VRRPとは
- デフォルトゲートウェイなどを冗長化するためのプロトコル
マスタールータ
- パケットの転送処理を行うルータ
バックアップルータ
- パケットの転送処理を行わないルータ
- マスタールータがダウンした場合に、バックアップルータがマスタールータとなる
仮想IPアドレス/仮想MACアドレス
- VRRPを設定したで保持される仮想的なIPアドレスとMACアドレス
- 仮想IPアドレスは、PCなどに設定するデフォルトゲートウェイのIPアドレスとなる
- 仮想MACアドレスは、PCのARPテーブルに保持されるMACアドレス
プライオリティ値
- マスタールータになるか、バックアップルータになるかを決定する値
- 最も大きいプライオリティ値を持つルータが、マスタールータとなる
VRRPグループ
- VRRPをサポートするルータ等により形成されているグループのこと
- VRRPグループの番号のことをVRIDといい、1~255まで指定可能である
- VRRPの規格では、最大255組の仮想ルータ(VRRPグループ)を作成可能
VRRPアドバタイズメント(VRRP広告)
- VRRPを有効にしたルータ間(インターフェース間)でVRRPに関する情報をやり取りするためのマルチキャストのこと。マスタルータからバックアップルータに対して定期的に送信される
マスタールータからバックアップルータへの切り替わり
1.マスタールータが故障する
2.バックアップルータがVRRPアドバタイズメントを受信しなくなり、マスタールータが故障したと判断する
3.バックアップルータがマスタールータに昇格する(便宜上、新マスタールータと呼ぶ)
4.新マスタールータがGARPを送信することで、隣接SWのMACアドレステーブルを書き換える
5.仮想IPアドレス/仮想MACアドレスに対するパケットが新マスタールータに転送されるようになる
※GARP...自分自身のIPアドレスに対するARPのこと。IPアドレスの重複検知や同一セグメント上の機器のARPテーブルの更新、隣接機器のMACアドレステーブルを更新するために使われる。
バックアップルータがマスタールータがダウンしたと判断する条件
- バックアップがマスタルータからのVRRPアドバタイズメントを決められた時間内に受信しなくなった場合(VRRPアドバタイズメント=マスタールータの稼働状態の報告)
トラッキング
- マスタールータでインターフェース障害が発生した場合に、自動的にマスタールータのVRRPのプライオリティ値を下げる機能
プリエンプト
- 最も大きいプライオリティ値を持つルータが、常にマスタールータとなる機能
その他
- VRRPはインターフェースに対して設定するため、1台のルータで複数のVRRPグループを設定することが可能
- ルータ以外にも、サーバの冗長化にVRRPを使うことができる(keepalivedがその代表例)