人類と税務
最近よく話題になる、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『NEXUS情報の人類史』。『サピエンス全史』と同様に、人類の長い歴史をたどりながら、私たちがどうやって「今」の社会をつくり上げてきたのかを語る、壮大な一冊です。とくに近著の『NEXUS』においては、表立った変化が短期的には感じられなくても、水面下ではじわじわと進んでいく、社会の「進化」についての解説がちりばめられています。
こじつけみたいですが、ビジネスソフトウェアの世界においても、「静かな進化」があります。その一例としては、NetSuiteにおける「Legacy Tax」から「SuiteTax」へというグローバルな取り組みがあります。これは、日々の業務の中でほぼほぼ気が付かれることがないのですが、将来を見据えた壮大な土台作りです。
変わらないのに、ちゃんと進化
将来的な日本におけるSuiteTaxの適用は、現行のNetSuiteの見た目や使い勝手にほとんど変化をもらすことはありません。しかしながから、より先進的なTax Engine(税金計算モジュール)であるSuiteTaxは、システム内部で、より柔軟でしなやかな税制対応を、長く将来にわたって支えてくれる改善です。人類を含め、動物やあらゆる生命体が少しずつ環境に適応してきたように(少し大げさですね)。
税務における「ネクサス」とは
SuiteTaxの強みのひとつに、「ネクサス(Nexus)」という概念への対応強化があります。ネクサスとは、「どこで」「どういう条件のときに」税金がかかるのかを判断する基準のことです。一言で表せば「課税の根拠となる関連性」です。特に、複数の国や地域にまたがってビジネスを展開されているお客様にとって、各国や州における税制に柔軟に準拠することを、ネクサスは容易にしてくれます。
未来に強いシステムへ、静かに進行中
NetSuiteがグローバルに進めているLegacy TaxからSuiteTaxへの移行は、表立った変化ではありません。しかしながら、それは確かな進化であり、年度の途中で税率が変わったり、新しいルールが加わったりしても、より迅速に適応する「税制対応インフラ」への、NetSuiteの長期的な取り組みです。この取り組みは、日本のお客様に届くのは数年後かもしれませんし、全く気が付かれないかもしれませんが、話題の「ネクサス」という用語にからめて、ご紹介させて頂きました。
参考リンク
- ユヴァル・ノア・ハラリ著『NEXUS情報の人類史』: “知の巨人”ハラリ氏最新作、2025年3月5日発売。|河出書房
- NetSuite および NetSuite OneWorld の税制度/法制度への対応: NetSuite OneWorldで解決
- SuiteTax と Nexus について: NetSuiteのグローバルTaxエンジン、SuiteTax と Legacy Tax の違い
- SuiteTaxも含めたユーザーガイド一覧: NetSuite User Guides