ParagonのVFXデータを解析してみる ー その2 ー
今回はこちらのVFXの中身を見ていきたいと思います。
ツイートのほうにも書きましたがほぼ一個のメッシュで全て表現しており、
ほとんどマテリアルだけで完結しています。
引き続きParagon VFX観察。これほとんど1マテリアル、1メッシュでやってる。連番とかは使ってない。 pic.twitter.com/67YPZazOHN
— AKI(Flypot代表) (@frontakk) 2018年4月15日
一個のマテリアル内で初速の発光からその後のトレイル部分の終息まで作りこんでおり
とても勉強になります。
今回のエフェクトはこちらのメカさんのアセット内にある
P_Crunch_Hook_3D_Trailというエフェクトになります。
そのエフェクトで使用されているM_Crunch_Hook_3D_Trail_V02というマテリアルを見ていきたいと思います。
まずは全体図から。
そこそこ複雑そうですが、いろいろやってる割には簡素かも、といった印象。
よく見るとグラフの右上のほうに注釈があったんですが、どうもこれを見るにParticle Colorを
色の設定用途としてではなくDynamic Parameterの代わりとして使ってるっぽいです、面白いですなー。
(確かにDynamic Parameter4つじゃ足りないよー、という状況はままある)
こういう風に書いてくれてるの非常に親切で助かる。
とりあえずグラフ全体の左半分を上から順に見ていきたいと思います。
まずは一番上のTL - Black Trailから見ていきます。
メモ書きのとおりトレイルの黒部分っぽいですね。Particle Colorの青出力からラインが出てますが、
先ほどの右上の注釈を見るとPower for the Black Trail's Opacityと書かれているので
ここでOpacityを制御してるっぽいですね。①のノードのプレビューも載せておきます。
Particle Colorの青出力がPowerにつながっているので実際には下のように
グレースケールのグラデーションを操作するようになっています。
ちなみにcascadeのScale Color / Lifeモジュールの青チャンネルには
このようなアニメーションが入っています。
次に中段のTL - Orange Trailを見ていきます。トレイルのメイン部分ですね。
多分先ほどとやってることは一緒ですね、①のプレビューを見るとフラクタルが
三枚重ねなので複雑になってるだけだと思います。
Dynamic Parameterの青出力から先ほどと同じようにグラデーションをアニメーションで調整しています。
何というか豪勢な作りだなあ、コンシューマだと普通なんだろうか?
次に下段のHL - Highlightを見ていきます。技の初めの移動する発光部分ですね。
Dynamic Parameterで制御している点は同じですが、こちらはPowerではなくAddを
使用しているのでUV座標をパラメータでスライドさせてるだけだと思います。
また中段で作ったフラクタルをディストーション(歪み)素材として使用していますね。
①のプレビューも載せておきます。
これで左半分が終了です。これらの素材を右半分で合成しているかんじですかね。
右半分も解説しようと思ってたんですが疲れてきたので要所要所だけ紹介していきたいと思います。
あまり本筋とは関係ないんですがマスクの作り方が面白かったので紹介。
Sphere Maskで下画像のようなマスクを作成しています。通常は円形のマスクを作るノードなんですが
TexCorrdのUTilingを0に設定すると、横方向に無限に引き伸ばされてこのような結果になります。
B入力のところの値を調整すれば白部分の太さを変えることもできます。
あとはRefractionの適用範囲をFresnelを使って作ってました。
Lerpで範囲を反転してPowerで調整。
すいません、肝心の合成部分はあんまり触れなかったのですがこの辺で・・・。