はじめに
せっかくアドベントカレンダーの季節なので何か投稿しようと思ったのですが、技術寄りのネタが浮かばなかったので、ポエムを書くことにしました。
仕事をしていると技術的な質問を受けることがあります。
内容や相手によってはストレートに答えてよいのですが、経験の浅いエンジニアには、答えではなくそこに至るまでの調べ方や考え方を伝えたいと思うことも多いです。
ただ、どこまで教えるかというのは結構な悩みどころで、以下のような状態は避けなければいけません。
- 教えすぎ → 聞けば教えてもらえると思って自分で調べたり考えたりしなくなる。
- 教えなさすぎ → なかなか解決できずストレスが溜まったり、やる気や自信を無くしてしまう。
というわけで、自分なりにどのような基準で判断して、どう教えているかを書いてみます。
質問の分類
図のように調べ方と考え方の難易度で4タイプに分類してみました。
考え方というのがちょっと漠然としていますが、調べた結果がそのまま解決に繋がるのか、それを組み合わせたり応用する必要があるのか、程度に捉えてください。
①調べ方:難しい 考え方:難しい
一番手強いブロックになります。
ここは調べ方、考え方両方のサポートが必要となるので、ペアプロのような感じで相手に作業してもらいながらナビゲートしたり、難易度によっては自分がドライバーになって随時質問を受けながらやってみせるなど、ある程度手厚く教えるようにしています。
②調べ方:簡単 考え方:難しい
調べるところまではできても、それをどう使えば解決できるかが難しいというブロックです。
この場合はまず調べ方や調べた内容に不足がないかを確認した上で、どのように考えてどう解決しようとしたのか、どこで手こずっているのか、順を追って説明してもらいます。
説明しているうちにわからない部分が見えてきたり、考えがまとまってくることも多いので、教えるというよりも理解度を見ながらアドバイスするという形になります。
③調べ方:難しい 考え方:簡単
②とは逆に、調べられたらほぼ解決なのですが、以下のような理由で調べ方そのものが難しいということがあります。
- 解決の糸口になるキーワードが浮かばない
- 情報が多すぎてどれが正解なのか判断できない
- 日本語のドキュメントやサイトが少ない
このような場合は質問を深掘りして、何がわかれば解決に繋がるのか、どのように情報を絞り込んでいくかといった部分を教えるようにしています。
また、日本語の情報が見つからなかったら、ページ翻訳なども活用して英語でも探してみるといったことも大事です。
このブロックはChatGPTなどにどうやって調べたらいいか聞いてみるのも効果的だと思います。
④調べ方:簡単 考え方:簡単
このブロックを質問してくるということは、そもそも調べていないか、見当違いのことを調べている可能性が高いです。
調べていなかった場合は、調べてすぐに解決できたという体験をさせた上で、まず調べるという意識付けと、どこまで調べてわからなかったら質問するかの判断基準を自分の中で持つということを伝えます。
見当違いのことを調べていた場合は、どんな理由で何を調べたのか確認し、どうすれば解決方法が調べられたか意識合わせをします。
一番単純なだけに、なぜ質問してきたかには注意が必要です。
気をつけていること
質問の分類による教え方は上に挙げた通りですが、共通して気をつけていることを少し書いておきます。
話を最後まで聞く
質問や説明の途中で遮ったり聞き返してしまうと、「なんか間違ってるかも?」と思って考えていたことを話してもらえなくなる場合があるため、とにかく最後まで聞くようにしています。
考えの過程や理由も話す
調べ方や考え方を教えるだけではなく、なぜそうやっているかという部分もできるだけ話すようにしています。
魚を与えるのではなく釣り方を教えるのは大前提として、なぜそれで釣れるのかまで伝えておけば、釣れなかった時にどこを改善や試行錯誤すればよいかの手がかりになります。
できていることは伝える
結構やりがちなのですが、できていないことへの指摘やアドバイスばかりになってしまい、できていることについても「何も言われてないけど大丈夫かな?」と不安にさせてしまう場合があります。
できていないことにフォーカスしてもらうためにも、ここまではできているということを伝えるよう意識しています。
おわりに
分類といっても調べ方と考え方でのざっくり4分割なので、こう教えればOKというものではありませんが、どこを重点的に教えるかの判断材料になれば幸いです。
教え方というのは相手の成長にも影響するので、今後もより良い方法を考えていきたいです。