はじめに
クラウドコンピューティングの普及に伴い、SaaS、PaaS、IaaSといった用語を耳にする機会が増えました。
しかし、それぞれの違いを明確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
本記事では、それぞれの特徴や違いについて解説します。
書こうと思ったきっかけ
近年、企業のクラウド導入が加速する中で、適切なサービス選択が求められています。
しかし、SaaS・PaaS・IaaSの違いが分からず、最適な選択ができていないケースもあります。
そこで、それぞれの特徴を分かりやすく整理し、理解を深める手助けになればと思い、本記事を投稿しました。
IaaS、PaaS、SaaSのイメージ図について
引用画像:https://cloud-ace.jp/column/detail01/
SaaS(Software as a Service)
SaaSは「サービスとしてのソフトウェア」を意味し、インターネット経由でソフトウェアを提供する形態です。ユーザーはインストール不要で、ブラウザなどを通じてソフトウェアを利用できます。
特徴
- ソフトウェアのインストールや管理が不要
- インターネット接続があればどこからでも利用可能
- 運用・保守が不要で、常に最新バージョンを利用可能
代表的なSaaSの例
- Google Workspace(Googleドキュメント、スプレッドシート、Gmailなど)
- Microsoft 365
- Dropbox
- Slack
PaaS(Platform as a Service)
PaaSは「サービスとしてのプラットフォーム」を意味し、アプリケーション開発や運用のためのプラットフォームを提供するサービスです。開発者はインフラの管理を気にせず、アプリケーション開発に専念できます。
特徴
- サーバー、OS、ミドルウェアの管理が不要
- アプリケーションの開発・デプロイが容易
- 自動スケーリングや負荷分散機能を提供
代表的なPaaSの例
- Google App Engine
- AWS Elastic Beanstalk
- Microsoft Azure App Services
- Heroku
IaaS(Infrastructure as a Service)
IaaSは「サービスとしてのインフラ」を意味し、仮想サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラを提供するクラウドサービスです。企業はオンプレミスのサーバーを持たず、必要に応じてリソースを利用できます。
特徴
- 物理的なハードウェアの管理が不要
- 柔軟なスケーリングが可能
- 高度なカスタマイズが可能
代表的なIaaSの例
- Amazon Web Services(AWS EC2、S3など)
- Microsoft Azure(Azure Virtual Machinesなど)
- Google Cloud Platform(Compute Engineなど)
SaaS・PaaS・IaaSの比較表
SaaS | PaaS | IaaS | |
---|---|---|---|
提供内容 | アプリケーション | 開発プラットフォーム | インフラ(サーバー・ストレージなど) |
ユーザーの管理範囲 | なし(運用不要) | アプリ開発のみ | OSやミドルウェアの設定が必要 |
メリット | 手軽に利用可能 | 開発が容易 | 柔軟なカスタマイズが可能 |
デメリット | カスタマイズが難しい | 特定の環境に依存する可能性 | 運用管理の負担がある |
まとめ
SaaS、PaaS、IaaSはそれぞれ異なる用途に適したクラウドサービスの形態です。企業や個人のニーズに応じて適切なサービスを選択することで、業務の効率化やコスト削減が可能になります。
- 手軽にソフトウェアを利用したいなら「SaaS」
- アプリケーション開発に集中したいなら「PaaS」
- インフラを自由に構築・管理したいなら「IaaS」
自社のIT戦略や開発ニーズに合わせて、最適なクラウドサービスを活用してみてください!!