ParagonのVFXデータを解析してみる ー その1 ー
2018年3月にUnrealEngineのマーケットプレイスでEpic GamesからParagonのゲームデータが大量に無償公開されました。
Epic Games、1,200万ドル相当の Paragon アセットを無料で公開
各キャラごとに公開されており、ダウンロードしてプロジェクトに追加することが可能です。
・マーケットプレイス→カテゴリー→Epic Showcaseからアクセスできます
各キャラクターのアセットにVFXデータが含まれているのですが、こちらのデータが個人的に大変参考になるもの
ばかりだったので自分が有用だなと思ったものをメモがてら紹介していこうと思います。
ちなみに全キャラのデータをプロジェクトにインポートすると約30GB、VFXだけで10GBあります。
(太っ腹すぎるよ、Epicさん・・・。)
単一のフラクタルテクスチャからフレアのマテリアルを作成
まずはこちらのお姉さんのアセットから見ていきたいと思います。
M_Flare_Procedural_Noise_Tex_Glow2
というマテリアルを開いてみたください。
こんな感じのマテリアルなのですが、このマテリアルで使われているテクスチャは以下になります。
微妙に色収差が入ってていいかんじです。
このテクスチャからどのようにフレア素材を作っているのか簡単に流れを見てみたいと思います。
全体ではこんなかんじ。
まず全体の左上部分に注目してみます。
①でVector To Radial Valueを使ってUV座標を放射状に変形しています。次に②に関しては、
ここはちょっと自分でもよくわかっていないのですがDynamic ParameterとParticle Random Valueが両方使われています。
Particle Random Valueの説明については@mokoさんのブログ記事にて解説されております。
ゲームエフェクトデザイナーのブログ (新) Particle Randomノードについて
こちらを読むとParticle Random Valueに関してはGPU Particleのみ、Dynamic Parameterについては通常のParticleでのみ
使用できるとのことなので、パーティクルの種類によって使い分けているということではないのかなと・・・。
(正直よく分からないので詳しい人のツッコミ待ち。)
で、調整を加えたものをテクスチャのUV入力につなげています。
この時点ではまだフチ部分のマスキングはされていません。
そして①の部分でSphere Maskで円形のマスクを作って、先ほどの放射状のフラクタルと掛け合わせて②の結果を得ています。
さらにSphere Maskを再利用してPowerで大きさを変えて③のように中心のフレア部分を作成しています。
PowerにDynamic ParameterのCore Powerが繋がっているため、多分コア部分の発光具合も独立して調整可能になっているかと思います。
②と③を合わせて④の最終形になっています。
割とシンプルなフレアのマテリアルですが結構自分的には役立ちそうなノウハウが詰まってて
非常に参考になりました。