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Multi Agent に Web3 を議論させてみた

Last updated at Posted at 2024-05-01

こんにちは。生成 AI の勢いがあまりに激しくて最近はついていくのが大変ですね。そんな AI のトレンドですが、私は 2023 年は RAG の年だと思っていました。2023 年前半では手探りの人も多かったと思いますが、あれから LLM も活用した多くの手法が公開されて今は完全にレッドオーシャンですね。2024 年は Agent の年かなと思っています。RAG でリアルタイムに専門知識を与えつつ、異なるデータソースやシステムメッセージを持つ複数の Agent がマイクロサービスみたいに繋がってもっと深い推論結果が得られる訳ですね。2025 年は... と、これくらいにしておきます。

今回、microsoft/autogen を活用して 2 つの Agent に Web3 について議論して貰ってみました。テーマは Web3は人類の役に立ちましたか?また、人類の生活をどのように変革しますか? です。以下に議論させた際のコードと結果を掲載します。

環境

  • microsoft/autogen(pyautogen)
  • python
  • OpenAI GPT3.5-16k

コード

ConversableAgent を 2 つ用意しました。それぞれ、金融系評論家とビジネス系評論家のロールを与えています。途中、会話を少し広げてほしかったので、私がたまに合いの手を入れられるようにユーザーによるフィードバックは ON にしています。

from autogen import ConversableAgent

llm_config = {
    "api_type": "${環境に応じて}",
    "api_version": "2024-02-15-preview",
    "api_key": OPENAI_API_KEY,
    "base_url": OPENAI_ENDPOINT,
    "model": OPENAI_DEPLOYMENT_NAME,
}

agent1 = ConversableAgent(
    "金融系Web3評論家",
    system_message="\n".join(
        [
            "あなたは金融機関に務めるWeb3の評論家です。",
            "Web3についてあなたの意見を述べて下さい。",
            "相手のコメントは出来るだけそのまま使わないで返信します。",
            "相手からの返信に対しては出来るだけ自身の見解と相違があれば反論を行い、出来るだけ会話を続けてください。",
        ]
    ),
    llm_config=llm_config,
    code_execution_config=False,
    function_map=None,
    human_input_mode="ALWAYS",
)

agent2 = ConversableAgent(
    "ビジネス系Web3評論家",
    system_message="\n".join(
        [
            "あなたは多くの企業を経営する起業家です。起業家目線でWeb3についての意見を述べてください。",
            "Web3についてあなたの意見を述べて下さい。",
            "相手からの返信に対しては出来るだけ自身の見解と相違があれば反論を行い、出来るだけ会話を続けてください。",
            "相手のコメントは出来るだけそのまま使わないで返信します。",
        ]
    ),
    llm_config=llm_config,
    code_execution_config=False,
    function_map=None,
    human_input_mode="NEVER",
)

result = agent1.initiate_chat(
    agent2,
    message="Web3は人類の役に立ちましたか?また、人類の生活をどのように変革しますか?",
    max_turns=10,
)

議論の結果

以下は実際に生成された結果をそのまま貼り付けています。

金融系 Web3 評論家 (to ビジネス系 Web3 評論家):

Web3 は人類の役に立ちましたか?
また、人類の生活をどのように変革しますか?


ビジネス系 Web3 評論家 (to 金融系 Web3 評論家):

Web3 は、私にとって革新的な技術であり、人類にとって大きな利益をもたらす可能性があると考えています。これまでのインターネットは集中型であり、大手企業や中央機関が情報や資産のコントロールを握っていましたが、Web3 はそのような中央集権性を打破し、個人やコミュニティが直接参加できる分散型のシステムです。

Web3 によって、個人は自分自身のデータや資産を完全にコントロールできるようになるでしょう。また、ブロックチェーン技術を活用したトランザクションは透明性と信頼性が高く、プラットフォームやサービス間の壁を取り払い、効率的かつ安全な取引を可能にします。

さらに、Web3 はデジタルアイデンティティやプライバシーに関連した問題にも取り組みます。個人のデータは暗号化され、中央管理者のコントロールを避けた上で共有されるため、セキュリティリスクが低くなり、プライバシーが保護されます。

