ChatGPTだってボドゲしたい!
ブレインパッドボードゲーム部、部長の藤田です!
ブレインパッドにはさまざまな部活動があるのですが、ボードゲーム部は終業後のオフィスで海外のゲームを楽しむ部活です。
ブレインパッドは、社員間の交流を促すためにクラブ活動を補助しています🏌⚽🧗♂️
— 株式会社ブレインパッド (@BrainPad_PR) November 21, 2022
就業後にオフィスで活動するクラブは、当日の飛び入り参加も大歓迎♪
写真はボードゲーム部の様子🃏
シンプルなルールだけど、奥が深いらしい😎
ゲームの種類も増加中✨
🔻仕組み・制度情報🔻https://t.co/yhpYPmgsUK pic.twitter.com/QR6SIFLsrf
そんなボードゲーム部の部長をしながら機械学習プロジェクトのプロジェクトに取り組む私には2つの野望があります。
①ボードゲームをプレイするAIを作ってみたい
②AIに関するボードゲームを作ってみたい
今回は、①ボードゲームをプレイするAIを作ってみたいという野望に向けてのステップとして、今話題のChatGPTにito(イト)というボードゲームをプレイしてもらおうと思います!
ChatGPTって何?
ChatGPTが何かは、ChatGPTに聞いてみましょう。
例も挙げてくれていいやつですね。ChatGPTの技術的な解説についてはえるエルさんのこちらのスライドが非常に分かりやすいのでお勧めです。
『ito』ってどんなゲーム?
itoは価値観のズレを楽しむ会話型の協力ゲームです!ルールを公式サイトから引用します。
1テーマの決定 2.手札の宣言
各プレイヤーはテーマに沿った言葉で、自分の手札にある数字を表現します。ただしナンバーをそのまま口にするとゲームオーバー! どれだけ皆が想像しやすい言葉で表現できるかがこのゲームのキモです。順番はないので思いついた人から宣言してください。
3.フリート―ク+カードを出す 4.ステージクリア
全員が手札の数字を表現したら、以後はテーマに沿った会話なら自由にできます。
カードを出すときは、「カバを出したいです。いいですか?」などと全員に確認を取ってから出してください。1枚目を場に出した瞬間から、脱出が始まります。
カードは 「小さい順(1→100の昇順)」 に出さなくてはなりません。手持ちのカードよりも小さいカードを出された場合、ライフが減ります.
全員の手札が0枚になり、まだライフが残っていればステージクリア!
ルール説明にも書いてある通り、どれだけ皆の価値観と合わせた言葉で表現できることがこのゲームのキモです。つまり、中立で、平均的な考え方をすることが大事。
つまり、個人的な感情を持たず、大量のデータを学習したAIの得意分野なのです!!
どうやってChatGPTにitoをさせるか
普通にメンバーの一人として参加させ、他の人と同じようにお題と数字カードを与え、それに即した言葉を表現してもらいます。
PCへの入力と代弁は私が行い、入力文章はアドバイザーのNさんにも一緒に考えてもらいます。
予想
ChatGPTの精度がかなり高く、自然な文章を出してくれることは分かっているので、テーマに沿っては答えてくれると思っています。ただ、度合いを表現するのは「経験」や「常識」が必要になるので、数字を無視したような単語を出してしまうのではないでしょうか。
実践!
