はじめに
昨日(2025/02/07)、こちらの勉強会に参加しました。
2024年の終わりに開催されたBacklog World 2024
のふりかえりイベントです。
懇親会も含めてとても楽しく、とても勉強になったので、気づいたら記事を書いていました。
開場・受付の様子
食事
ポーたまを用意していただきました!いつも美味しい食事をありがとうございます!!
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飲み物も、写真は撮り忘れましたが、お酒だけでなくノンアルコールも豊富に準備してくださっていました!
雰囲気
受付が進む中、司会の勝毛さんをはじめとした運営の方々が来場者への案内を行い、スムーズに誘導されていました。
受付中の時間帯は、ポーたまを食べたり、談笑したりと、それぞれが思い思いに過ごす和やかな雰囲気。
また、初めて参加する方も安心できるよう、運営の方々が適宜声をかけられていたのも印象的でした。
毎回ながら、さすがの心配りです。
本編
株式会社Fusic 清家さん 「実行委員長が振り返るBacklogWorldの裏側と運営Backlog術」
最初のセッションは、Backlog World 2024で運営委員長を務められた清家さん。
Backlog World 2024への思いや、運営の裏側について語ってくださいました。
以下、特に印象に残ったお話を紹介します。
Backlog World運営のBacklog術
WBSを課題化していき、全体を俯瞰した情報を構築。
各チームに期待した役割を提示したうえで、役割に応じた課題を担当者に割り当てていく。
その後は、
- 課題を実行しつつ、週次MTGで報告と相談
- 週次MTGの内容から課題を起票
- 起票された課題から優先順位を決定
というサイクルを回しつつ、必要に応じて個別に1on1を行う、という流れで進められていたそう。
「全体を俯瞰した情報が構築されているので、『この課題を倒しきればBacklog Worldが成功する』状態になっていた」のは非常に見習いたいと思ったポイント。
長い目で見たときに早いのか?
反省点の中で触れられていた「Discordを利用したこと」も印象的でした。
「会話したほうが早い」と思って話すのだけど、チャットの中で相談や決定が進んでしまったことがあり、各チャンネルの中での議論を改めて拾いに行く作業が発生したとのこと。
「会話したほうが早い」は、「長い目で見たとき(先々の手戻りリスクまで考えたとき)に、本当に最適な対応なのか?」「一箇所(Backlog)に情報を集約するというメリットを損なっていないか?」という話にはドキリとさせられました。
西部ガス株式会社 松元さん 「エネルギー自由化時代を勝ち抜け!~Backlogによるプロジェクト管理の革新~」
続いては、西部ガス 松元さんによるセッション。
エネルギー自由化による地域独占の崩壊、他社襲来という逆境の中、Backlogを活用して社外パートナーと一緒に活路を開いていくお話でした。
すべての情報とコミュニケーションをBacklogに一元化
強調されていたのは、Backlogでのタスク管理のしやすさだけでなく、ナレッジ・ノウハウを共有できることの強力さ。
チームの規模が拡大するということは、新しい関係者が増加するということ。
たとえば新人さんがOJTの先輩に対応してもらえない、という状況があったとしても、Backlogさえ見ていれば過去の事例から学ぶことができる。過去にあった先輩のやらかしも見て学べるので、後輩は失敗しない社員に成長した。
蓄積されたナレッジは組織の財産になる!
新しくパートナーを組むときはBacklogが前提
また、質疑応答で触れられていた「新しく取引する場合は、Backlogを使うのが前提。そうでないと、そこがボトルネックになるので」という言葉も印象深かったです。
チームとしてやっていく上で、その辺りを徹底できるのはとても重要ですね。
西部ガス株式会社 友池さん 「お客さまとのつながりを深化する会員システムを作れ! ~営業部隊が挑んだシステム開発、チーム力で実現~」
西部ガスさんの2枠目は友池さん。
マーケティングに必要な顧客情報を深化するSAIBU LAND
を作った時の話。
対面コミュニケーションの威力
最初に決めたルールは以下の3つだけ
- 課題は誰でも追加してOK
- 課題の担当者になったら進める
- タスクを終えたら次の担当者に回す
このルールでもやっていけたのは、
- 情報は必ずBacklogに集約する
- 週に一度リアルで集まって定例会を開催
という取り組みが大きかったとのこと。
特にリアルでコミュニケーションの機会を設けて関係性が築けると、「こうしたらどう思われるだろう」などと相手の感情を推し量る手間が減り、その減らした時間でタスクがこなせる。
そして関係性が深まれば、オンラインでも「ちょっといいですか」と横から割り込める雰囲気ができる。
バレーボールの試合みたいなPJ
PJのふりかえりとして「バレーボールの試合みたいなPJだった」という印象的な台詞があったとのこと。
