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中国でお仕事をする際に用意しておくと良い事

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中国でお仕事をする際に用意しておくと良い事

中国は、知る人ぞ知るインターネット鎖国の国です。

十分な準備をしないまま、中国に到着してからパソコンやスマホ周りを整えようとすると、最悪、現地で詰んでしまう事があります。

また、日本に居る内にネットで検索しながら準備しようとすると、アフィリエイト収入目的で公平性に欠ける情報ばかりが目に飛び込んできて、なかなか目的の情報が得られない事もしばしばです。

そこで、自身の経験に基づいた、中国初心者向けの情報をまとめてみる事にしました。私自身まだまだ中国初心者ではありますが、これから中国で仕事をされる方の何らかのお役に立てれば幸いです。

当然の事ながら、本記事内で紹介しているURLにアフィリエイト収入目的のものは一切ありませんので、その点はどうかご安心ください。


中国でのインターネット規制

ご存知の方も多いと思いますが、中国では金盾(グレート・ファイアウォール)という仕組みにより、様々なサービスへのアクセスが規制されています。

特に多くの人にとって致命的となるのが、Google検索やYahoo検索が使えない事だと思います。12
また、GmailやGoogle MapsなどのGoogleのサービス全般3・Facebook・Twitter・Instagram・LINE 等も使えません。

↓は、ドメインが中国で規制されているものかどうかをチェックできるサービスです。気になるドメインがあったらチェックしてみてください。
http://www.greatfirewallofchina.org/


オススメのVPNサービス

中国におけるインターネット規制を回避する一番簡単な手段が、Virtual Private Network 通称 VPN です。

無駄に数を紹介しても仕方ないと思いますので、色々試してみた上で「ここは良い」と思ったサービスを3つだけご紹介します。

注意点

  • 契約やアプリのインストールは、必ず日本にいる内に済ませておきましょう。4

  • 1つのサービスとだけ契約していて、中国滞在中にそこに対し規制が入ってしまった場合、最悪詰んでしまう可能性がありますので、念のため2つ以上のサービスを併用する事を強くオススメします。

    • Linuxの知識がある方は保険として、自前のVPNサーバー5やProxy6を用意しておくのも良いと思います。
  • 単純なVPNサーバーであれば比較的簡単に構築できる事もあり、VPNサービスを提供している業者には、個人情報の取り扱いすら怪しそうなところもあります。

    • 他のサービスを検討する際は、まずはサービス提供者の情報を十分に調べる事をオススメします。特に、中国国内に運営拠点があるサービスは避けるのが無難です。7
  • スマホでVPNを常用しているとバッテリーをかなり消耗しますので、モバイルバッテリーを常備しておくと安心です。


各項目について

以下は、2017年10月26日時点での情報となります。

  • 料金

    • 一般的なVPNの料金設定に対する相対的な評価です。
  • 無料試用期間

  • 専用アプリの有無とその使いやすさ

    • 専用アプリがあると面倒な設定作業が不要になります。
    • 接続が不安定な時のサーバー切り替えや切断時の自動再接続等も簡単にできて便利です。
  • 同時利用可能数

    • 記載がない場合は、3台までの同時利用が可能です。
  • 接続速度と安定性

    • 記載がない場合は、概ね安定しているという評価です。
    • 中国は非常に広い国ですので、全ての地域からの絶対的な評価ではない点はご了承ください。
  • 接続先サーバーの数

    • 中国からの利用の場合、日本・香港・マカオ・台湾・韓国のサーバーを選ぶ場合が多いです。
    • 特に問題ない場合は、この項目は割愛しています。
  • 独自プロトコルやDNSのサポート

    • 中国では様々な角度からVPNを規制しようとしています8ので、それらへの対策状況も重要です。
  • サポート対応

    • 特にトラブルから復旧までのスピードは重要なポイントです。
  • 日本語への対応状況

    • 中学校レベルの英語力で十分ですが、念のため…。

ExpressVPN

https://www.expressvpn.com/jp/

  • 料金:

    • 1ヶ月契約:$12.95/月
    • 6ヶ月契約:$9.99/月
    • 12ヶ月契約:$8.32/月
      • 高めの料金設定です
  • 無料試用期間:

    • 30日までの全額返金保証があります。
  • 専用アプリの有無とその使いやすさ:

