#はじめに
このページは、基盤地図情報ダウンロードサービスの「基本項目」とは何かを明らかにしようとするものだ。これらは国土地理院に属すもので、地理院ホーム > 地図・空中写真 > 基盤地図情報サイトと掘り下がったところにページがある。
基盤地図情報の利用は、利用者登録制となっており、コンテンツの利用については、「地理院コンテンツ利用規約」を参照いただきたい。2018年12月18日現在の国土地理院コンテンツ利用規約を見ると、出典の記載、第三者の権利を侵害しないようにといった具体的な指示がある。
#基本項目とは何か
この基盤地図情報における基本項目とは何なのか、【ファイル選択へ】という各都道府県の市区町村等を選ぶ画面へ遷移するボタンの下に、データの説明のリンクがあって、このページで解決するかと思いきや、そうではなかった。
##基本項目の種類と概要
このように名づけられた部分に、提供時期(2014/7/31以降(平成26年))種類(基盤地図情報 基本項目) 整備項目とあって、
###整備項目
- 測量の基準点
- 海岸線
- 行政区画の境界線及び代表点
- 道路縁
- 軌道の中心線
- 標高点
- 水涯線
- 建築物の外周線
- 市町村の町若しくは字の境界線及び代表点
- 街区の境界線及び代表点
このような整備項目の地図情報が、JPGIS(GML)形式で得られる。ここまで分かれば充分だと思いたいが、そうはいかない。
そのほかに、ファイル単位(2次メッシュ) 整備範囲(全国) 精度(縮尺1/2,500相当(都市計画区域)、縮尺1/25,000相当(都市計画区域外))と書かれている。また、「符号化規則、ファイル仕様書、表示ソフトウェア等」「基本項目データ利用上の注意事項(PDFファイル)」がある。
「仕様書」が目につくので、参照してみるが課題は解決しない。
##過去のフリーソフト「基盤地図ビューア(2013/08/14)」の説明にあった情報
ここで、このページの筆者が明らかにしたい課題を具体化する。
- 基本項目の選択ページで、2次メッシュを指定してダウンロードした基本項目の基盤地図情報(GML形式)を、QGISにベクタレイヤとして追加することはできた。このレイヤの表示に時間がかかってしょうがない。
- レイヤパネルに表示されるレイヤ名、すなわち、ベクタレイヤとして追加したGML(XMLファイル)のファイル名の意味が分からない。
- ファイル名の意味が分からないので、必要なレイヤのみQGISへ追加することができない。
- ファイル名(レイヤ名)を明らかにする必要がある。
このような課題が、整備項目と仕様書群では解決せず、自力で明らかにしようと取り組む過程で、次のサイトを見つけた。このサイト「基盤地図ビューア (2013/08/14)」で紹介しているフリーウエアは「平成26年7月31日から公開されている新形式のデータには対応していません。」と注記がある。
このサイトの何気ない記述が大変役に立った。
ここから引用「
サポートデータ
「基盤地図情報」の内、以下のものが対象です。
JPGIS 2.0 (GML) 形式で縮尺レベル2500のもの(縮尺レベル25000は対象外)
以下のデータタイプ
###データタイプ
- 行政区画界線(AdmBdry)
- 行政区画代表点(AdmPt) -- 名称を表示
- 町字界線(CommBdry)
- 町字の代表点(CommPt) -- 名称を表示
- 街区線(SBBdry)
- 街区代表点(SBAPt) -- 番号を表示
- 海岸線(Cstline)
- 水域(WA) -- 塗りつぶします。
- 水涯線(WL)
- 水部構造物線(WStrL)
- 水部構造物面(WStrA) -- 網掛、斜線などで描画します。名称が記載されていれば表示。
- 建築物(BldA) -- 塗りつぶします。名称が記載されていれば表示。
- 道路縁(RdEdg)
- 道路構成線(RdCompt)
- 道路域(RdArea) -- 塗りつぶします。名称が記載されていれば表示。
- 鉄道の中心線(RailCL)
- 標高点(ElevPt)
」ここまで引用。
#基本項目のあらまし
基本地図情報の基本項目のファイル名については、現在の国土地理院の「基盤地図情報ダウンロードサービス」の各ページを見てみても、充分な説明が得られない。もしかしたら、一般的な利用者(たとえば、地理空間情報や電子地図を毎日利用する人)には当たり前すぎることなのかもしれない。
そうではない利用者のために、次のようなまとめをして本ページを終わる。これが明らかになることで、やっと基盤地図情報の基本項目をダウンロードして、GISにてまともに表示することができると思うのだが、どうだろうか。
##基本項目の整備項目とダウンロードしたGMLファイル名の対応
- 測量の基準点
- GCP Point
- 海岸線
- Cstline LineStrings
- 行政区画の境界線及び代表点
- AdmArea Polygon
- (ほかに)AdmBdry LineStrings
- (ほかに)行政区画代表点:AdmPt Point
- 道路縁
- RdEdg LineStrings
- (ほかに)道路構成線:RdCompt LineStrings
- 軌道の中心線
- RailCL LineStrings
- 標高点
- ElevPt Point
- 水涯線
- WL LineStrings
- (ほかに)水域:WA Polygon
- 建築物の外周線
- BldA Polygon
- (ほかに)BldL LineStrings
- 市町村の町若しくは字の境界線及び代表点
- CommBdry LineStrings
- (ほかに)町字の代表点:CommPt Point
- 街区の境界線及び代表点
- 街区線:SBBdry(ファイル現物未確認)
- 街区代表点:SBAPt(ファイル現物未確認)
- 水部構造物面
- WStrA Polygon
- 水部構造物線
- WStrL LineStrings
- (ほかに)等高線
- Cntr LineStrings
##ほぼ表示する意味のない基本項目(整備項目)
表示する意味があるか、ないかは、求めている地図の縮尺によって異なってくるだろう。少なくとも、2万5千分の1で地図を表示する場合、表示する意味のない整備項目はたくさんあった。また、Googleマップを見慣れているため、公園等の緑地のデータが無いことに違和感がある。
この基本項目のGMLをダウンロードして利用する場合の縮尺を考えると、2次メッシュ5つ以上のデータをいっぺんにGISへ追加することは、あまり意味がないと考えている。なぜならば、画面に表示しきれないし、処理が重すぎて表示にストレスを感じるからだ。
##基本項目のある整備項目だけを集めて日本地図へ表示する
どれぐらい大量の基本項目の基盤地図情報をダウンロードするかは、利用者が作りたい地図のテーマが何であるかによる。このテーマ(主題)によっては、広い地域の基盤地図情報(基本項目)をダウンロードして、GMLのファイル名でフィルタし、必要なファイルを集めてからベクタレイヤとして、まとめてGISへ追加することがあるかもしれない。(まだ、やっていないので有効性は不明)
#おわりに
このページに「基本項目」のあらましというタイトルを付けたが、これらの基盤地図情報が、はたして背景図として役に立つのか、主題図の主題を構成するあるレイヤになるものなのか、まだ手探りの段階で分かっていない。
このような手探りの利用をひとりで進めるために、ダウンロードしたXMLファイルのファイル名が意味することが何なのか知ることは重要だったと考えている。