ロックオンのカメラワーク
ゼルダBotWのZ注目ビューの見やすさが極まりまくってる。
※ゼルダBotW = ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
過去作と比べてもかなり改良されていて、見やすさに磨きがかかっている。
ひとまず、「ロックオン」が前提とする条件を書き出し。
- 自プレイヤー、注目対象が常に(あるいはほとんど)画面に収まる
- 注目対象は大抵が敵キャラで、お互いに働きかけるアクションがある
- ほとんどの場合、アクション=攻撃
- 注目対象からの働きかけに対して、何らかのリアクションすることが目的
- リアクション=回避だったり、カウンターだったりする
- 注目対象の動きや、距離が把握しやすい状態を維持することが重要
要するに「敵をロックオンしてバトルする」ゲーム仕様を前提に、カメラワークを研究。
ゼルダBotWのカメラワーク仕様
※画面から読み取れる情報からリバースエンジニアリング(笑)をしただけなので完全では無いです
参考動画
【Youtube】リザルフォス戦
https://www.youtube.com/watch?v=pXzL56UdOnE
【Youtube】ライネル戦
https://youtu.be/I2wnIQ6ohjE?t=5m22s (5:22~)
基本ルール
- 注目対象が画面の左側に映っている時、自プレイヤーは右側に映る
- 自プレイヤー位置のセンターラインからのオフセットは控えめ
- 一度画面上の左右の位置関係が決まったら、ロックオンを解くまで入れ替わらない
- 距離が近いときや横から、遠いときは上から覗き込むようなビューになる
注目対象が画面の左側に映っている時、自プレイヤーは右側に映る
基本というか、よくある仕様。左右逆パターンも然り。
画面のほぼ対角線上に自分と敵が配置されるので、自分の画面上の位置から敵の位置が推測できるようになっている …ような気がする。(無意識レベルでわかりやすさのサポート)
自プレイヤー位置のセンターラインからのオフセットは控えめ
注目対象が画面内左右に動ける範囲に対して、自プレイヤーの表示範囲(可動域)は狭い。
自分が画面上で激しく左右に動かすと、自分を見失いやすくなるため、その対策として入っているのではと推測
左右の位置関係を決めたら、ロックオンを解くまで入れ替わらない
これは前作まではなかったルール。↑みたいなパターンが無い
このパターンがあると、「どっちが自分だっけ?」という感じで自分を見失う問題への対策なんじゃないかと予想
【Youtube】ゼル伝 BotW リザルフォス戦
https://youtu.be/pXzL56UdOnE?t=1m57s (1:57~)
これがわかりやすい。自分が左に移動しても、自分が画面の中央から左へは行かないようになっている
【Youtube】ゼル伝 時オカ スタルフォス戦
https://youtu.be/6RlM1PgOSgU?t=21m49s (21:49~)
こっちは逆に画面上の位置が入れ替わっちゃう。カメラのY回転量を抑えられるというメリットはあるけど、混乱招きやすい
距離が近いときは横から、遠いときは上から覗き込むビューになる
もうちょっとエンジニアっぽくいうと、距離が近いときはカメラのX角度が小さくなり、Y角度の絶対値が大きくなる。
これも前作まではなかったルール。距離が遠いときは上から覗き込むようなビューになることで自プレイヤーと注目対象の間の地面が見え、距離感がわかりやすくなっている。
近距離では臨場感を重視で、横からのぞき込むような感じに。
【Youtube】リザルフォス戦(BotW)
https://youtu.be/pXzL56UdOnE?t=48s (0:48~)
このシーンの遠距離からの急接近で、その変化がわかりやすい
他ゲームのロックオンビューとの比較
※前置き。書き方的にコキ下すような雰囲気になってますが、ゲーム性的に問題にならなかったり、演出コンセプト的に敢えてやってる部分もあると思います。
ゼルダの伝説 スカイウォードソード
https://youtu.be/AXEAX6FZyac?t=2m13s (2:13~)
敵と自分の画面上の位置が被りすぎてて、距離感がつかめないことがある
キングダムハーツ2
https://youtu.be/zATArqglK3g
遠いときも近いときもカメラのX角度に変化がなく、距離感が分かりづらい。
また、近距離時に横から覗き込むような変化を担保していないため、キャラが重なって見えることが多い。
進撃の巨人
https://youtu.be/7arU4stO9TA?t=7m29s (7:29~)
注目対象が画面から見切れるケースが多い。また、対象に急接近する時に臨場感を優先してる関係上か、距離感が分かりづらい。
貫通するような動きはどう見せるのがベストか、という課題に対していろいろ学ぶべき点、反面教師にすべき点が多そう。別途考察。
ガンダム EXVS.MB
https://youtu.be/4PGxxgJmYMI
敵と自分の画面上の位置が被って見えなくなるケースが多い
また、注目対象と自分の、画面上の左右位置関係が激しく入れ替わることが多く、見失いやすい
画面内に収める強制力が強く(遊びがない)、カメラがグイグイ動きすぎて目が疲れる
ゆくゆく、Unityでスクリプトに落とし込んで、以前書いた「スマホゲームでゼルダっぽい3Dカメラ挙動の研究」の続編で紹介しようと思います。