#はじめに
学生という期間は実にオトクな期間です。数々の高額なソフトウェアを「学生」というだけで無償で利用することができます。要するに、学生の間はタダでいいから将来的にそれを使った職について、ソフト買ってねって感じだと思います。デザイン系のソフトウェアにはオープンソースのものも多くありますが、ここではそれらを含めた代表的なソフトウェアの紹介ができたらなと思います。
#学生ライセンスが無料なソフト
##AUTODESK MAYA
Mayaは世界中の制作会社で使われている3DCGソフトです。非常に多くの機能があり、チームで使うことが前提に設計されているため、1人ですべての機能を使いこなすのは不可能と言われています。Autodesk社は自社のソフトウェアのライセンスを学生向けに提供しているため、3年間(¥725,760)を無償利用することができます。
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##AUTODESK FUSION 360
Fusion360はAutodesk社が提供する、高機能3DCADソフトです。プロダクトのデザインや機構設計、3Dプリントのデータ等を作成することができます。学生であれば3年間のライセンス(¥116,640)を無償で利用可能です。
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CINEMA 4DはMAXON Computer社が提供する3DCGソフトウェアです。直感的な操作性と軽快さが売りで、またレンダリングの速度が他のソフトよりも高速であることが特徴です。僕のイメージだとFusion360が静的なオブジェクトの設計が得意なのに対して、Cinema4DはアニメーションなどのCG動画に特化したソフトウェアといった感じです。学生ならばCINEMA4D Studio(¥432,000)が無償で提供されます。
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##Microsoft Windows Embedded 8.1 Industory Pro
Microsoftは学生向けにMicrosoft Imagine(旧Dreamspark)というサービスを提供しており、Microsoftが開発している代表的なソフトウェアを無償で提供しています。
Windows Embedded 8.1はいわゆる組み込みOSであり、POS端末やデジタルサイネージなどの特定用途のデバイスにインストールされるWindowsOSです。組み込みOSですが基本的には通常のWindowsOSと変わりません。Macintoshを利用している学生ならばBootCampによってWindowsをインストールすることができるため、デュアルブート可能なマシンを無償で構築することができます。またMicrosoft Imagineによって提供されるライセンスは永久ライセンスであるため卒業後もソフトウェアを継続して利用することができます。
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Visual StudioはMicrosoftが提供している統合開発環境(IDE)です。iOS/Android/Windowsなどのクロスプラットフォームのシステム開発が可能です(知らなかった)。こちらもMicrosoft Imagineにて無償で提供されます。
#オープンソース or 無償で提供されるソフト
オープンソースとはソフトウェアのソースコードが無償で公開され、改良や再配布を誰でも行うことができるソフトウェアのことです。ソースコードを共有の知的財産と扱いユーザーで改良していくことで、より質の高いソフトウェアを育んでいくことを目指すものです。ビジュアル表現界隈のソフトウェアや開発環境はオープンソースであることが多いです。
Processingはコンピューターアートとビジュアルデザインのためのプログラミング言語です。プログラミングの経験のない人でも簡単にプログラムを組むことができます。ソースコードはスケッチと呼ばれ、まるでキャンパスに絵を書くように、直感的に作品を制作することができます。
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openFrameworksはProcessingと同じように(というよりProcessingの考え方を継承している)創造的なコーディング、つまりクリエイティブコーディングのためのC++のツールキットです。ProcessingがJavaベースであるのに対して、oFはC++なのでポインタを用いたメモリへの高速アクセスやopenGLやGLSLを用いたグラフィカルプログラミングが可能です。
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TouchDesignerはノードベースのビジュアルプログラミング環境です。ProcessingやopenFrameworksのようにガシガシコードを書くことをせずに、単一の機能をもつ箱(ノード)を線(ワイヤー)で繋いでいくことでプログラムを作成します。TouchDesignerはHoudiniと呼ばれる3Dソフトウェアを継承して作られたものなので、3Dオブジェクトの扱いが得意です。またUnityやUnrealEngineと違ってリアルタイムにプログラムが処理されるため、プログラムの結果をリアルタイムにフィードバッグすることができます。VJとかに活躍します。商用利用は有料ですが、個人利用ならば無料で利用可能です。無料版の場合、1,280×1,280までの画像が読み込み可能です。
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vvvvもTouchDesignerと同じようにノードベースの開発環境です。「何でもできるツールキット」と言われていて、フィジカルインターフェースやリアルタイムグラフィクス、オーディオ、ビデオなど様々なメディアを扱うことができます。個人利用は無償です。Windows版でのみ利用可能です。
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UnityとはUnity Technologiesが提供するゲーム開発環境です。3Dゲーム開発の手軽さと物理エンジンが有名です。プログラムを記述できなくても、ゲームが開発可能です。ゲームの開発環境ですが、ゲーム以外にもopenFrameworksなどと連携して強力なレンダリングエンジンとしても利用可能です。Unityは年間総収入が$100,000よりも少ない場合に限り、無償利用が認められています。
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Unreal EngineもUnityと同様にゲーム開発のための開発環境です。個人的にはUnrealEngineのほうがUnityよりもリアルなグラフィックが作成可能なのかなと思います。もちろん、Unityも十分リアルですけど。あとUnityよりもコンピューターにかかる負荷が高いような気もします。UnrealEngineは四半期ごとの総売上のうち$3,000を超えた部分に対して5%のロイヤリティが発生します。
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#最後に
ソフトウェアはコレクションすることに意味があるのではなく、使うところに意味があります。ただインストールして終わり、ちょっとやってわかんないから次のソフトに浮気する、みたいな使い方をしても全く意味がありません。これらのソフトウェアはどれを見ても非常に高機能です。使いこなすまでには並々ならぬ時間と努力が必要だと思います。4年間という学生期間はそのための時間としては十分です。自分含め、口だけの人間にならないために「作るなかで考える人間」を目指したいものです。