はじめに
Laravelには、データベース操作を簡単にするためのツールとして、クエリビルダとEloquent ORM(モデル)が用意されています。
これらのツールはそれぞれ異なる目的と特性を持ち、適切に使い分けることで効率的なデータベース操作が可能になります。
Laravelのクエリビルダとモデルの違いについて解説します。
クエリビルダとは
クエリビルダは、データベースクエリをSQL文として直接書かずに、メソッドチェーンを使用してクエリ実行することができます。
複雑なクエリもSQL文をそのまま書くより簡潔に記述でき、データベース操作に対して細かい制御も可能です。
use Illuminate\Support\Facades\DB;
// 単純なSELECTクエリ
$users = DB::table('users')->get();
// 条件付きSELECTクエリ
$activeUsers = DB::table('users')->where('active', 1)->get();
// 複雑なJOINクエリ
$usersWithPosts = DB::table('users')
->join('posts', 'users.id', '=', 'posts.user_id')
->select('users.*', 'posts.title')
->get();
Eloquent ORM(モデル)
モデルオブジェクトとデータベーステーブルを対応させることで、データベース操作をオブジェクト指向的に扱えるようにします。
コードが直感的で読みやすくでき、モデル間のリレーションシップ(1対多、多対多など)などを簡単に定義し操作できます。
多くの便利なメソッドが用意されています。
use App\Models\User;
// 全てのユーザーを取得
$users = User::all();
// 条件付きクエリ
$activeUsers = User::where('active', 1)->get();
// リレーションシップを使ったクエリ
$user = User::find(1);
$posts = $user->posts; //
クエリビルダとEloquentの違い
構文と使用感
クエリビルダ:
メソッドチェーンを使ってクエリを構築します。
SQLに近い構文で、細かい制御が可能です。
SQLに精通している開発者には直感的ですが、モデルの概念がないため、オブジェクト指向的な操作には向いていません。
モデル:
オブジェクト指向的にデータベース操作を行います。
リレーションシップやスコープを使った柔軟なクエリが容易に書けます。
リレーションシップ
クエリビルダ:
JOINを使用してテーブル間のリレーションを操作します。
明示的にJOIN条件を記述する必要があります。
モデル:
モデル間のリレーションシップを定義し、簡単にリレーションを操作できます。
$user->postsのような直感的な構文でリレーションを扱えます。
まとめ
Laravelのクエリビルダとモデルは、それぞれ異なる目的と特性を持っています。
クエリビルダは、直接的なSQL操作と柔軟性を提供し、モデルはオブジェクト指向的なデータベース操作とリレーションシップ管理を簡素化します。
プロジェクトの要件に応じて、これらのツールを適切に使い分けることで、効率的かつ効果的なデータベース操作を実現できます。