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Fedora CoreOSをベアメタルにインストールする

Last updated at Posted at 2020-02-11

それはある休日のこと

FilunKはミニサーバを1台持っています。しばらく Hyper-V Server 2019 を使っていましたが久しく動かしていなかったため、

せっかくならコンテナ向けのOSに乗り換えよう

と思いついたため、FilunKは南米ジャングルの奥地に潜入したのです……
そして見つけたのが、Fedora CoreOS(FCOS)でした。

Fedora CoreOSとは

Container Linux というコンテナホスト向けOSを開発していたCore OSをRed Hat社が買収。
これをProject Atomicで開発していたFedora Atomic Host Centos Atomic Host と統合し、Fedora CoreOS として提供されています。

導入OSバージョン

Fedora CoreOS
今回導入したのは stable 31.20200118.3.0 です。

導入にあたって必要なもの

必要なもの 利用目的
ISOファイル liveメディアによる起動・インストール
Rawファイル インストール媒体
Rawのsignatureファイル インストール媒体のチェック
FCOS設定ファイル インストール時の設定を記述
Fedora CoreOS Config Transpiler(fcct) FCOS設定ファイルをIgnitionファイルに変換する
別の端末 HTTPサーバを稼働させる

ISOファイル・Rawファイルはダウンロード画面にあるため、すぐ見つけることができると思います。
ただし、Rawファイルのsignatureファイルは、Rawファイルのダウンロードリンク下にある、 Verify signature & SHA256Download the checksum file and signature のsignatureのリンクを押すことでダウンロードできます。

fcctはダウンロードページにはなく、Githubのリンクからダウンロードします。
coreos/fcct
利用している端末に合わせて実行ファイルをダウンロードして、名称をfcctに変更しておくことをおすすめします。

ignitionファイルはこの後のインストール手順で説明します。

この通り、よくあるLinux OSではISOだけで十分だけれども、Fedora CoreOS導入にはこれだけの準備が必要です。

下ごしらえ

ではインストールしていきましょう。
とはいえ、導入にこれだけの部品が必要です。それぞれをいい感じにしていかなければなりません。

1.ISOをブータブルにする。

Linux OSでもおなじみ、ISOをブータブルにする作業です。ISOをCDやDVDに焼くのもいいですが、FilunKはいつもUSBを使用しています。
USBでブータブルメディアを作成するツールはいくつもありますが、いつもbalenaEtcherを使用しています。

2.Ignitionファイルを作成する

Ignitionファイルはこれから導入するFCOSの設定を記述するファイルです。ただし、IgnitionファイルそのものはJSONで人の手で作るのは大変であるため、まずはYAMLファイルで作成し、fcctでトランスパイルしてJSONファイルを作成します。

今回のFCOS設定ファイルは以下の内容です。

variant: fcos
version: 1.0.0
passwd:
  users:
    - name: core
      ssh_authorized_keys:
        - ssh-rsa <<ssh-key>>
storage: 
  files: 
    - path: /etc/NetworkManager/system-connections/eth0.nmconnection
      mode: 0600
      overwrite: true
      contents: 
        inline: |+
          [connection]
          type=ethernet
          interface-name=eth0

          [ethernet]
          mac-address=<<mac-address>>

          [ipv4]
          method=manual
          addresses=<<ipv4>>/<<subnet>>
          gateway=<<gateway-ipv4>>
          dns=<<dns-ipv4>>

この中で必須なのはvariantプロパティ、versionプロパティ、passwdプロパティです。
では、少しずつ見ていきましょう。

variant: fcos
version: 1.0.0

今回のYAMLがfcosのヴァリアントで、バージョン1.0.0、という意味。これはFCOSのIgnitionファイルを作成する場合は基本的に固定で良いかと思います(もしかしたら今後のverアップでversionプロパティが変更されるかも?)。

passwd:
  users:
    - name: core
      ssh_authorized_keys:
        - ssh-rsa <<ssh-key>>

passwdプロパティは内部にusersプロパティを持ち、usersプロパティはリストを取ります。
nameプロパティは最低でも1つ、coreユーザを指定します。coreユーザはFCOSの中で特殊なユーザで、パスワード無しsudoが可能なユーザです(実質的なrootユーザ)。SSH接続を行うため、ssh_authiorized_keysプロパティに使用する公開鍵を記述します(<<ssh_key>>)。

ちなみにこの設定、SSH接続はできますが、ローカル端末に対して直接ログインすることができないです。なぜなら、パスワードの設定を行っていなからです。password_hashプロパティを設定すれば可能なようですが、平文パスワードをハッシュ化する必要があるため、めんどくさい設定を見送りました。

storage: 
  files: 
    - path: /etc/NetworkManager/system-connections/eth0.nmconnection
      mode: 0600
      overwrite: true
      contents: 
        inline: |+
          [connection]
          type=ethernet
          interface-name=eth0

