GISの独習を行うにあたって参考になる書籍を探し続けた結果、次の書籍に辿り着きました。いままさにGISを学び、難しさに悩んでいる方のために紹介します。
『図説わかる測量』 学芸出版社 2014年12月1日発行 ISBN:978-4-7615-2583-5
11章 GIS(地理情報システム)この章は、152頁から164頁まで。執筆は那須充(なす・みつる)先生によるものです。その他の章は無視して、11章だけを読めばよいということではありません。この書籍全体がGISの学習に役立ちます。
目次より、大まかな掲載内容をご紹介します。
1.GISとは
2.GISの構成要素を理解しよう
3.データベースに格納するデータはどのように準備するか
4.GISエンジンとデータベース管理システム
5.GISが装備しているさまざまなデータ処理・加工の機能
6.GISのさまざまな利活用の展開
この書籍の注目した章を読んでわかったこと。これは2つあります。ひとつは、GISであつかう地理空間情報(以下、データ)が、どこから、どのようにしてやってくるのか。もうひとつは、GISでデータを処理・加工するときに出てくるGIS用語がいったい何を意味しているのか。このふたつが明瞭に記されていたことが大きな収穫でした。
そして、測量を知らずに、いきなりGISソフトウェアを使って何かをしてみようとするアプローチには、その行為による落し穴があります。
この穴への落下を回避するために、紹介した『図説わかる測量』にてGISを学習する場合は、2章 地球の形と地図の表し方を知る-第1節 地球の形と基準を知ろう - 3.地球上の位置を求める基準 の項にある座標系の知識を逃さないことが重要です。「地理座標系」と「測地座標系」というなじみのない用語に慣れて、説明に納得がいくようになるまで、複数のGISに関する書籍を開いてみる必要があるかもしれません。前述の『GIS実習オープン教材』に「測地系と座標系」という項があります。こちらも参照ください。
那須充先生については、ウェブで調べていただければ納得される方が多くいらっしゃると思いますが、参考までに著作(翻訳本)をひとつご紹介して本稿を終わります。
『インターネットGIS』B.プリュー 著;岡部篤行,東明佐久良,那須充 訳 古今書院 2001.6