0. 前置き
最近、「クラウド」という言葉をよく聞くようになりました。
このクラウドの中で最も有名なものの 1 つに、「 AWS 」というものがあります。
今回はこの AWS について、ざっくり説明していきます。
1. 「クラウド」とは
AWS について説明するには、まずクラウドについて説明する必要があります。
クラウドは一言でいうと、「インターネット経由で利用するサービス」のことです。
例えば私たちがスマホで電卓アプリを使う場合、電卓アプリ(サービス)は手元にあるスマホの中にインストールされています。
一方、スマホのブラウザで Web サイトに接続し、 Web サイト上で電卓アプリを動かす場合、電卓アプリ(サービス)は手元のスマホの中にはなく、インターネットの向こう側(多くの場合サービスの提供元のサーバ上)にあります。
このように、インターネットの向こう側にあるアプリやサーバなどを利用する形をとるサービスを、「クラウド」と呼びます。
有名なところだと、ストレージサービスの「 Dropbox 」やメールサービスの「 Gmail 」なんかもクラウドの一種になります。
反対に、アプリやサーバなどを手元に用意して利用する場合は「オンプレミス(オンプレ)」と呼びます。
クラウドを利用するメリットとしては、例えば以下のようなものがあります。
- アプリやサーバなどが手元に無くてもよいため、低コストで手軽に利用できる
- 複数の場所にデータを分散させることで、災害対策になる
- 利用場所を選ばないので、最近普及してきたリモートワークとも相性がよい
一方で、クラウド利用には以下のようなデメリットもあります。
- 一方的にサービスの利用が制限されたり、サービス自体が終了する可能性もある
- 国外に重要なデータを置く場合は、法律上のリスクにも気を付けなくてはいけない
と、メリットデメリットありますが、最近はメリットの方が大きいとして活用されることが増えてきています。
2. 「 AWS 」とは
クラウドの中でも最も有名なものの1つが、「Amazon Web Services ( AWS ) 」です。
AWS は Amazon.com, Inc. の子会社である Amazon Web Service, Inc. が提供するクラウドで、 2006 年に一般提供が開始されました。
よく比較される同種のサービスとして、 Microsoft Corporation の「 Microsoft Azure 」や Google LLC の「 Google Cloud Platform ( GCP ) 」があります。
AWS には様々なサービスがありますが、有名どころだと以下のようなものがあります。
- Elastic Compute Cloud ( EC2 ) : Linux や Windows などのサーバを利用できる
- Simple Storage Service ( S3 ) : ストレージを利用できる
- DynamoDB : データベースを利用できる
AWS のアカウントを作れば、これらのサービスがすぐに利用できるようになります。
3. AWS の料金
AWS は大半のサービスについて、「使った分だけ払う」形をとっています。
例えば EC2 であれば、 2024 年 5 月現在、東京リージョンで t2.micro の Linux インスタンスを 1 時間使用すると 0.0152 USD ( 1 USD = 160 円で計算すると 2.432 円)となります。
一方で、ある程度の期間の利用を一括契約すると安くできるなど、特殊な契約方法もあります。
例えば上記と同じ条件で 1 年契約とした場合、料金は 1 時間使用で 0.0118 USD と約 22% も安くなります。
最新の情報は以下のページを参照してください。
料金見積用のツールもあります。
※画面右上でページの言語を変えられます。
また、 AWS は制限付きではありますが、無料で利用できる枠も多数存在します。
無料枠のパターンは以下の3パターンに分かれます。
- 12 か月無料: AWS のアカウントを作成した日から 12 か月、一定条件下で無料
- 常に無料:日時にかかわらず一定条件下で無料
- トライアル:各サービスを最初に利用した時点から、一定条件下で無料
例えば EC2 の場合は以下の条件で無料となります。
- AWS のアカウントを作成した日から 12 か月以内
- 毎月 750 時間まで( 24 時間 * 31 日 = 744 時間 なので、 1 インスタンスだけなら常に動かせる計算になる)
- Linux、RHEL、SLES、Windows の t2.micro または t3.micro インスタンス
- パブリック IPv4 アドレスも毎月 750 時間まで無料(インスタンスを止めても IP アドレスは割り当てたままだったりするので要注意)
最新の情報は以下のページを参照してください。