          [ethernet]
          mac-address=<<mac-address>>

          [ipv4]
          method=manual
          addresses=<<ipv4>>/<<subnet>>
          gateway=<<gateway-ipv4>>
          dns=<<dns-ipv4>>

storageプロパティのfilesプロパティはインストール時に定義するファイルの情報及び内容を記載します。上記の通り、NetworkManagerのIPアドレス設定について上書きしようとしています。必要なコネクションの分だけ追加することが可能なので、ethが複数ある場合でも対応できます。
ただ面倒なのは<<mac-address>>ですかね。これは後々にliveブートしたときに確認するといいかもです。

他にはsystemdの動作ユニットの設定を行ったり、いろいろできるので他のプロパティは公式を参照してください。

そしてこれをfcctで処理を行い、Ignitionファイルにします。
ちなみにダウンロードしたfcctツールは、実行権限さえ付けば動作する実行ファイルです。

# --input: 入力ファイルを指定
# --output: 出力ファイルを指定
# --pretty: インデント・改行をつけて出力
./fcct --input fcos.yml --pretty --output fcos.json

3. HTTPサーバを立てる

どうしてOSインストールをするのにHTTPサーバを建てないといけないの? という疑問は当然です。だって、FilunKも頭をかしげました。
結論どうしてかというと、

・インストール前にIgnitionファイルをローカルにダウンロードする必要がある
OSの実体データ=RawファイルをHTTPサーバ経由で取得する必要がある

なので、インストールする筐体とは別の端末にHTTPサーバを立てて、以下のファイルを公開する必要があります。

  • Ignitionファイル
  • Rawファイル
  • RawファイルのSignatureファイル

端末にHTTPサーバを立てる方法は「ワンライナーWebサーバを集めてみた」がわかりやすいと思います。

本調理

1.Liveブートする

作成したブータブルメディアを使用して、サーバを起動します。

2.Ignitionファイルを取得する。

wgetコマンドで簡単、とはいきません。なぜならFCOSのLive環境にはwgetコマンドがないから。
そのため、curlコマンドとリダイレクトを使用してIgnitionファイルを取得します。

curl http://192.168.xxx.xxx:5000/fcos.json | fcos.json

3.インストールコマンドを実行する

後はコマンドを1つ叩けばOKなのですが、ここで注意が必要です。

もし、すでに他のパーティションがディスクにあったら……

おま環かもしれませんが、インストール処理が途中でエラーになってしまいました。
そのため、インストールを行う前に、ディスクのワイプを行いました。
今回はSATA接続のHDDが乗っているので、以下のコマンドでワイプしました。

# -v:進捗を表示
# -n [count]:乱数の書き込み回数。デフォルトは3回
shred -v -n 1 /dev/sda

いざ実行

コマンドは以下の形で実行しました。
もしかしたらショートパラメータで指定すると、エラーになるかもです。少なくともFilunKはエラーになりました。

# install: サブコマンド
# /dev/sda:インストール先デバイス
# --ignition [path]:Ignitionファイルのファイルパス
# --image-uri [uri]:OS実体データのリソースパス
sudo coreos-installer install /dev/sda\
--ignition fcos.json \
--image-uri http://192.168.xxx.xxx:5000/fedora-coreos-31.20200118.3.0-metal.x86_64.raw.xz

コンソールにERRORのログが出てこなければ正常終了です。よくあるLinuxのインストールのように、『再起動してください』なんてメッセージはなく、ただ処理がリターンされるbashでよく見る動きなので拍子抜けかもしれません。

こうなればブートメディアを抜いて再起動です。

sudo systemctl reboot

で、うまく行くと思うでしょ?

ところがどっこい、初回ブートの際にNetworkManagerの設定が正しく反映されないという既知の問題があるわけで、初回は全く見当違いのIPアドレスが割り振られます(ネットワーク内にDHCPがある場合)。そのため、

  • SSH接続をして(DHCPから割り振られたIPアドレスは少し待つとコンソールに表示されます)から再起動し直す。
  • 強制電源断で再起動

する必要があります。

そうして稼働したFedora CoreOS

とりあえずなんとか起動して、SSH接続もできる状態になりました。あとはこの上でコンテナを立てていくだけですね。
まあ、コンテナを立てるのも勉強しながらなのですが

参考

さくらのナレッジ - Container Linuxの後継となる新たなコンテナ向けOS「Fedora CoreOS」
仮想化通信 - Fedora CoreOSを使う

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