    • 主要OSとスマートフォンの他、Google ChromeやFirefoxのアドオンまで非常に幅広く対応しています。
    • どのデバイスでもUIが統一されており、私が知る限りでは最も使い勝手が良いです。
  • 独自プロトコルやDNSのサポート:

    • 中国への対応にも力を入れており充実しています。
  • サポート対応:

    • 充実しています。
    • 英語が苦手な利用者も意識しているのか、メールの内容が簡易で堅苦しくない点も好印象です。
  • 日本語への対応状況:

    • サービスの紹介ページは日本語にも対応していますが、それ以外は全て英語になります。
    • アプリやコントロールパネルのUIが洗練されているため、英語が苦手な方でも問題ないと思います。

契約の翌日あたりに本契約確認のためのメールが来ますが、英語が苦手な方でもGoogle翻訳等を利用すれば十分対応できると思います。


VyprVPN

https://www.goldenfrog.biz/vyprvpn

  • 料金:

    • 通常プラン
      • 1ヶ月契約:$9.95/月
      • 12ヶ月契約:$5.00/月
    • プレミアムプラン
      • 1ヶ月契約:$12.95/月
      • 12ヶ月契約:$6.67/月
        • 高めの料金設定です
  • 無料試用期間:

    • 3日間とかなり短めです。
  • 専用アプリの有無とその使いやすさ:

    • 主要OSとスマートフォンを網羅しており、日本語表示に対応しています。
    • 使い勝手はまずまずです。
  • 同時利用可能数:

    • プレミアムプランでは5台までの同時利用が可能です。
  • 独自プロトコルやDNSのサポート:

    • プレミアムプランでのみサポートされます。中国への対応に非常に力を入れているようです。
  • サポート対応:

    • トラブル時の復旧は速いですが特に案内がない場合が多いです。
  • 日本語への対応状況:

    • アプリは日本語化されていますが、それ以外は全て英語になります。
    • 難しい表現は皆無なので、英語が苦手な方でも問題ないと思います。

中国からの利用の際は、プレミアムプランの方をオススメします。


セカイVPN

https://www.interlink.or.jp/service/sekaivpn/

  • 料金:

    • 1,080円/月
      • 平均~やや高めの料金設定です
  • 無料試用期間:

    • 60日間もありますので、短期出張程度であれば無料で済ませてしまう事も可能です。
  • 専用アプリの有無とその使いやすさ:

    • Windows版とMacintosh版のみ。サポートページも含めUIが野暮ったくセンスの無さを感じます。
    • スマートフォン向けのアプリはないので、手動での設定が必要となります。
  • 接続速度と安定性:

    • 他に比べ地域による相性の差が大きいですが、繋がりさえすれば速度はかなり出ます。
    • 無料期間を活用して検証すると良いと思います。
  • 接続先サーバーの数:

    • 日本のサーバーが充実している反面、他がイマイチです。
  • 独自プロトコルやDNSのサポート:×

    • 一般的なプロトコルのみでDNSの提供もありません。
  • サポート対応:

    • トラブル時の復旧スピードはそこそこです。
  • 日本語への対応状況:

    • 日本のインターリンクが提供しているサービスです。

他2社に比べると見劣りしますが、英語がどうしてもダメだという方にはオススメできます。


Shadowsocks

  • GitHub Shadowsocks
  • GitHub ShadowsocksR
    • 「R」は、セキュリティ面の機能を追加した派生バージョンです。本家のリポジトリは削除されたため、Google検索結果へのリンクです。

SSHトンネルを Socks5 によって行うクライアント ⇔ サーバー型の対金盾プロトコルで、中国のClowwindy氏(Rはbreakwa11氏)によって開発されました。

作者への圧力により開発が中止されたり、有志により引き継がれたリポジトリの削除にGitHubが応じなかったため、GitHubがDDoS攻撃を受ける等しています。それだけ金盾対策には有効な手段であるとも言えます。

別記事でShadowsocksRサーバーの構築方法を説明していますので、興味がある方は参考にしてみてください。
https://qiita.com/fallout/items/39360befe4dd35ee98c2

