用している場合であれば無償で利用することが出来ますが、期間限定らしいです。
本稼働していく際は有償の可能性があるそうなので、精度と予算次第で検討してく必要がありますね。Gemini in Looker は現在、期間限定で追加料金なしでご利用いただけます。この期間の終了後も Gemini in Looker を使用するには、追加または別の機能の購入が必要になる場合があります。自動的に請求されることはありません。
リスク面
学習利用
生成AIサービスを利用するうえで、リスク面も確認しておきます。
はじめに確認したように、Gemini in LookerはGemini for Google Cloudの一種なので、以下のドキュメントに情報記載がありました。
「送信および受信するデータ」の欄を確認すると要約すると以下のように書いてます。
- 一般的な利用: 通常利用でのGeminiに提供するプロンプトやレスポンスは、モデルを直接学習させるためのデータとしては使用されない
- Trusted Tester Program: 一部機能ではユーザーがオプションでデータを共有できるプログラムが存在するが、この場合でもデータはGeminiモデルの直接的なトレーニングではなく、製品の改善を目的とした分析に利用される
なので、通常の利用をする限りでは学習に利用されることは無いようです。
補償
Google Cloud 生成 AI 補償対象サービスの中にGeminiも含まれているため、賠償リスクを補償しているそうです。
補償の内容は以下に記載があります。
GPTに要約してもらうと大枠は以下のようなことが書いてます。
お客様の利益を最優先に考え、生成AIに関する知的財産権のリスクをGoogleが負うことを保証する補償制度を発表しました。この制度は、生成AIモデルに使われるトレーニングデータと、その出力に対する二本柱のアプローチで構成されています。具体的には、トレーニングデータによる著作権侵害の申し立てと、生成された出力に対する申し立ての両方に対し、Googleが法的リスクを負います。この補償により、お客様は安心してGoogleの生成AIプロダクトを利用できるようになります。
機能検証
ここから機能の検証を進めていきます。
スライド生成
Looker Studioのダッシュボードからスライドを生成してくれるというものです。
まず、以下のようなレポートを作成します。
※ダミーの売上を利用
Gemini in Lookerを有効にすると右側にアイコンが表示されるのでそちらの「スライドを生成」をクリックするとGeminiが起動します。
ダッシュボード上のグラフ、表などの要素を「すべて使う」「選択して利用する」を選択できます。
今回は折れ線のグラフのみで作成するので、「Let me choose」を選定します。
グラフを選択した状態で完了を押すと「スライド生成」のボタンが現れます。
↓
生成されたスライド確認すると以下のような画面になります。
グラフの概要説明もスライドに入りますが、日本語対応してない状態なので翻訳してみます。
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翻訳結果
売上高(百万円)は全体的に増加傾向を示しており、2023年1月の50.2から2024年12月の63.1まで25.7%上昇しました。
この伸びは特に直近1カ月で顕著で、2024年11月から2024年12月にかけて24.95%という大幅な伸びとなった。
11 月から 5 月までの期間を調べると、売上高 (百万円) が 3.48% 増加し、引き続き好調な勢いが続いていることがわかります。
分析期間全体を通じて、記録された最高売上高 (百万円) は 2024 年 12 月の 63.1 で、最低は 2023 年 2 月の 47.5 でした。それっぽい内容にはなっていますね。
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レビュー結果
内容をレビューしてみると
計算フィールドの作成
次に計算フィールドの作成をGeminiを利用してやってみます。
「フィールドを作成」から「計算フィールドを作成」をクリックします。
右下にあるペンのようなマークからプロンプトを入力が可能です。
今回は売上と購入者数を用いて「一人あたりの購入金額」を作成します。
プロンプト:「一人あたりの購入金額」を入力すると、計算式が出力されます。
こちらは計算としても合っていそうでした。
ただし、少し複雑なものは出力できないようです。
「売上の前月比」を入力すると「リクエストにお応えできません」という出力になります。
上記のようにシンプルなプロンプトは対応可能のようです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回はLooker Studioの作業を効率化するGemini in Lookerの検証でしたが、プロトタイプということもあり、これから改善される部分も多くありそうです。
個人的にはグラフに対するコメントが日本語である程度正しく入っていればとても有用になるのではと思います。
皆さんもぜひ触ってみて下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
P.S. X(旧Twitter)の方はけっこう活発なので覗いてみて下さい笑