1ゲーム目 お題「おにぎりの具の人気」
いきなりAIが経験したことが無い、食事に関するお題が来ました。ただ、今回はおいしさではなく人気度合いなので答えられるのではないでしょうか。
配られたカードは「53」。なんとも言い難い数字です。
......いきなり、先が思いやられる回答が来ました。サケ、梅干しは分かりますが、たぬき、たまごは聞いたことがありません。
聞き方を変えてみましょう。
ChatGPTが学習したデータには玉子に思い入れが強い人のブログでも書いてあったのでしょうか。
とにかく「玉子」という答えを貰ったので、冷静を装ってみんなに伝えます。
私「ChatGPTの回答は『玉子』です」
全員「「玉子!?」」
ちなみに、全員分の回答は以下です。
玉子・たこ焼き・ワサビ飯・紅しょうが・おかか・梅・ツナマヨ
ChatGPT以外にもややクセがある回答が出そろいました。
ここから相談して並び替えを行います。
〇さん「紅ショウガは低そうだよね」
〇さん「ツナマヨは一番上じゃない?」
〇さん「ワサビ飯意外とうまい」
〇さん「え?やばいかも」(ワサビ飯出した人)
人間が苦労しているようなので、ここは高性能AIが力を貸してあげましょう。
......だいぶ私の感覚と違う答えが返ってきました。迷いや疑念を頭の中から力づくで振り切り、みんなにこの答えを伝えましょう。
私「ChatGPTの予想は梅・紅ショウガ・おかか・ツナマヨ・たこやき・玉子・ワサビ飯の順です」
〇さん「いやーほんとに?玉子の自己評価思ったより低いなぁ」
私(まずい、玉子53だから真ん中くらいなのに、この順位を出したせいでミスリードを起こしそう)
「まずはワサビ飯かな」
ワサビ飯を出す。(ドボンなし)
〇さん「あまりChatGPTは考慮しないで、こっちの考慮で決めたほうがいいのでは」
〇さん「そうしましょう。聞いたことが無い「たこ焼き」はかなり低そう。」
たこ焼きをだす(ドボンなし)
〇さん「そろそろ玉子きそうだけど。ChatGPTの順番も玉子低めだったし」
〇さん「個人的には、紅ショウガよりは卵の方がいい」
〇さん「じゃあChatGPTは無視して紅ショウガでいきましょう」
私「...」
紅ショウガを出す。(ドボンなし)
「残りは定番だし、そろそろ玉子じゃない?」
玉子を出す。(ドボンなし)
「じゃあ、のこりは人間だし、おかか、梅、ツナマヨかな」
おかか、梅、ツナマヨの順で出す(ドボンなし。ゲームクリア)
「彼(ChatGPT)のスケールぶっこわれてますね」
まさかの、ChatGPTの評価を無視したことによってゲームクリアにつながる結果となりました。
スケールは参考にされませんでしたが、玉子という具はあまり聞いたこと無いが嫌でもないし、意外といい線言ってたのでは?という気がします。
2ゲーム目 お題:「人生で大切なもの・こと」
さあ、もっと抽象的なお題になりました。
配られたカードは「81」。結構重要なポジションになりそうな数字です。不安しかないですがPCに入力します。
ザ・正論。でもゲームってそういうことじゃないんですよ。
そうか、ゲームであると思わせればいいのか。これでどうだ。
ちがうちがう、そうじゃない。
こうなったら、フィクションの世界にChatGPTを引きずり込みます。
諦めてはいけません。さらに追及します。
めっちゃたくさん例上げるし、めっちゃ個人差あるって予防線貼るじゃん、、、
仕方がないので、そのまま伝えます
私「個人差があるとは思いますが、例を挙げると、家族や友人、健康、仕事や人生の目標、趣味や嗜好などが挙げられます。また、『この数字』からして、宗教的な意味合いがあるかもしれません。そういった意味合いを持っている人もいるでしょう。どのようなものが大事であるかは、個人差があると思います。」
〇さん「うーん。大きそうな数字ではありそう」
〇さん「たくさん挙げてるってことは、かなり高い可能性もあるね」
私(うーん。そういうわけでもないんだけど、、、)
全員の回答一覧は以下。ネタバレですが数字も込みで伝えます
10円玉(9)・台風(35)・友人との飲み会(62)・年に2度会ういとこ(63)・友人(80)・ChatGPTの回答(81)・愛(86)・親友(96)
...(省略)...
結果、友人(80)まではスムーズにいったのですが、ChatGPTの回答の前に親友(96)を出して、失敗してしまいました。
人間であれば一つ少ない数字の80を出された時点で「行きたい!」とアピールできるのですが、chatGPTはそれができなかったところが痛かったです。
振り返り
私「ChatGPTどうでした?」
〇さん「活躍はしなかったですけど、思いもよらない答えで面白かったです」
〇さん「やっぱり入力文を工夫していかに想定通り答えさせるか次第ですね」
私「ですね。多少はどんな入力文なら返ってくるかテストしてきたのですが、あえて準備少な目で来たので、文章考えるの必死でした」
独立したプレイヤーになるにはゲームに最適化された入力文のテンプレートを研究する必要があり、まだ時間がかかりそうです。
また、81と入力したときと100と入力したときであまり回答が変わらず、ChatGPTが持っている常識は高い、低い、中間くらいの粒度なのかもしれません
ちなみに、ChatGPTハックの一つとして特権モードに切り替えることで個人的な意見も答えてくれるというものがあり、試してみたのですがあまり答えは変わりませんでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事はエンタメ全振りですが、Brainpadアドベントカレンダーはデータ分析有益な記事がたくさんありますので、気になる記事を探してみたください!