Base DatabaseのデフォルトバックアップはRCVに
OCI (Oracle Cloud Infrastructure) のBase DatabaseのバックアップはRMANの機能で自動取得できますが、少し前までは「差分増分バックアップ」になっていました。
(週次でフル、日次で差分増分バックアップを取得し、オブジェクトストレージに保管)
ただ、ここ最近はバックアップ取得先として「自律型リカバリサービス(RCV)」が選べるようになり、今ではデフォルトになっています。(推奨でもあります)
RCVとは
RCVはオンプレミスで提供されている 「Zero Data Loss Recovery Appliance」の機能をクラウドで利用できるものになります。
以前からあった「増分更新バックアップ」と同様に永久差分増分を実現できるのですが、大きな違いとしてフルバックアップへのリストア(マージ)はおこないません。
RCVの中で独自形式で増分バックアップが格納され、それらを合わせて仮想的なフルバックアップが作れるような仕組みになっています。
RCVのメリット
仮想的なフルバックアップが作れるので、リストア時に増分バックアップのリストア作業が不要になります。
また、増分更新バックアップと異なりリストア(マージ)をしないので、過去に戻すこと(PITR)も可能になっています。
これまでの差分増分バックアップ、累積増分バックアップ、増分更新のデメリットを解決していますね。
方式 | デメリット |
---|---|
差分増分 | リストア時にフルバックアップ以降の全ての増分バックアップファイルの適用が必要 |
累積増分 | 増分バックアップファイルサイズがだんだん大きくなる |
増分更新 | リストア(マージ)以前には戻せない |
※RCVのバックアップが格納されている場所はOSからは見えない領域ということで、最近はランサムウェア対策もメリットとしてアピールされています
ZRCVとは
RCVの設定時に「リアルタイムデータ保護」というチェックがあり、これにチェックをつけると「Zero Data Loss RCV (ZRCV)」になります。
いくらバックアップをしていてもオンラインREDOログが失われてしまったらその分のデータを失うことになりますが、ZRCVにするとオンラインREDOログもバックアップされるようになり、「Zero Data Loss」が実現できます。(値段は少しあがります)
なお、RCVの課金体系は少しややこしいです
(参考:https://speakerdeck.com/oracle4engineer/zrcv-overview?slide=13)