はじめに
こんにちはFujita-createです。
私は、先日「エンジニアとしての実務経験が積める」という求人を見て、ある企業のインターンに応募しました。
結論から言うと、初日に辞めました。
この記事は、同じように“未経験歓迎”という言葉に期待を抱く方へ、私の実体験と学びを共有するために書いています。
応募前の背景と期待
私は現在、大学に通いながらフリーランスエンジニアを目指して技術を磨いています。
Pythonを中心に、JavaScript、HTML/CSS、React、AWSなどのスキルを独学で学び、これまでにいくつかの個人開発プロジェクトも経験してきました。
ただ、個人開発には限界があると感じていました。
「実務経験がないと、フリーランスとして案件を獲得するのは難しい」
「チームでの開発や納品責任など、現場ならではの経験が必要」
そう考えて、私は実務経験を積めるインターンを探すようになりました。
そんなときに見つけたのが、ある企業の**「エンジニアアルバイト募集」**という求人でした。
募集要項には、PythonやReact、HTML/CSS、AWSなどの技術に触れられることや、独学OK・学生歓迎という言葉が並んでおり、「これは自分のような人間にピッタリだ」と思いました。
また、面接でも実際に「どんな言語が使えるか?」「どのくらい技術的な経験があるか?」といった質問があり、エンジニアとしてのスキルやポテンシャルを見てくれていると感じました。
私は「ここなら、実務的な経験を積ませてもらえる」「自分の技術を活かせるチャンスだ」と心から期待し、初出勤の日を迎えました。
実際に行ってみたら
出勤初日、私はオフィスで社長と先輩社員2名と顔を合わせ、業務の説明を受けました。最初に行ったのは、社内で使用しているタスク管理ツールやメールの設定、チャットツールの導入など、業務システムの使い方を教えてもらうことでした。
その後、会社が展開している既存のプロダクトについての説明に入りました。私は、てっきりこのプロダクトに新しい機能を追加したり、新しいサービスの開発を行ったりするものだと思っていましたが、そこで語られたのはまったく違うものでした。
実際の業務内容は、「外部から送られてきた依頼などを、自社ソフトに手作業で入力する」というもので、開発業務は一切ないことが明かされたのです。
つまり、「自社のソフトを“開発する”」のではなく、「既にあるソフトを“使う”だけ」の作業がメインということでした。
私はその時点で違和感を抱きましたが、それでも一縷の望みにかけて、社員の方に「開発に関わる機会は今後あるのか?」と質問しました。
すると、ある先輩社員の方から、「開発に関われるのは早くて3ヶ月後、それでも業務内容はホームページの修正レベル。それもできる人はごく一部」という言葉を聞きました。
さらに社長からは、「ホームページも作れない人間に開発なんて任せられるわけがない」といった発言もあり、すでに一定のスキルがある先輩社員に対しても、そのような扱いをしていたのを目の当たりにしました。
私としては、個人開発でWebサイトを作ったり、アプリを作成した経験がありましたし、話を聞いた先輩社員の方も工学系の情報学部で学び、個人開発ができる力のある方たちでした。
にもかかわらず、そうしたスキルは社内で正当に評価されておらず、「まずは雑務から」「やる気次第」というような抽象的な理由で、開発業務から遠ざけられている現状がありました。
そして何より、求人票や面接での言葉とは大きく異なる実態に対して、「このままでは、自分が本当に目指したい“実務経験”は何一つ積めない」と強く感じました。
学びと気づき
今回の経験を通じて、私は求人票に書かれている言葉を、表面的に信じてはいけないということを痛感しました。
「エンジニア募集」「独学OK」「Python、React、AWS」などの技術ワードが並んでいると、それだけで“開発業務に関われる”という希望を抱いてしまう。
面接でもスキルに関する質問がされると、「自分の技術が活かせる環境なのだろう」と自然に思ってしまう。
しかし実際は、そのような言葉が“労働力を集めるためのキャッチコピー”として使われているだけという場合もあるのだと、身をもって知りました。
また、「やる気次第で任せる」「未経験歓迎」という言葉の裏には、雑務の“地ならし”を正当化するための逃げ道が隠れている場合もあります。
私は今回、仕事を始めてわずか数時間で、「この環境では学びにならない」と判断し、その日のうちに辞めるという決断をしました。
勇気の要ることではありましたが、**「目の前の“経験”が、自分の将来に本当に意味があるのか?」**を問い直した結果でした。
この経験から学んだ最大のことは、“実務経験を積む”という目標を達成するためには、目的意識を明確に持ち、自分の時間と力を注ぐ価値があるかを見極め続けることが大切だということです。
口当たりのよい言葉や、“それっぽい”技術ワードに惑わされず、「具体的にどんな業務に関われるのか?」「何を成果として求められるのか?」という現実的な問いを自分から企業にぶつける勇気も必要だと感じました。
これからの自分と、同じように悩む人へ
今回の経験は、間違いなく自分にとってターニングポイントになりました。
私はもともと、「フリーランスエンジニアとして、自分のスキルで価値を提供できるようになる」ことを目標にしています。
そのために、開発現場での実務経験を積み、技術力だけでなくチーム開発・納品・対話といった“仕事としてのエンジニアリング”を体感したいと考えていました。
今回の出来事は、その第一歩として選んだ企業とのミスマッチという形でしたが、自分の軸をはっきりさせることができたという意味では、とても大きな収穫だったと思っています。
同じように、「未経験から実務経験を積みたい」「成長できる環境を探している」と思っている人はたくさんいるはずです。
そんな人に私が伝えたいのは、次のことです:
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求人票や面接での言葉は、具体的な業務内容まで確認すること
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「やる気次第」は便利な言葉。“開発に携われるか”は明確に聞いていい
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合わないと思ったら、引き返す勇気を持ってもいい。それは逃げではなく、判断です
私はこれから、長期インターンなどを通じて、本当に実務経験を積める環境を探し直そうと思っています。
個人開発も並行して続けつつ、「実力を磨くこと」と「仕事としての経験を積むこと」の両輪で、自分の進みたい道を切り開いていきます。
この投稿が、少しでも誰かの判断材料や安心につながれば嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。