どういうことかというと、
- 全員がスタメン!という姿勢
- 全員が自分の役割に責任を持つ
- ボールを落とさない
- 問題は全員で解決する、解決のためには恐れずに発言・行動する
- メンバーにトス
- スピード感をもってタスクを遂行する
これらのおかげで、前例のないPJでも短納期で遂行できたとのこと。
特に全員が問題を自分のことと捉えて「ボールを落とさない」ために自律できるチームは強いなと感じました。
タスクの粒度
こちらは質疑応答で出てきたやり取り。
「『課題は誰でも追加してOK』」というルールがあったが、その粒度はどうやって揃えたのか?」という質問に対しては、友池さんご自身がバックログスイーパーとして揃えた、という回答。
小さなタスクから大きくしていく人もいれば、反対に大きなタスクを最初に作ってそこから小さくしていく人もいる。どちらが良いということでもないが、「どの粒度が最適なのか?」についてはバックログスイーパーが全体を俯瞰できる限界の粒度に揃っていったとのこと。
私が以前いた環境では、「少なくとも1日で完了できる量」のような(ある程度)定量的な基準を使っていたので、「全体を俯瞰している人が把握できるか」という基準は目からウロコでした。
LTその1: Reitashiさん「Backlog Worldで学んだこと 盛り合わせ」
続いてLT1人目は、ReitashiさんがBacklog Worldに参加して学んだことの盛り合わせ。
LT枠の5分では喋りきれないので、「時間が来るまで喋り続けます」というスタイル。強い。
ちなみにReitashiさんがBacklog Worldに参加された後の、熱量のあるブログがこちら↓
チームワーク
盛り合わせの中でも個人的に印象深かったのはチームワークの話。
今回のJBUGでもお話されていた、西部ガス 友池さんの下記のお話からの学び。
リアルで集まる定例会を開催し、仲良くなることで「意見するのが気まずい」などメンバー間の感情を推し量る手間が減る
「つまり『仲良くなる』は雰囲気づくりだけの面ではなく、業務効率化の面でも意味がある」とふりかえられていて、この言葉には改めて気づきをもらいました。
心理的安全性の4つの因子にも関わるような話ですね。
ちなみに今回のLTで語りきれなかったReitashiさんのふりかえり完全版はこちら↓のブログに書かれています。
LTその2: ちさとさん「After Backlog World 〜やっぱり私は〇〇〇が好き〜」
本編最後となるLT2人目は、ちさとさん。
日報プロジェクトにより、縦割りで分断されていた社内のチームが繋がっていき、職場の雰囲気全体が変わっていったというお話。
そこで重要だった、肯定的な感情を伝えてくれる「スター機能」への愛が溢れた発表でした。
発表のスライドも公開してくださっています。
ちさとさんはBacklog World 2024でも「スター機能」を激推しされていた方で、今回のLTでは別の内容も考えていたそうですが、イベント当日から「backlogサンキューキャンペーン」が公開されたのを受け、登壇3時間前に急遽スライドを作り直されたそうです(!)
スター機能
スター機能の特徴的な良さはこれら
- クリックするだけで感謝や興味を伝えられる
- スターを複数送ることで感情の大きさを伝えられる
- ハイライトしてスターを押せるので、「ここが良い」を全員に共有できる
- 仕事の主目的たる会話の流れを妨げない
(画像は Backlog ヘルプセンター より)
これらの肯定的なフィードバックにより、「もっとこんなことやってみよう」という行動の連鎖が巻き起こったとのこと。
テキストコミュニケーションでは温度感を伝えるのが難しいため、それを補うための絵文字を使ったリアクションなどの機能はよくありますが、複数送って気持ちの大きさを伝えたり、どこが良いのかを具体的にハイライトできたり、というのは確かに出色な魅力ですね。
集合写真
懇親会
懇親会は、会場を移動してHUB福岡大名店
さんで行われました。
和気あいあいとした雰囲気で各テーブル、話が盛り上がりました。
場所を移る懇親会の割に、かなり参加者は多かったんじゃないかな?
JBUG運営の皆さんは、雰囲気づくりだけでなく、終電・終バスの時間も気にしてアナウンスしてくださっており、相変わらずのホスピタリティに頭が下がります!
個人的総括
私自身は普段の業務でBacklogを使っていないのですが、「ベースとなる人間関係を作ることは業務効率に影響する」「肯定的な感情を積極的に伝え合う」など、ツールを限定しない多くの学びを得られた機会でした。
また、登壇者の皆さんの熱量がとても高く、聞いているだけでモチベーションが上がってくる、とても素敵な会でもありました。その受け取ったエネルギーの発露として、今この記事を書いています。
福岡では珍しく雪が降るような非常に寒い日だったにも関わらず、当日キャンセルはほとんどいなかったそうで、これもJBUGというコミュニティの持つ力なのかなと感じました。
また次の機会にもぜひ参加したいと思います。