ある程度Linuxの知識がある方であれば、日本国内であっても、簡単に構築できる安全性の高いProxyとして利用できると思います。


オススメのアプリ

予めインストールしておくと仕事が捗ると思います。
リンク先は、各ベンダーのソフトウェア紹介ページにしています。

Windowsパソコン向け

メッセンジャー

  • QQ International版
    • 名刺やメールの署名等にも必ずQQ番号が書かれている程メジャーなソフトです9ので、予めインストールしてQQ番号を用意しておく事をオススメします。
    • International版は中国版に比べて機能は劣りますが、メッセンジャーとして使う分には問題ありません。
    • 中国語 ⇔ 日本語の自動翻訳機能がありますが、翻訳精度が低いので使わない方が良いと思います。

中国語のファイル名も扱えるアーカイバ

日本でよく使われているアーカイバには、中国語のファイル名に対応していないものもあります。

  • Explzh for Windows
    • 非常に多機能です。
    • Macintosh環境とのやり取りがある場合は、Macのリソースフォークを自動スキップする機能も大変便利です。
  • ZipExtractor
    • ZIPさえ扱えればOKというシンプルさを重視する方向けです。
    • Mac版も用意されています。

リモート操作ソフト

  • TeamViewer
    • 日本 ⇔ 中国をVPNを通さずに利用できます。10
    • デフォルト設定の簡易パスワードを禁止し2段階認証を使う等、セキュリティには十二分に配慮してください。
    • 職場のパソコンを直接遠隔操作するような使い方は避け、どうしてもその必要がある場合は必ずネットワーク管理者に確認をとってください。
    • スマホ用のアプリもあります。

スマートフォン向け

メッセンジャー

  • WeChat(微信)
    • 中国のLINEのようなものです。QQ同様こちらも非常にメジャーです。
    • 日本とのやり取りの際、VPNを通さなくても比較的高いクオリティで音声通話できます。

翻訳ソフト

  • Google 翻訳 Android版 | iPhone版
    • 特に便利なのが以下の2つの機能です。
      • リアルタイムカメラ翻訳
        • カメラを通して見るだけで画面上でリアルタイムに翻訳されます。
      • オフライン翻訳
        • 辞書をダウンロードしておけばオフラインでも使えます。
    • 日本語よりも英語の方が翻訳精度が高いですので、中国語 ⇒ 英語 という設定をオススメします。

地図ソフト


ある程度の英語力

英語で書かれたAPIやSDKのドキュメントを、なんとな~く理解できる程度の英語力でも大丈夫です。

  • 中国語の翻訳先は日本語よりも英語の方が精度が高い
    • 日本語に翻訳すると意味不明になる中国語でも、英語に翻訳するとすんなりと理解できる場合も多いです。

  • 通訳が難しい場面がある
    • 私のように中国語が全く話せない場合、通訳さんに頼る事になりますが、話の専門性が高まれば高まる程、通訳してもらうのは困難になります。
      • 例えば、「文字コードはUTF-8で改行コードはLFです。css・JavaScriptのパスは○○です。画像ファイルのパスは××というルールにしますが問題ないですか?」…といった初歩的な確認であっても、それを正確に通訳するには、ある程度の知識は必要となりますよね。
    • QQを利用して簡単な英語のテキストチャットでやり取りをした方が、ずっとスムースにコミュニケーションが取れる場面も多いです。

  • 英語が堪能な人が多い
    • 都市部でバリバリ働いている方には堪能な方も多いです。
      • 日本に留学経験のある方は、3ヶ国語ペラペラな事も珍しくないです。
    • ただし、中国人は日本人の苦手な FとHLとRsとthとsh の発音を正確に使い分けられます11ので、私のように純日本人な発音しかできないと、聞き間違えられる事もよくあります…。QQでテキストチャットをしましょう(泣)

覚えておくと良い情報

  • 国番号(国際電話番号)

    • 日本:+81
    • 中国:+86
  • 時刻に関すること

    • 中国のグリニッジ標準時:GMT+812
      • つまり日本との時差は1時間
    • 中国標準時:CST(Chinese Standard Time)

余談

我々日本人が仕事で訪れる機会が多いであろう北京・上海・広州・深セン・蘇州辺りは、日本のヘタな政令指定都市よりも遥かに発展しており、悲しい事ですが、既に日本のエンジニアの技術レベルや給与水準を超えている企業もあります。

また、中国には良くも悪くもせっかちで合理的な考え方を持つ人が多いですが、ITを活用した合理化はそんな中国人に非常にマッチしたようで、日本の方が時代遅れだと感じる場面にもしばしば遭遇します。13

