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初心者たちがデザインスプリントを回してみた話

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前田は激怒した。必ず、かの邪智暴虐な顧客の要求を実現せねばならぬと決意した。前田には開発がわからぬ。前田は、初心者Webデザイナー兼初心者エンジニアである。コードを書き、adobe XDで遊んで暮して来た。けれども顧客の要求に対しては、人一倍に敏感であった。

要求を実現するのはむずい(邪智暴虐とか関係なく)

そもそもそんな顧客に当たったことはない(それどころか社内開発ばかりだった)。

企画設計、デザイン、開発まで一人やっていたことがありましたが、どの立場の状況もわかるためとてもやりやすかったです。
でも現代日本でのオーソドックスな開発は、基本的にPOはPO、デザイナーはデザイナー、開発チームは開発チームで動いていると思います。
でもそれって連携とれなくない?デザイナーからすると、その機能の背景は詳しくわからないし、作成中のデザインが開発として実装が難しいかなんてわからない。
じゃあどうすんのよ?というところで登場するのがデザインスプリントです。

デザインスプリントってなんじゃらほい

関係者たちを巻き込んで、アイデアバンバン出して、プロトタイプ作って、ほんとにそれって効果ある?を短期間で行う取り組みです。
取り組みを通じてめちゃ素敵デザインを生み出すのが目標です。
下記のフェイズを通して問題を解決するためのデザインを考えます。

  1. 理解フェイズ
    取り組む問題への理解を深めます。
    解決したい問題の背景は?目的は?根本的な課題はなんだろう?それを解決するには?

  2. 発散フェイズ
    課題を解決するためのアイデアをバシバシ集めます。
    あなたのこのアイデアとってもクールだね!このUIとかどうよ?

  3. 決定フェイズ
    アイデアから具体策を練ります。
    このアイデアとこのアイデアを組み合わせてみよう!このアイデアはここでも使えそう!

  4. 試作フェイズ
    プロトデザインをガシガシ作っていきます。
    細部はあとで調整。だってこの後に待っているのは…

  5. 検証フェイズ
    シナリオに沿ってプロトタイプを触ってもらいます。
    全く知らない人に触ってもらえば新しい発見も?

大体こんな感じで回してみた

メンバーの皆さん

  • スクラムマスター初心者。主にファシリテーター。質問があればツッコミもする。
  • PO初心者。背景や要求をまとめ、事前にジャーニーマップを作成してくれる。
  • 開発初心者。POやデザインの補佐もしてくれる。でもメインは開発。
  • 自分。デザイン初心者。開発も初心者。何もわからない。ばなな。

ちなみに住んでる場所はバラバラ。つまりリモートです。

理解フェイズ

まずはPOから今回の問題について教えてもらいます。ジャーニーマップを使用した説明、実現したいことやゴール、利用者の声etc…
そしたらゴールまでの障害を考え、課題を明確にしていきます。それぞれの立場(開発、デザイナーなど)からの意見やコメントも交えます。
あわせてジャーニーマップもブラッシュアップ。

発散フェイズ

優れたデザインはいろんなところで使われます。他のサイトを見ながら、課題を解決できそうなデザインを探します。
それらを元に自分たちでアイデアを出していきます。とにかくいっぱい。我々はクレイジー8という手法を用いました。
そしたら出されたアイデアたちから手描きのスケッチを各々作成します。デザイナー以外も。

決定フェイズ

スケッチたちを見ながら、どのアイデアを採用するか決めていきます。
このスケッチのここがいい、あっちのスケッチのこれを組み合わせたい、というのもあるかもしれません。
アイデアを整理していき、最終的に一つのワイヤーフレームを作成します。

試作フェイズ

ここに来るまでにアイデアが収束してると思うので、それを元にプロトタイプを作成します。
この後は検証が待っていて没になる可能性もあるので、細かいところまで気を配らなくてOKです。
我々の場合、この裏でPOがテストを作成していました。理解フェイズで洗い出した課題やブラッシュアップしたジャーニーマップを元に作っていきます。

検証フェイズ

一人ずつ、複数人にプロトタイプを触ってもらいながらインタビューを行います。
テスターの様子を観察するのも大事です。どこで詰まっている?それはなんで?気になったことはメモしていきます。
我々はリモート会議で行い、テスターに画面共有してもらいました。マウスの動きだけで意外といろいろなことに気付きます。

思ったこと

ファシリテーターめっちゃ大事

参加者が集中、必死になるため話題がズレても気付かなかったりします。起動修正役がいると安心感があります。
更に、柔軟な時間調整ができるとすごい助かる!
例えばクレイジー8。1分に一つの案を8回、計8つの案を出す手法なのですが、日本ではあまり馴染みがなく短時間でアイデアをバシバシ出すのは難しいです。
そんな時は一つのアイデアを2分で、というようにちょっと長くしたりしました。

お互いに話し合える、意見を出し合える環境は必須

とにかく喋るので、普段から会議中に笑いあえるような雰囲気作りが必要だと思います。
意見を出しやすいという点でもそうですが、和やかな雰囲気があることで精神的な疲労を緩和できるんじゃないでしょうか?
問題を自分ごとと捉えて会議に参加する、という心構えも重要です。
あと水分も必ず用意してください。口の中がパサパサになります。

課題のスコープ決めるのむずい

課題の規模感によっては内容が膨れ上がります。そしてデザイナーは死ぬ(試作フェイズの規模的に)。
多分、検証もやりづらくなる。ストーリーが複雑化する原因になったりとかしそう。
内容によっては課題を切り分けたりするといいかもしれません。

思ったより楽しい

これが一番重要。そうでしょ?
わいわいしたりお菓子食べながら意見を出し合えて、非常に充実感がありました。

おしまい

多分、本とか読んだ方が正確です。この記事は「こんな手法があるで!」と紹介するのが目的なので、「なんか良さそうだな」と思ってもらえたら幸いです。
どうせ仕事するなら楽しい方がいいと思います。デザインスプリントは楽しいぞ。

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