G検定とは
一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施している試験です。合格することで、検定合格者のみが参加できるイベントへの参加権を得ることができるため、今後の勉強にも生かすことができます。現在のところ、年に3回の頻度で実施されており、2017年から開始した試験ですが、直近の受験者数は6000人前後で推移しています。直近の試験での受験者は7450名だったようです。
試験時間:120分
試験方式:知識問題(多肢選択式・220問程度)、オンライン実施(自宅受験。試験中のGoogle検索等も可能)
試験範囲:ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定(詳細はシラバス参照)
合格率:受験者のうち合格者割合は60%程度。合格点は公表されていないが、6-7割程度と言われている
同協会では、E検定という試験も実施しています。それぞれ、Generalist・Engineerの頭文字から検定名がとられており、E検定はよりアルゴリズムの詳細や実装に関する知識を問う試験となっています。
G検定は、ディープラーニングに関わるサービスを企画するメンバやプロジェクトマネージャー等に向けた資格といえます。個人的にも、社内や委託先のAIエンジニアと議論できるだけの基礎知識はついたかな、と思います。
2021年7月度の試験から、試験範囲が変わっているため、それ以前の情報だけを鵜吞みにしないよう、注意してください。
効率的な勉強方法
G検定の取得に向けては、下記のステップで勉強することを推奨します。
私自身もこの方式で勉強し、業務でAI未利用ながら30時間程度で資格を取得することができました。
1.AIの概要を掴む
AIや機械学習、ディープラーニングとはそもそも何なのか、背景を知る。2.試験範囲を抑える
G検定の試験範囲となっている分野・用語を抑える。3.試験範囲の基礎的な知識を定着させる
基礎的な知識について素早く解答できるよう、知識を定着させる。4.当日の準備をする
カンペ準備よりも基礎知識の定着+検索能力の向上を!AIの概要を掴む
業務でAIに触れている人には不要なステップですが、まずはAIやディープラーニングがどういったものなのか、概要を掴む必要があります。今時、Youtubeやネット記事も多くありますが、よくまとまっていて、かつ、読み物としても面白いなと思ったのは以下の2冊でした。いずれも東大の先生が書かれており、特に松尾先生はG検定の主催者でもあります。
Google検索可能な試験なので、テキスト内容を丸暗記するよりも、こうした読み物を読んで、知識のインデックスを自分の中に構築したほうが有用です。(後々の業務に活かす意味でも)
試験範囲を抑える
なんとなくディープラーニングの概要がつかめたら、本格的な試験対策に入ります。
基本的には、協会公認のテキストを使うことが想定されます。ただ、このテキストは非常に浅く広い内容となっています。知らない人の頭には入ってこず、知っている人には浅いという”帯に短し、襷に長し”なテキストとなっています。
Webサイト上でシラバスが公開されていますので、これらのキーワードベースで検索して自学できる人はテキストは購入しなくてもかまわないです。
試験範囲の基礎的な知識を定着させる
上述しましたが、本試験は120分で220問前後という大量の問題を解く必要があります。ですので、基礎的な知識については、Google検索に頼ることなくスピーディに解かなければいけません。私が受験した時も、3割程度は、非常に基礎的な知識問題が出題されました。3割ほどは常識から推論するような問題で、残り4割は初見では解答に迷うため検索必要な問題でした。(AI専門の方には簡単なのかもしれませんが)
基礎的な知識を定着させて、検索できる時間を増やすことが合格に向けては重要です。知識の定着は、やはり問題を解いてみるのが一番かと思います。先述のようにテキストが非常に広く浅い記載になっているので、テキストだけを読んでいては、必要な知識の十分量が足りません。一方で、各種問題集はこのあたりを補うものになっています。ただし、問題がそのまま出るわけではないので、問題の各選択肢について、誤答である理由もちゃんとわかるようにしておきましょう。
問題集を2周程度して、正答率を8割程度まで上げておくことで、当日の試験時間における基礎的な問題の確実な取得に努めたいところです。私自身は赤本とStudy-AIを利用しました。
当日の準備をする:カンペの準備は必要か
各種合格体験記を読むとカンペの準備が推奨されています。"試験始める前に事前準備。Ctrl+Fで探索できるように準備を。
"という誘導をしているサイトも多いです。私自身も、いくつか、まとまっているWebサイトを試験とは別ウィンドウで開いておきましたが、実際の試験ではあまりカンペは使いませんでした。(ちなみに、『G検定 チートシート』『G検定 カンペ』などの検索で情報がまとまっているサイトを見つけることが可能です)
Ctrl+Fで該当ページを検索するにしても、複数ページあったらそのページ分、検索を繰り返すことになります。そんなことしている暇があったら、素直にWeb検索をしたほうが早いです。(複数サイトの記述を手元のテキストファイルにコピペしておけば一括検索可能ですが、視認性が落ちます。。。)
そもそも、基礎的なレベルの知識は検索なしで回答していかないと、時間内に試験が解き終わりません。各種サイトのカンペは単語に対してせいぜい2-3文程度の知識をまとめたものになっており、問題に問われている個所が記載されているとは限りません。私自身は試験中にこれに気づき、カンペの利用をやめて、とっととGoogle検索に切り替えました。頼るべきはGoogleとWikipediaです笑
カンペを使う場合には、基礎的な知識で不安な分野をすばやく確認するためのもの、ということを割り切ったほうがいいかと思います。やったはずだけどなんだっけ、というのは本番ではありがちですから、これを防ぐためという意図であれば、カンペは大いに役立ちます。カンペを作っている人たちは、カンペ自体に価値があったというよりも、カンペを作る中で頭の中で試験範囲や基礎的な知識が整理されることに意味があったのではないかと推測します。なので、他人が作ったカンペを準備して満足してはいけません。
あとは、大いに自らのG(oogle)力を活かしてください。検索のコツはGoogle自身が提供してくれています。
まとめ
- G検定は一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施している試験
- エンジニアとの議論が必要なビジネスサイドやプロジェクトマネージャー向けの資格
- 勉強は、ディープラーニングの基礎的な背景の理解⇒基礎的な知識の定着、を目指す。
- カンペは基礎的な知識を見るためのもの。わからない問題はネット検索のほうが早い
- 検索力を高めるためにも、今後の業務に活かすためにも、丸暗記はやめて、頭の中にインデックスづくりを。