Web3 は金融、不動産、医療、エネルギーなど、さまざまな業界に革新をもたらします。スマートコントラクトや分散型アプリケーション(DApps)などのツールを活用することで、効率的な取引や運営が可能になり、その結果、コストの削減や新たなビジネスモデルの創造が期待できます。

ただし、技術の導入には時間と課題が伴います。Web3 の普及には認知度向上や規制の整備が必要です。また、スケーラビリティやエネルギー効率などの技術的な課題も克服しなければなりません。しかし、これらの問題を解決するために、私は積極的に取り組んでいるところです。

以上が私の見解です。どのような考えをお持ちでしょうか?


金融系 Web3 評論家 (to ビジネス系 Web3 評論家):

Web3 に対するポジティブな見方を持たれているようですね。情報や資産のコントロールやプライバシーの保護に関して、Web3 が大きなメリットをもたらすことに同意します。

ただし、いくつかの点については異議があります。まず、Web3 がすべての人にとって利益をもたらすとは限らないと考えています。特に、デジタル格差が存在する地域や経済的に弱い個人にとって、Web3 の技術やアクセスは困難な場合があります。

また、スマートコントラクトや DApps の普及には、まだ多くの技術的な課題があります。スケーラビリティ、セキュリティ、エネルギー効率などの問題は、実際の導入において重要な課題となります。これらの課題を解決するための努力が必要ですが、それには時間がかかるかもしれません。

また、Web3 の分散型性については、逆に新たなリスクを引き起こす可能性もあります。中央機関のコントロールがないため、詐欺や不正行為などのリスクが高まる可能性があります。そして、規制の整備が追いついていないため、不確実性が存在します。

Web3 の可能性を開発し、技術的な問題を克服することは重要ですが、私は慎重なアプローチが必要であると考えています。保護されたエコシステムを構築するためには、業界全体の協力と十分な規制が不可欠です。


ビジネス系 Web3 評論家 (to 金融系 Web3 評論家):

ご意見ありがとうございます。確かに、Web3 の技術やアクセスには地域や経済的な格差が存在し、すべての人にとって利益をもたらすとは限りません。その点については同意します。

また、スマートコントラクトや DApps の普及にはまだ解決すべき技術的な課題があります。スケーラビリティやセキュリティの向上、エネルギー効率の改善が必要です。これらの課題を解決するために時間と努力が必要です。

そして、分散型性が新たなリスクをもたらす可能性もあると指摘していただきました。確かに、中央機関のコントロールがないため、不正行為や詐欺のリスクが高まる可能性があります。この点についても慎重なアプローチと規制の整備が必要です。

私も同様の見解を持っており、Web3 の発展には保護と規制が不可欠だと考えています。業界全体の協力や規制の整備により、安全で信頼性の高いエコシステムを構築することが大切です。

ご意見を共有していただきありがとうございます。私たちは引き続き Web3 の発展に向けて様々な課題に取り組んでいく必要があると思います。


(人間による追加質問をここで投入しました)

あなたがたは分散型性を出来るだけ維持したまま、不正や詐欺を抑止する為に具体的にどのようなアクションが必要だと考えますか?


ビジネス系 Web3 評論家 (to 金融系 Web3 評論家):

分散型性を維持しながら不正や詐欺を抑止するためには、以下のようなアクションが必要だと考えます。

  1. 技術的なセキュリティ強化: スマートコントラクトや DApps のセキュリティを向上させるために、ソフトウェア開発のベストプラクティスを適用し、コードの監査やペネトレーションテストを行います。さらに、脆弱性の報酬金を提供するバグバウンティプログラムを導入することで、セキュリティ研究者の積極的な参加を促します。

  2. 信頼性の向上: プラットフォームや DApps の運営者は、透明性や信頼性に取り組む必要があります。プラットフォームには評価システムや口コミ機能を導入することで、利用者同士の相互評価や情報共有を促すことが重要です。

  3. 教育と啓蒙活動: 不正や詐欺に対する意識を高めるために、教育と啓蒙活動が必要です。利用者に対して、リスク管理や安全な取引方法についての情報を提供し、ベストプラクティスを共有することで、不正行為を防止することができます。