中国の都市部で働いている方が、日本のFAX・書類に判をついてファイリング・メールに添付したエクセルで…といった光景を見たら、「昭和かよ!」とツッコミたくなるのではないでしょうか(苦笑)

もし、中国が未だに未舗装の道をたくさんの自転車が走ってるような国だと思っているのなら14、まずはその考えを捨て去り、勉強させてもらいにいくぞ!ぐらいの心構えでないと、最近の日本のダメダメっぷりに心が折れるかもしれません。

日本のネット上でよく揶揄されている「民度」という観点でいうと、例えば「田舎の列車の硬座席はまるで動物園だから乗らない方がいいよ」と現地の方ですら言うほど、都市部から離れるにつれ、顔をしかめたくなるような光景を目にする機会が増えて来るのは事実です。

ですが、日本人がビジネス上でお付き合いをする方々は、マナーもしっかりされている方が大半で、特に海外への留学経験がある方々の高スペックぶりには、私の方が何度も恥ずかしい思いをしているぐらいです。

ダメなところを見つけて咎めるのは簡単な事です。それをしたところで、自分達の価値が高まるわけでは決してありません。学ぶべき点は素直に学び、ダメな点はマネしなければ良いだけの事ではないでしょうか。15

大手企業の不祥事が相次いだり、EV車市場に対する大幅な出遅れが危惧されている16昨今、世界に誇れるものが「民度」ぐらいしかない国にはなって欲しくないものです。



  1. Yahoo検索は最近まで使えていましたが、党大会を約1ヶ月後に控えた2017年9月中旬頃から使えなくなりました。規制はどんどん強まってきているのが現状です。 

  2. 中国では多くの方がBaidu(百度)を使いますが、特に日本語の検索は精度が低く、使い物にならないと思っておいた方が良いです。 

  3. GoogleのパブリックDNS(8.8.8.8, 8.8.4.4)は利用可能です。 

  4. 中国国内からVPNを通さずにアクセスした場合、Webサイトの閲覧やアプリのダウンロードができない場合があります。 

  5. 中国からの利用を想定する場合、PPTPは論外としてL2TPも避け、OpenVPN(Google検索結果)をオススメします。 

  6. Squidが定番ですが、中国からの利用を想定する場合は、Shadowsocks(Qiita記事)もオススメです。 

  7. 中国国内では、VPNサービスの提供は認可制です。2017年は、無認可業者や名義の貸し借りを行っていた業者の多くが取り締まりを受け使用できなくなりました。 

  8. 党大会の開催年にはネット規制が強化されるのが通例です。2017年は、VPNサービス提供業者の一斉摘発や、スマホのアプリストアからのVPNやShadowsocks関連アプリ一斉排除等がありました。 

  9. 基本的に中国の方はメールをほとんど使いません。 

  10. 中間サーバーを介し HTTPS と同じポート(443番) を利用した SSL-VPN プロトコルで動作するため、中間サーバーに対するアクセス規制をされない限りは、ほぼどんな環境からでも簡単に利用できると思います。 

  11. 英語が全くダメな人でも聞き分けは正確にできるようです。Wikipediaのピンインの項目を読むと、その理由も分かる気がします。 

  12. 中国は非常に広い国ですが、経度の差に対して人口がかなり偏ってるためか、標準時刻は1つしかありません。 

  13. 例えば自転車シェアリング。スマホを数タッチするだけですぐに利用できどこでも乗り捨てできるので、日本のそれとは比べ物にならない程に使い勝手が良いです。日本は何をするにしても手続きや操作が面倒で、スマホの利便性を活用できていない事がよく分かると思います。 

  14. そう思ってる人は流石に居ないとは思いますが、子供やフィットネス目的の人ぐらいしか自転車に乗っていない地域も多いです。代わりに日本の原付に似た電動バイクが使われています。 

  15. 例えば自転車シェアリングでは、シェアリング自転車が街中に溢れかえり往来の邪魔になる等の問題が起きていますが、日本ではそういう問題点ばかりが取り上げられ、優れたシステムが構築されている点には触れられていません。日本の自治体が時代遅れの方法で利益追求もできないまま「なぁなぁ」で運営し、ロクに利用されていない現状の方がずっとレベルの低い話だと思います。 

  16. 中国ではEV車が急速に普及してきており、親日家からは「日本車メーカーは大丈夫?」と心配されています。日本人の方が関心が薄い気がします。