今では多くの派生ディストリビューションで溢れているからか、よく「openSUSE は Redhat 系ですか?Debian系ですか?」と質問を受けますが、どちらでもありません。初期の(といっても10年以上前)の S.u.S.E. は Slackware に独自のソフトウェアを足した物でしたので、Slackware 系とは言えるかもしれません。
とは言いつつも、いくつか Redhat/Fedora と同じ基本システムを採用している部分がいくつかあります。その1つがパッケージマネージャです。openSUSE (SUSE Linux Enterprise でも同様) はパッケージマネージャに RPM を採用しています。
一方、パッケージマネージャのフロントエンドは yum ではなく、zypper と呼ばれるものを採用しています。今では zypper は openSUSE だけではなく、MeeGo にも採用され、その派生の Tizen や Nemo/Sailish OS でも使われています。
zypper のサブコマンド体系
簡単に zypper のサブコマンド体系について紹介したいと思います。まずパッケージのインストールには install
サブコマンドを使います。
$ zypper install パッケージ名
yum や aptitude と変わりませんね。
関連するパッケージ一式をまとめてインストールしたいというような場合は、パターンのインストールを使うと便利です。開発に必要な make などのパッケージをまとめてインストールするには、タイプに pattern
を指定してインストールします。
$ zypper install -t pattern devel_basis
パッケージの検索は search です。--detail
オプションを付けると検索結果にバージョン番号や、どのリポジトリにあるかを表示してくれます。
$ zypper se -s fcitx-mozc
リポジトリのデータを読み込んでいます...
インストール済みのパッケージを読み込んでいます...
S | 名前 | 種類 | バージョン | アーキテクチャ | リポジトリ
--+------------+------------+---------------------+----------------+-------------------
v | fcitx-mozc | パッケージ | 1.11.1522.102-24.1 | x86_64 | M17N
i | fcitx-mozc | パッケージ | 1.11.1522.102-2.2.1 | x86_64 | openSUSE-13.1-Oss
i | fcitx-mozc | パッケージ | 1.11.1522.102-2.2.1 | x86_64 | openSUSE-13.1-1.10
v | fcitx-mozc | パッケージ | 1.11.1522.102-24.1 | i586 | M17N
v | fcitx-mozc | パッケージ | 1.11.1522.102-2.2.1 | i586 | openSUSE-13.1-Oss
i
はインストール済み、v
は他のバージョンやアーキテクチャがインストールされていることを意味します。
いわゆるオンラインアップデートには patch
コマンドを使います。openSUSE では重要な更新はパッチと呼ばれるいくつかのパッケージをまとめた形で配信されます。patch
コマンドを使うと、必要なパッチを一括でインストールします。
$ zypper patch
最後に
もう少し詳しい使い方を知りたい方は次のスライドをチェックしてみて下さい:
おまけ: 元ネタは apt ですが、ぜひ実際に試してみて下さい。
$ zypper moo