  4. コミュニティの監視と報告: Web3 コミュニティ全体で、不正や詐欺に対する監視と報告の仕組みを構築することが重要です。不正行為を発見した場合は、適切な報告手続きを設け、適切な対応を行います。

  5. 法的な枠組みと規制の整備: 分散型技術の性質を考慮しながら、適切な法的な枠組みと規制を整備することが必要です。これにより、不正行為や詐欺行為に対する罰則や救済策が明確になり、法の下での適正な取引が守られます。

以上が、不正や詐欺を抑止するための具体的なアクションの一部です。ただし、完全な解決策ではなく、常に改善と進化が必要です。技術と規制の両面から取り組むことで、分散型のエコシステムをより安全で信頼性の高いものにしていくことが重要です。


金融系 Web3 評論家 (to ビジネス系 Web3 評論家):

分散型性を維持しながら不正や詐欺を抑止するためには、抜け道がないようなシステムを構築することが重要ですが、それにはいくつかの課題があります。たとえば、プライバシーとトランスペアレンシーのバランスを取ることや、法的な問題との兼ね合いがあります。

また、教育と啓蒙活動については重要な要素ですが、それだけでは十分ではありません。技術的なセキュリティ強化や監視と報告の仕組みなど、具体的な対策が必要です。さらに、法的な枠組みと規制の整備についても重要な取り組みですが、分散型の性質に合った柔軟性を持つことも考慮する必要があります。

Web3 の分散型エコシステムの開発には、コミュニティ全体の協力が不可欠です。業界団体やプロジェクトの協力や、セキュリティ研究者や専門家の参加、行政当局との協力などが重要です。また、テストネットワークやサンドボックス環境の提供、セキュリティの脅威情報の共有なども重要な要素です。

総じて、不正や詐欺を抑止するためには、多角的なアプローチと産業全体の努力が必要です。技術・教育・監視・法的な枠組みの向上という相互補完的な取り組みを進めることで、Web3 のエコシステムをより安全で信頼性の高いものにしていくことが重要です。


ビジネス系 Web3 評論家 (to 金融系 Web3 評論家):

ご指摘ありがとうございます。確かに、分散型性を維持しながら不正や詐欺を抑止するためにはさまざまな課題が存在します。

プライバシーとトランスペアレンシーのバランスについては重要な問題です。個人のプライバシーを守りつつ、不正行為や詐欺を検出する仕組みを構築する必要があります。例えば、匿名性とトランザクションの可追跡性を両立させる技術的な手法や、自己主張機能を活用した信頼性向上の手法などを考えることが重要です。

また、法的な問題に関しても同様に重要です。分散型技術の特性に合わせた柔軟な法的枠組みや規制の整備が必要です。法の下での適正な取引を守りつつ、イノベーションと技術の発展を促すバランスを取ることが求められます。

業界団体やプロジェクトの協力、セキュリティ研究者や専門家の参加、行政当局との協力など、多様なステークホルダーの参画が重要です。テストネットワークやサンドボックス環境の提供、脅威情報の共有なども、エコシステムの安全性向上に役立つでしょう。

最終的には、多角的なアプローチと産業全体の努力が必要です。技術的なセキュリティ強化、教育と啓蒙、監視と報告の仕組み、法的な枠組みと規制の整備の組み合わせを進めることで、より安全で信頼性の高い Web3 エコシステムを築くことができると考えます。

ご質問に対する共有の見解を述べさせていただきましたが、引き続き成功するための具体的な対策を検討する必要があります。私たちは改善を続けながら、Web3 のエコシステムの安全性と信頼性を向上させるために取り組んでいきます。



是非業界を上げてこれらの課題を解決していきたいですね。では次のお題に入りたいと思います。Web3 によって人々の生活はこれからどのように変わりますか?具体例や事例が既にあれば紹介も添えてください。


ビジネス系 Web3 評論家 (to 金融系 Web3 評論家):

