はじめに
エンジニアとして活躍するためには、技術的なスキル(ハードスキル)だけでなく、コミュニケーションや問題解決能力(ソフトスキル)も求められます。
どちらも重要ですが、キャリアの段階によって必要性が変わることもあります。本記事では、それぞれのスキルと重要性について整理します。
これからエンジニアを目指す人やスキルアップを考えている人の参考になれば幸いです。
書こうと思ったきっかけ
エンジニアには「技術がすべて」と考えがちですが、実際の仕事では対人スキルや論理的思考も大きく影響します。
技術の習得だけでなく、どんなスキルをバランスよく伸ばせばよいか迷うこともあるでしょう...(私もありました)。
私自身、経験を重ねる中でソフトスキルの重要性を強く感じるようになりました。その気づきを共有することで、他のエンジニアの成長にも役立てばと思いました。
体験談:ハードスキルがなくて詰められた話
私自身、インフラを専門とする仕事の中で、日々初めて聞く専門用語や難しい言葉が飛び交い、非常に苦労した経験があります。
例えば、チームミーティングでは、メンバーが当たり前のように
- 「DNS の転送設定はどうなっているのか?」
- 「名前解決ができていない」
などと話していました。しかし、当時の私はその単語の意味を理解できず、対等にコミュニケーションを取ることができませんでした。
その結果、私だけ認識がずれてしまい、話についていけない場面が多々あり、厳しく詰められることもありました...。
この経験から、やはり エンジニアとしての基盤となるのはハードスキル だと痛感しました。
その上で、どれだけソフトスキルをプラスαとして積み上げられるかが、成長の鍵 になると考えています(尊敬する方も同じような意見でした)。
ハードスキル(技術的スキル)
-
1. プログラミングスキル
- 使用する言語(Python, Java, JavaScript, Go, etc.)の習得
- フレームワーク(Django, React, Spring, etc.)の活用
- コーディングのベストプラクティス(DRY, SOLID 原則など)
-
2. システム設計
- アーキテクチャ設計(モノリシック、マイクロサービス)
- データベース設計(正規化、インデックスの最適化)
- API 設計(REST, GraphQL)
-
3. クラウド・インフラ
- AWS, GCP, Azure などのクラウドサービスの知識
- Docker, Kubernetes などのコンテナ技術
- CI/CD パイプラインの構築(GitHub Actions, Jenkins, etc.)
-
4. データベース管理
- SQL(MySQL, PostgreSQL, SQLite)
- NoSQL(MongoDB, Redis)
- パフォーマンスチューニング(インデックス最適化、クエリ最適化)
-
5. セキュリティ
- OWASP Top 10 の理解
- 認証・認可(OAuth, JWT)
- ネットワークセキュリティ(ファイアウォール、SSL/TLS)
-
6. バージョン管理
- Git の基本操作(commit, branch, merge, rebase)
- GitHub, GitLab, Bitbucket の運用
- チーム開発における Git フロー(GitFlow, Trunk-Based Development)
-
7. テスト・デバッグ
- ユニットテスト(pytest, JUnit)
- 統合テスト(Selenium, Cypress)
- ログ解析とデバッグツールの活用(Datadog, Sentry)
-
8. ネットワークの基礎
- TCP/IP, HTTP/HTTPS の理解
- DNS, CDN の基本知識
- VPN, SSH などのリモートアクセス技術
ソフトスキル(対人スキル・思考スキル)
-
1. 問題解決能力
- バグや障害の特定と修正
- 効率的なコード設計の工夫
- システムのパフォーマンス改善
-
2. 論理的思考力
- 複雑な仕様やコードを整理し、シンプルに分解できる力
- 仕様変更の影響を予測し、最適な設計を考えられる力
-
3. コミュニケーション能力
- チームメンバーとの円滑なやり取り
- クライアントや上司への報告・説明
- 技術的な内容を分かりやすく伝えるスキル
-
4. 自己学習能力
- 新しい技術をキャッチアップする習慣
- ドキュメントや公式リファレンスを読む力
- 技術ブログや書籍を活用して継続的に学ぶ姿勢
-
5. チームワーク
- コードレビューの実施・フィードバックの受け入れ
- 他のエンジニアとの協力
- マネージャーやデザイナーとの連携
-
6. タイムマネジメント
- タスクの優先順位を考え、効率的に作業する
- 締め切りを守るためのスケジュール管理
- 作業の見積もりと計画の立案
-
7. ユーザー視点
- ユーザーが求めている体験を考える
- UI/UX の重要性を理解する
- 使いやすい設計を意識する
ハードスキル vs ソフトスキル:どちらが重要か?
結論として、どちらも重要であり、バランスが大切 です。
-
初心者・ジュニアエンジニアの段階では「ハードスキル」が特に重要
→ プログラミングやインフラの基礎をしっかり学ぶことが必須。 -
中級者・上級者になってくると「ソフトスキル」の重要性が増す
→ チーム開発やプロジェクトの成功には、コミュニケーション能力や問題解決能力が欠かせない。
特に、ハードスキルは学習によって身につくが、ソフトスキルは経験を通して磨かれることが多いです。
そのため、エンジニアとして長期的に活躍するためには、技術力+ソフトスキルの両方を意識的に伸ばすことが重要 になります。
個人的なアドバイス
- まずはハードスキルをしっかり固める(プログラミング・インフラ・設計)
- その後、ソフトスキルを意識して伸ばしていく(コミュニケーション・問題解決)
- どちらか一方だけでは不十分。エンジニアとして長く活躍するには両方が必要
- 特に、成長し続けるためには「学び続ける姿勢」が最も大切(ここが一番大事)!
まとめ
エンジニアには、プログラミングやインフラ設計といったハードスキルと、問題解決力やチームワークといったソフトスキルの両方が不可欠です。
特に、初心者のうちはハードスキルを重視し、経験を積むにつれてソフトスキルも伸ばすことが重要になります(個人的な考え)。
どちらか一方だけではなく、バランスよく磨いていくことがエンジニアとしての成長につながります。
おまけ:私の好きな言葉
最後に、私の好きな言葉をご紹介します。これは、自動車会社フォードの創設者、ヘンリー・フォードの言葉です。
引用画像:https://gazoo.com/feature/gazoo-museum/car-history/15/09/11_1/
「20歳だろうが80歳だろうが、学ぶことをやめた者は皆、老人だ。学び続ける者は、若くいられる。」
この言葉は、新しい技術に挑戦したり、新しいことを始めようとするときに、私を奮い立たせてくれる大切な言葉です。
「今日が人生で最も若い日」という考えを胸に、今日挑戦しなければ、明日も挑戦しないだろうと自分に言い聞かせながら日々を前向きに過ごしています。