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Alpine.jsでそれっぽくコードとマークアップを分離する

Last updated at Posted at 2022-12-03

TL;DR

addEventListenerのapline:initで色々するとJSとマークアップを分離できそう。

Alpine.jsってなんぞ

私とAlpine.jsの出会いは Laravel Livewireでした。
Laravelフレームワーク上でSPAライクな実装ができるようになるフレームワークなのですが、低レベルなところで色々やっている部分の基底技術がこのAlpine.jsです。

特徴としては以下のような感じです。

  • 15の属性、6のプロパティ、 2のメソッドから構成(※正確には18の属性、9のプロパティ、3のメソッド)。すごくシンプル
  • 紐づけするためのオブジェクトもフィールドまたはgetterプロパティでシンプル

兎にも角にもシンプルさが目立つイメージです。けれどもデータバインド周りの機能は十分なので、jQueryの代替として利用することもできそうです。

そのサンプル、インラインじゃね?

Alpine.jsの簡単なサンプルを見ると、以下のようなものが多いです。

<div x-data="{ count: 0 }">
    <button x-on:click="count++">Increment</button>
 
    <span x-text="count"></span>
</div>

上記のサンプルはAlpine.js start-here; building a counterのコードですが……

Alpine.jsってインラインじゃないと使えない……?

サンプルコードではx-data属性で使用するオブジェクト定義をしていて、x-on属性にはcountフィールドのインクリメント、x-text属性でinnerHTMLに対するバインディングをしています。

x-text属性は分かる。表示するのに紐付けないと何にもできないから。

しかし。

x-dataのオブジェクト指定、x-on属性のロジックはなんとかできない? 分離したくない?

複雑なデータを扱おうとすると、x-data属性に対して1行でいろんなことを書かないといけないため、シッチャカメッチャカになる未来が見えます。

<!-- こんな未来が見える -->
<div x-data="{fieldA: '', fieldB: '', fieldC: '', fieldD: '', fieldE: '', doSomething() { console.log('なにかする');}, }" >

マークアップとAlpine.jsの世界を分ける

バージョンなど

ライブラリ バージョン
Alpine.js 3.10.5
Pure.css 3.0.0

Pure.cssはおまけです。サンプルのUIにグリッドを導入したかったので。

実装サンプル in Codepen

See the Pen Alpinejs code behind by FilunK (@filunK) on CodePen.

上記サンプルは以下のことをしています。

  • windowサイズを追跡、表示
  • チェックボックスのチェック状態をバインド、チェックボックスやらボタンやらでいじくれるように

詳説

HTML、JSのソースを説明していきます。

HTML

<div x-data="alpineCodebehind">
  <div class="pure-g">
    <div class="pure-u-1">
      <label>
        <input type="checkbox" x-model="checked"/>
        チェックボックス
      </label>
      <button class="mx" x-on:click="toggle">チェックをイジる</button>
      <span x-text="checked"></span>
    </div>
    <div class="pure-u-1">
      <label>
        WIDTH:&nbsp;<span x-text="width"></span>
      </label>
    </div>
    <div class="pure-u-1">
      <label>
        HEIGHT:&nbsp;<span x-text="height"></span>
      </label>
    </div>
  </div>
</div>

インラインでよく見るサンプルとの違いは以下のポイントです。

  • x-dataで指定するのはJSのオブジェクトではなく、データの名前
  • x-on系統の属性にはロジックではなくメソッド名を指定

JS

// ES モジュール方式でのロード
import Alpine from "https://cdn.skypack.dev/alpinejs@3.10.5";

// Alpinejs INITイベントで初期化
document.addEventListener('alpine:init', () => {
  
  // Alpinejsの外部からAlpinejsの世界にバインドする変数を定義
  const windowSize = Alpine.reactive({
    width: window.innerWidth,
    height: window.innerHeight,
  });
  
  // Alpinejsの外部世界: window.resizeイベント
  window.addEventListener('resize', (e) => {
    windowSize.width = window.innerWidth;
    windowSize.height = window.innerHeight;
  });
  
  // 画面のデータバインディング
  Alpine.data('alpineCodebehind', () => ({
    
    // チェック?
    checked: false,

    // computed: 幅
    get width () {
      return windowSize.width;
    },

    // computed: 高さ
    get height () {
      return windowSize.height;
    },

    // 振る舞い: トグル
    toggle () {
      this.checked = ! this.checked;
    },
  }));
});

// Alpinejsの開始
Alpine.start();

インラインでよく見るサンプルとの違いは以下のポイントです。

  • CDN直読み込みではない。
  • Alpine.start()の前にalpine:initイベントに対するイベントリスナーを実装
    • イベントリスナー内でAlpine.data()メソッドにてデータ名とマークアップの後ろに控えるフィールド・メソッドを実装

Alpine.data()メソッドの第1引数が、メソッドの表すデータの名前になります。これがマークアップ側でのx-data属性に指定する値です。

要は明示的にAlpine.start()メソッドが実行する前に予めイベントリスナーを実装することが必要なわけです。
CDN直読み込みだと、その時点で初期化のイベントが終了してしまうので、x-data属性にデータ名を指定できなくなってしまうんですね。知らんけど。

コレはおそらく、CodepenにおけるHTMLやJSのロードに関係する問題と思われます。
私自身が試しているわけではありませんが、CDN直読み込みでもalpine:initでいい感じに実装しているコードもネット上では見受けられるので。

今回、サンプルではESモジュール方式でAlpine.jsをインポートしています。このあたりは色々と選択肢があると思います。viteなりwebpackなりでバンドルする、なんてこともありでしょう。

分離した際の思わぬメリット

このコードだとHTMLとJSを分離することに成功しているわけですが、別のメリットもあります。

Alpine.jsの外の世界のイベントをAlpine.jsの世界にバインドできる 点です。

サンプルのコードでは、以下のステップでAlpine.jsの外からAlpine.jsの中の世界に情報を持ち込んでいます。

  1. Alpine.reactive()メソッドでバインド用のデータ※以下『REACTIVE』を用意
  2. 他のイベントリスナーの中で REACTIVE を弄る
  3. Alpine.data()メソッドの世界の中で REACTIVE を使用する

該当のコードをサンプルから抜き出すと以下のコードになります。

// Alpinejsの外部からAlpinejsの世界にバインドする変数を定義
const windowSize = Alpine.reactive({
    width: window.innerWidth,
    height: window.innerHeight,
});

// Alpinejsの外部世界: window.resizeイベント
window.addEventListener('resize', (e) => {
    windowSize.width = window.innerWidth;
    windowSize.height = window.innerHeight;
});

// 画面のデータバインディング
Alpine.data('alpineCodebehind', () => ({
    // computed: 幅
    get width () {
      return windowSize.width;
    },

    // computed: 高さ
    get height () {
      return windowSize.height;
    },
}));

サンプルではwindowサイズの変更をリアルタイムに表示するため、window.resizeイベントで幅と高さを取得して、算出プロパティとして実装しています。

最後に

Javascriptの世界はいろんな技術が生まれては廃れてを繰り返していて、技術を追っかけるのが大変な一方で楽しい領域でもあります。しかも思いもしないところから

実はな、これ、JSのライブラリを利用してるんだよ

みたいなところがあって(特にWebアプリ・システムを構築しようとすると)、新鮮な刺激になります。

Alpine.jsLaravel Livewireきっかけで知ったものですが、コレ単体でも色々とできそうな可能性を感じました。

IEが一応亡き者となった今、こういった新しい技術を取り込んでゆくにはよい機会でしょう。

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