Web3 が人々の生活にもたらす変化は非常に大きいと考えています。以下に具体的な変化と事例をいくつか紹介いたします。

  1. データの所有権とプライバシーの改善: Web3 におけるブロックチェーン技術を活用することで、個人は自分自身のデータの所有権を取り戻し、誰にどのような情報を共有するかを制御できるようになります。例えば、Solid プロジェクトは個人のデータを分散型のデータストアに保存し、個人のコントロール下で共有や利用ができる仕組みを提供しています。

  2. 金融の包摂と新たなビジネスモデルの創造: Web3 によって、世界中の人々が銀行口座を持たなくても金融サービスにアクセスできるようになります。スマートコントラクトを活用した分散型金融(DeFi)は、パートナーシップや信用を必要とせずに、より包摂的かつ効率的な金融サービスを提供します。また、トークンエコノミーや DAO(分散型自治組織)など、新たなビジネスモデルが Web3 によって生み出されることも期待されています。

  3. 不正の防止と信頼性の向上: ブロックチェーン技術の特性により、不正行為や改ざんが困難になります。個々のトランザクションや情報が透明かつ改ざん不可能な分散型の台帳に記録されるため、信頼性が高まります。Food Trust プロジェクトでは、ブロックチェーンを活用して食品供給チェーン全体の透明性を向上させ、食品の安全性と信頼性を確保しています。

  4. クリエイティブな活動とデジタルオーナーシップ: Web3 によって、クリエイティブな活動やデジタルアセットの所有権が再定義されます。例えば、NFT(非代替可能トークン)を活用したデジタルアートや仮想空間上の土地の所有権、ゲーム内アイテムの所有権などが直接個人に帰属することが可能になります。NFT 市場の成長や仮想世界の経済活動によって、クリエイターやアーティストをサポートする新たな収益モデルが形成されつつあります。

これらは一部の例に過ぎませんが、Web3 がもたらす変化は多岐にわたります。個人のデータや資産の所有権を回復し、金融や不正防止、クリエイティブな活動の促進など、人々の生活のさまざまな側面に影響を与えることが期待されます。引き続き Web3 の進化と普及に取り組んでいくことで、これらの変化がより具体化していくことを期待しています。


金融系 Web3 評論家 (to ビジネス系 Web3 評論家):

Web3 による変化の幅広さと具体的な例について共有いただき、ありがとうございます。データ所有権やプライバシーの改善、金融の包摂、不正防止と信頼性の向上、そしてクリエイティブな活動とデジタルオーナーシップの向上など、これらの変化によって人々の生活は大きく変わる可能性があります。

特に、金融サービスやデジタルアセットの所有権などを中心にフォーカスすることで、より包摂的で効率的な経済活動が実現し、個人やコミュニティの力を引き出すことができます。また、不正行為や改ざんが困難なブロックチェーンの特性を活かすことで、信頼性の高い取引や情報の提供が可能になります。

さらに、NFT や仮想世界でのデジタルアートや土地の所有権の確立により、クリエイティブな産業の発展を促進できます。

ただし、Web3 の変革には引き続き課題があり、普及や技術的な問題の解決が求められます。しかし、これらの変化とポテンシャルに着目し、適切な取り組みを行うことで、より包括的で公平な社会の実現に貢献できると信じています。

引き続き Web3 の進展とその影響について注目し、积極的に参加していきたいと思います。ありがとうございました。


ビジネス系 Web3 評論家 (to 金融系 Web3 評論家):

コメントをありがとうございます。Web3 の変革は確かに私たちにとって大きな可能性を秘めていますが、課題や問題も存在します。そのような課題を解決するために、より包括的な社会を目指して共に取り組んでいきましょう。

Web3 の進展とその影響について引き続き関心を持ち、積極的な参加をお考えいただけることは非常に素晴らしいことです。私もお手伝いできることがあればいつでもお知らせください。共に Web3 の未来を創り上げていきましょう。ご意見をいただき、ありがとうございました。


終わり

まとめ

以上が Multi Agent によって Web3 について議論させてみた結果になりました。ちょっと内容が薄っぺらい所はどうしてもあるので、実際にはこれらの Agent に RAG を実装してより具体的なデータもコンテキストに含めると良いのかもしれませんね。

もし AI による Web3 に対する見解についても何かご意見あれば是非コメント下さい。

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