概要
Proxmox VEでは、仮想マシンを作成するとデフォルトではホストと同じネットワークにブリッジ接続されます。VMware ESXiのようにNATモードのネットワークに接続するための手順を以下に説明します。
手順
1. NAT用の仮想ネットワークを作成
まず、NAT用の仮想ネットワークを作成します。これは通常、内部ネットワーク(ブリッジ)とiptablesを使用して行います。
-
/etc/network/interfaces
ファイルを編集します。
nano /etc/network/interfaces
- 次に、新しいブリッジを追加します。例えば、
vmbr1
を内部ネットワーク用のブリッジとして追加します。
auto lo
iface lo inet loopback
iface eno1 inet manual
auto vmbr0
iface vmbr0 inet static
address 192.168.11.45/24
gateway 192.168.11.1
bridge-ports eno1
bridge-stp off
bridge-fd 0
auto vmbr1
iface vmbr1 inet static
address 10.10.10.1/24
bridge_ports none
bridge_stp off
bridge_fd 0
iface enp4s0f0 inet manual
iface enp4s0f1 inet manual
source /etc/network/interfaces.d/*
2. ネットワーク設定の再読み込み
ネットワーク設定を再読み込みして、vmbr1
が正しく適用されているか確認します。
systemctl restart networking
3. NATとIPマスカレードの設定
ホストマシンでNATを設定し、内部ネットワークの仮想マシンが外部ネットワークにアクセスできるようにします。
-
iptables
を使用してNATを設定します。
# IPフォワーディングを有効にする
echo 1 > /proc/sys/net/ipv4/ip_forward
# IPフォワーディングの設定を永続化するために以下を編集
nano /etc/sysctl.conf
# 以下の行のコメントを外す
net.ipv4.ip_forward=1
# iptablesルールを追加
iptables -t nat -A POSTROUTING -s 10.10.10.0/24 -o vmbr0 -j MASQUERADE
# ルールを保存
apt install iptables-persistent
netfilter-persistent save
netfilter-persistent reload
4. Proxmoxでの仮想マシンのネットワーク設定
次に、仮想マシンをこの内部ネットワークに接続します。
- Proxmox VEのWebインターフェースにログインします。
- 対象の仮想マシンを選択し、「Hardware」タブをクリックします。
- 「Add」ボタンをクリックし、「Network Device」を選択します。4. 「Bridge」に
vmbr1
を選択し、「OK」をクリックします。
もしくは、既存のネットデバイスを以下の通り編集してください。
うまくいかない場合は、以下のような操作も確認してください。
4.1. プロキシ再起動
Proxmoxのネットワーク設定は、プロキシ再起動が必要な場合があります。Proxmoxの管理サービスを再起動してみます。
systemctl restart pveproxy
systemctl restart pvedaemon
4.2. vmbr1
の存在確認
ip a
コマンドを実行して、vmbr1
が正しく作成されているか確認します。
ip a
出力にvmbr1
が表示されていることを確認してください。
4.3. ProxmoxのWeb UIの確認
ブラウザのキャッシュをクリアするか、ブラウザをリフレッシュしてProxmoxのWeb UIに再度アクセスし、vmbr1
がリストに表示されるか確認します。
5. 仮想マシンのネットワーク設定
仮想マシンを起動して、適切なIPアドレスを設定します。例えば、Windows 10の場合、次のように設定を行います。
6. 接続確認
まとめ
これで、Proxmox VEでVMwareのNATモードのようなネットワークを設定し、仮想マシンをそのネットワークに接続する方法が完了です。この設定により、内部ネットワークに接続された仮想マシンがホストのインターネット接続を通じて外部ネットワークにアクセスできるようになります。