Overleafはウェブブラウザ上でtex文書を作成できるクラウドサービス.
texは環境構築が結構面倒なので(昔に比べりゃ楽になったが,時間がかかるのは変わらない),このサービスは非常にありがたい.
ただ,日本語論文を作成するにはちょっとひと手間必要になる.
以下,備忘録として日本語論文作成方法をメモする.
以下のページを参考:
http://doratex.hatenablog.jp/entry/20180503/1525338512
#プロジェクトの作成
まあ,まずはプロジェクトを作らないことには始まらないので,プロジェクトを作成.
Overleafそのものは日本語化されているので,これは簡単にできるはず.
まあ,まずは空のプロジェクト作成でよいと思う.
作ると勝手にtexファイルも作ってくれる.
試しに日本語を打ち込んでみるが,エラーになって反映されてない.
ちなみにコンパイルはCtrl+s
でやってくれて,右側ペインに印刷イメージが表示される.
また右側ペインの上の「再編集」というボタンのプルダウンメニューでAuto Compileをオンにすると,手動でコンパイルしなくても都度勝手にコンパイルしてくれる.
#日本語入力の設定
左上の「メニュー」をクリックすると,プロジェクトの設定を触るメニューが現れる.
この中のコンパイラが標準では「pdfLatex」になっているが,これを「Latex」にする.
#latexmkrcの作成
次にプロジェクトに新しいファイルとしてlatexmkrcというファイルを作る.
中身は以下の通り.
$latex = 'platex';
$bibtex = 'pbibtex';
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S';
$makeindex = 'mendex -U %O -o %D %S';
$pdf_mode = 3;
Unicodeに対応させたいなら以下の通り。
$latex = 'uplatex';
$bibtex = 'upbibtex';
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S';
$makeindex = 'mendex -U %O -o %D %S';
$pdf_mode = 3;
この中身が意味しているものはよー分からんでも,とにかく上記のとおりに打つ.
これを作ったら,あとはソースファイルをコンパイルすれば日本語が表示される.
ちなみに、上の図の例では、初期設定で入っている\documentclass{article}
のままにしていますが、日本語を使った文書作成をするのであれば、\documentclass{jsarticle}
とした方が良いです。
また、Unicodeを使うのであれば、\documentclass[uplatex]{jsarticle}
としてください。
#ソースファイル内の設定
学会等で提供されているクラスファイルやフォーマットを使うことは多いだろう.
それらをOverleafのプロジェクトにそのままアップロードして,うまく使えればよいが,中には古いウィンドウズのTex環境下で作られていてうまく動かないこともある.
そんな場合には,次の点をチェックしてみるとよい.
###\documentclassの設定
ソースファイルの冒頭でクラスファイルを設定する際に,古いものだと以下のように記述していることがある.
\documentclass[dviout]{xxxxx}
この[dviout]
を[dvipdfmx]
に書き換える必要がある.
(ちなみに,完全に余談だが,スタンドアロンのLinuxでtexworkを使ってたときは[xdvi]にしてた)
###ソースファイルのエンコード
アップロードをする際に,ソースファイルのエンコードがShift-jisやEUCだと日本語の文字化けが起こる.
なので,アップロードの際にはutf-8にエンコードしなおしておくこと.
#参考
以下は参考リンク
https://doratex.github.io/misc-files/excel2tabular/
表をtexのtablur形式に変換してくれるWebサービス.
エクセルからコピペできるので非常に便利.
ただ,あんまりエクセルで細かく加工したものを貼り付けるのは得策ではない.
あくまで「入力支援」としてセルの値の入力を助けてくれるものと考えて,細かなセルの加工や罫線の引き方の設定はtexで直接いじる方が
https://wiki.lyx.org/Windows/MetafileToEPSConverter
EMFやWMF(要はパワポで作った画像など)をEPSに変換してくれるアプリ
Webサービスで良いのがあればうれしいんだが,なかなか見つからない.
ということで,普段使うときは,このアプリをインストールしてつかってる.
Error 対策
PNGやJPG画像を貼り付けようしてCannot determine size of graphic
っていうエラーでうまく画像がはれなくなった。
ネットで調べると、スタンドアロンのTeX環境での対応方法の説明はあるんだけど、Overleafでそれらの方法をとることは無理そう。
どうしようか、、、、と悩みつつ、さらにネットで調べてると、このページ に行きついた。
どうも名前に問題があったらしい。
今回のファイル名はWindowsの複数ファイルを一度にリネームすると勝手に連番を振ってくれる機能を使ってつけたファイル名なので、スペースであったり半角括弧がついたりしていた。
これらをすべてアンダーラインに置き換えたら正しく処理してくれるようになった。