作ったアプリ
プライム名人は、Amazon Prime Videoからガチャで映画を選べるアプリです。人気映画や過去に見た映画の類似作ばかりサジェストされマンネリ気味の今日このごろ。ランダムに選ぶことで思わぬ掘り出し物に出会おうというコンセプトのアプリです。
この記事ではアプリの機能について考えたことをまとめています。プロの方からするとツッコミどころ満載かもしれませんが、素人が試行錯誤したログとして残しておきます。
技術的な話については 技術編 にまとめたのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。
考えたこと
機能を絞る
あの機能もつけてこの機能もつけて…となりがちですが、機能を多くすると指数関数的に開発難易度が上がります。
- バグが生まれやすくなる
- 処理やロードが重くなる
- UIや操作が複雑化してユーザーの学習コストが上がる
- バックエンドが無料枠では済まない可能性が出てくる
- 8割の機能は2割の人しか使わない(パレートの法則)
- いつまでも完成せずモチベーションダウン
このアプリでいうと、過去にガチャで出た映画をストックしておく機能、出た映画にコメントを残す機能、フレンド同士で映画を交換しあえる機能なんかも考えられますが、それらは実装しないことにしました。
あくまで一期一会で映画を選ぶためのアプリであり、これらの機能は本質的でないためです。
簡単に使えるようにする
最初はコインをスワイプしてガチャに投入後、ハンドルを回すUIにしようと思っていましたが、作るのが面倒 操作がわかりにくくてユーザーが離脱する可能性を考えボタン1つでガチャが引けるようにしました。
これだけわかりやすければ、サルにスマホを渡してもガチャを回してくれることでしょう。
「ユーザー参加型」にしない
Qiitaを眺めていると「〇〇を投稿できるサービス」をつくっている人が多いのですが、私にとってはユーザー参加型サービスは難易度が高いと考え見送りました。
- 人がいないと人が来ない → 結果誰も来ない
- 見るだけに比べて投稿するのはユーザーにとってハードルが高い
- 規約違反の投稿がないか継続的に確認する手間が発生
「投稿できるサービス」は、実際のところ「他人の投稿を読めるサービス」と言ったほうが適切です。後者の方が前者の100倍は需要があると思われます。
ユーザー投稿機能をつける場合は投稿がなくても成立するようにして、補助的にコメントも残せるくらいに留めておくなどの工夫が必要だと思います。
ログイン不要にする
ユーザー登録してもらうのはハードルが高いと考え、ログイン不要で使えるようにしました。
- ユーザーにとってアカウント作成は面倒
- メールアドレスや電話番号などの個人情報を扱うと、管理責任が生じる
- 認証処理を実装しないといけない → 開発工数UP
仮に掲示板アプリを作るなら、ログイン必須にするのではなく匿名掲示板を作るほうが簡単だし人が集まりやすいと思います。
プレゼンテーションはがんばる
ここで言うプレゼンテーションとは、「機能の表現法」と「見た目」のことです。
ランダムに映画を選ぶという機能は、例えば次の2つの表現ができます。
- 「Random Movie Picker」みたいな感じで映画を選ぶ機能だけを提供する
(イメージとして名前を考えただけで実在のサービスを指しているわけではありません) - ガチャで映画を選ぶという体験を提供する
全く同じことができる場合でも、この2つではユーザーの印象はかなり違うと思います。ソシャゲのガチャだって、身も蓋もない言い方をすれば乱数で抽選して絵を選んでいるだけですが、各社とも演出にはかなりこだわっています。
サイトの見た目も、素人なりに納得がいくレベルには作りました。絵心やデザインセンスは全く無いですが、アキネイターのレイアウトを参考にしつつドット絵風にまとめました。
便利さを売りにしない
ついつい便利なものを作ろうとしがちですが、便利なものを作るのは大変です。
- 便利なものはサービスがダウンしたりバグがあると不便になる → 不安定な個人開発ではユーザーも運営者も不安
- より便利にするため次々に機能が追加されがち
- 開発にマンパワーがいることが多い
便利さを捨て、むしろ不便さを楽しめるようにしました。ガチャを回すためのコインは3枚だけしか持てず、コインは1時間に1枚しか支給されません。あえて不便にすることで子どものころ少ないお小遣いで遊んでいた感覚で遊べるよう工夫しました。
費用・マネタイズ
ドメイン代以外は0円で運用しています。まだ広告審査中なので収益は0です。リリース1本目の習作なので収益は期待していないですが、あわよくばユーザーが増えてきたら広告を貼れたらな〜と思ってます。ブログを書いているのは自作コンテンツがないと審査に通らないかな?と思ってのことです。0円運用なので人が来ても来なくてもサイトは残す予定です。
開発にあたって参考にさせていただいた記事を引用させていただきます。
「個人が好きに運営しているから収益性は考えてません」という態度をとってしまうと、そこからの発展性を望めなくなる。誰かの作ったモノを見て「おーいいモノ作ったねー。イケてるねー」とお世辞を言うのはタダだしなんとでも言える。そこに「*円を払ってでも欲しいか」とお金の指標をもってその人に突きつければ「いいとは思うけどカネ払ってまでは要らんな」とかにもなる。お金はその評価基準をぐっと高めて厳しくしてくれるのだ。自分の作ったモノに対してはそういうテンションで評価して欲しいし、そうでなければサイトがより良くならないと思っている。
オウフ(みぞおちを殴られて漏れた声)
図星である。しかし、これは私がリリースした1本目のアプリ。2本目はちゃんとマネタイズできるようなアイデアを考えており、着手中です。
おわりに
約1ヶ月、毎日家に帰ってからこつこつ作ってきました。食事を忘れるほど熱中してものづくりに励んだのは久しぶりの経験です。好きな技術を選んで好きなペースで作れる個人開発はとても楽しいです。
技術的な話については 技術編 にまとめたのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
興味を持っていただいた方は遊んでみてください。